機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争
1989年 全6話
作品解説 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
一年戦争末期、新型ガンダム開発の噂を聞いたジオン軍は、サイド6にサイクロプス隊を送り込み、これの奪取の任務を与えるのだった。 切ない(涙)!なんて切ないお話なんでしょう…もうすっごく哀愁漂ってます。 このOVAは、一年戦争の裏側のお話になります。アムロ達が活躍している影…辺境の地でも、そのサブタイトルが示すように小さな戦争が起こっていたのです。彼らの戦いは、大局から見ればあまり意味を成さない無駄なものなのかもしれません。しかし、それゆえに戦争というものの悲惨さ、空しさがより浮き彫りになって伝わってくるのを感じました。ラストのバーニィのビデオテープのシーンには思わずグッとくるものがありましたよ。ほんと、切ねえ〜!! アムロやシャアのようなヒーローチックで華やかな活躍をする主人公がいないこの作品は、ロボットアニメというエンターテイメント性を考えた時、それほど万人受けするものではないのかもしれません。ですが、私はこの作品のストーリーはガンダム全シリーズの中でも上位に挙げるくらいに好きです。 この0080、TVシリーズに比べるとあまり目立ってはいないという印象ですが、これはこれで確実にアリだと思うので、未見の方は一度ぜひに…。これこそが本当の戦争なんです!
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主な登場人物と名言(?) | ||
・アルフレッド・イズルハ 「人間って簡単に死んじゃうんだね」 通称アル。少し異色の主人公です。ガンダムはおろか、モビルスーツ自体を操縦することがありません。ただ、軍隊というものに漠然と憧れを持っている普通の少年なんです。しかし彼の役割は、ただの少年だというところにあると思います。と言うのも、戦争とは直接関わりのない第三者である無力な子供の視点で描かれることで、より一層その理不尽さを表現することが出来るからです。さらに、バーニィという漢の生き様を知る生き証人として、やっぱり必要な存在だったのではないでしょうか?その経験から得たもので、間違いなく彼は成長したと思います。戦争というものの本質を身をもって知った彼が、その後どういう道を歩んでいくのかがとても気になるところなので、何か続編的なものでも出てくれれば嬉しいんですけどねぇ…。 ・バーナード・ワイズマン 「俺はなぁ、モビルスーツなんて一機も落としたことがないんだ」 バーニィ君はサイクロプス隊の下っ端。基本的には情けない奴ですが、物語後半で男を上げます。偶然知り合ったアルと仲良くなり、少年の中ではヒーローのような存在でした。クリスに好意を抱いていますが、彼女がパイロットだということを彼は知りません。作戦行動中、サイクロプス隊は自分以外全滅してしまいますが、コロニーを守るために己一人で最後まで任務を成し遂げようとする彼の生き様は本当に熱い。ザク一機でクリスの乗るガンダムに立ち向かい、自分の身も省みずそれを大破させたこいつこそ真の漢なんですが、なぜかスパロボではザクマニアとして扱われるという不遇を受けています。ということで、バーニィ=ザクというイメージが固定されてしまって、それ故にバーニィ=ザク=雑魚という図式が出来上がってしまいました(涙)。 ・クリスチーナ・マッケンジー 「正しいことなんてどこにもない…自分に出来ることをするしかないんだわ」 アルの家の隣のお姉さんで、連邦軍の新型ガンダム、NT−1アレックスのテストパイロットです。彼女もバーニィに好意を抱いていたようですが、彼がジオン兵だということを知りません。そして何も知らないままにお互いモビルスーツで戦うことになります。いつものガンダムシリーズなら、ここでお互いに相手の存在をニュータイプ能力やら何やらで感じ取ったりもするのですが、彼らはオールドタイプなんでそんな芸当は出来ません。相手をただの敵としてのみ認識して、倒すことだけを考えて戦います。ほんと、もの悲しい結末を向かえてしまうんですよね…。 |
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