機動戦士Zガンダム
1985年 全50話


評価 80点

作品解説


ティターンズに反感を持つ少年カミーユ・ビダンは、彼らからガンダムmk-Uを奪い、反地球連邦組織エゥーゴに所属するクワトロらと共に戦うことを決意するのだった。


ファーストガンダムからの続編で、あちらの7年後が舞台となります。同じ世界観の話なので、アムロやシャアといった前作で活躍したキャラも再登場していました。
前作の主人公・アムロが属していた地球連邦ですが、数年の歳月は連邦政府を腐敗させ、今回は主人公と敵対する側になってしまったという設定です。そして、なんとあのシャアが味方という立ち位置なんですよね。アムロとシャアが同じ組織に属して共に戦うなんて、前作ファンならたまらんシチュエーションですよ(残念ながら、肩を並べて共に戦うってシーンはほとんどありませんでしたが…)
初代ガンダムの流れを継承しつつ、シナリオや人間ドラマ、モビルスーツのバリエーション等、様々な面においてグレードアップ。ファースト〜Z間で富野さんが手掛けてきた作品で培われたものが、色々と集約されているように思えます。心に残る名ゼリフも多く、思わず物語に惹き付けられました。
また、エゥーゴ・ティターンズ・アクシズという三つ巴の戦局や、主人公と強化人間との出会い等、後のガンダムシリーズでも幾度か使われることになる展開もここで生み出されました。もうこの作品で、今後のガンダムシリーズの基礎となる部分が完全に出来上がったと言っても過言ではありませんね。
ただ、後半は人がかなり死んじゃうので、なかなかシビアな話になっています。衝撃のラストシーンも、一層話の暗さに拍車をかけてますし…これに関しては賛否両論あるでしょう。まあ個人的には、戦争という行為がもたらす「重み」を顕著に感じることが出来、かなり印象にも残るものだったので評価しています。

ちなみに、TV放映終了の20年後である2005年から、全3部作の劇場版が公開されましたが、こちらはちょっと微妙でした。時間が足りないのはもう明白…超駆け足の展開になっており、いまいち分かりにくかったような気がします。さらに、『新訳』と銘打って問題のラストを変えてきたのですが、果たしてそれが良かったのかというと、TV版を受け入れた者としては正直判断に困るようなものでしたよ…(汗)


〜おまけ「宇宙世紀の流れ」〜

宇宙世紀 作品名 放映年
0079 機動戦士ガンダム 1979年
0079 機動戦士ガンダム MS08小隊 1996年
0080 機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争 1989年
0083 機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY 1991年
0087 機動戦士Zガンダム 1985年
0088 機動戦士ガンダムZZ 1986年
0093 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 1988年
0123 機動戦士ガンダムF91 1991年
0153 機動戦士Vガンダム 1993年



主な登場人物と名言(?)

・カミーユ・ビダン 「そんな大人、修正してやる!」
 感受性の強いニュータイプの少年。アムロと同じように爪を噛むことが癖とか言ってるから、てっきりひきこもり内向的少年かと思えば、意外とアグレッシブ〜なんですよね。悪口を言われたからと、年上でしかも軍人のジェリドを問答無用で殴り飛ばしちゃったりしてます。けど、さすがにそれはやり過ぎでないかい?しかも、その後に個人的な復讐心を解消するため、ガンダムで人間を脅したりしてました。よくよく考えれば、根性腐ってるかも(笑)

・クワトロ・バジーナ 「まだだ!まだ終わらんよ」
 てゆーか、思いっきりシャアです。グラサンして顔を隠しているようですがバレバレですよ。しかし、今回の彼は女運が悪いな〜。今カノ?(レコア)には逃げられるわ、元カノ(ハマーン)には撃墜されるわ…まあ、全て己の撒いた種なんで自業自得ですけどね。とは言っても、基本的に彼の役回りはかっこいいところですよ。ついに、時代の表舞台に立つことになったシャアの演説に注目だ。

・アムロ・レイ 「人は同じ過ちを繰り返す…」
 前作の主人公。そんなに目立った活躍はしませんが、今回も一応出てきます。しかし、最初のうちは一年戦争をくぐりぬけて来たエースパイロットにはとても見えないような腑抜けっぷりなんですよね。けどまあ、いざ戦闘が始まってみると、カミーユもビックリの活躍をみせてくれます。さすがは元祖ニュータイプ!

・パプティマス・シロッコ 「堕ちろ!カトンボ」
 陰謀家で野心を持つ、キザでいけすかない女たらし…とまあ自分の中で印象は最悪です。けど、ラスボスとして出てくるんなら、これくらいのキャラの方がいいのでしょう。悪の魅力に満ち溢れてますから。どうでもいいことですが、彼の専用機ジ・Oはフォルムがちょっとブサイクです。どうも腹が出ているように見えるんだよなw

・ジェリド・メサ 「カミーユ、お前は俺の…」
 元はティターンズのエリート…しかし、カミーユに関わったばっかりに転落人生へと落ちていった悲しいお人なんです。新型MSに乗って現れては、カミーユに倒されるヘタレ街道爆進中。さらには、師匠、親友、恋人までもカミーユに倒されてしまって…って書いてて物悲しくなってきました。彼が死ぬ間際に言ったセリフ(上記)の続きがとっても気になるところです。

・ファ・ユイリィ 「よくないわ。その癖、やめなさいよ」
 この物語のヒロインです。…ええ、正統なヒロインですとも!例え、カミーユとの間にフラグが立つようなイベントがあまり無かろうと、他に目立った女性キャラが沢山いようとも、彼女こそが真のヒロインなんじゃあああっ…多分w

・フォウ・ムラサメ 「あたしにやさしくしてよ!」
 元祖・強化人間。彼女の登場以来、強化人間は非業の最後を遂げるという不文律が出来上がってしまいました。生き残ったのって、私の知る限りではカリスくらいか…?一番どうでもいい奴ですね(笑)。いや、どうでもいいからこそ生き残ったのかもしれません。正しい強化人間の在り方は、主人公と感じ合う→お互いの存在が大きくなってくる→非業の死→主人公に大きな影響を与える、という重要なもの…やはり、どうでもいい奴にはこの大役は務まりませんね。

・エマ・シーン 「あなたは女でありすぎたわ」
 元はティターンズの一員でしたが、その卑劣なやり方に疑問を覚えてエゥーゴへと下ります。ちなみに、彼女の髪型は明らかにおかしいです!これがこの時代の流行なのか?(笑)。あと、お願いだからエマさん…ヘンケン艦長からのアプローチに答えてあげてください。あの人かわいそすぎますからw

・レコア・ロンド 「私は女よ!」
 エゥーゴの一員として危険な任務を色々とこなしていましたが、シロッコに惹かれて彼の下へと走ってしまいます。全てはシャアの責任だ!あいつがヘタレだったために、こんな事態を招いたんですよ。といって、シロッコみたいにあからさまに優しさを強調させる奴も不愉快ですね。レコアさん、もっといい男を見つけてください。

・ヤザン・ゲーブル 「縮んどるぞ!まだ出撃前だ、しっかりせい!
 見事なまでの悪役っぷりです。オールドタイプの分際でここまでやるかという強さでしたね。ジェリドなんてヘタレよりよっぽどライバル的存在でしたよ。こいつはしつこく生き残り、ZZにも再登場します。しかし…



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