機動新世紀ガンダムX
1996年 全39話


評価 65点

作品解説

 G-SELECTION 機動新世紀ガンダムX DVD-BOX 【初回限定生産商品】
バンダイビジュアル (2010-12-22)
売り上げランキング: 312

戦後15年…ガロードは手に入れたMSの横流しなどをして生計を立てていた。そんな時、ある依頼を受けた彼はフリーデンに忍び込み、そこでティファという少女に出会う。


悲しいけど、これって打ち切りなのよね…
ガンダム初の戦後という設定で、そこから生じた世界観はなかなか新鮮なものもありましたが、ロボットアニメ特有の大きな見せ場やケレン味に欠き、いよいよ戦争が始まってこれから盛り上がっていきそう…という時にあっさり終了してしまいました。月が出ている時だけ使用できるサテライトシステムや、モビルスーツ型ビット等、新しい試みも随所に見られたのですが、作品の評価には大して繋がらなかったという感じです。
とりあえず、この作品はどこか地味でしたね。視聴者をぐいぐい引き込んでいくだけのパワーというのが不足しているように感じられました。キャラ・メカ共に一見パッとしないので、前作ガンダムWでの常識外れな派手さが頭に残っていたら、どうしてもこちらは印象が薄くなってしまいがちに思えます。特に、ボス的立ち位置にいるフロスト兄弟がしょぼい!そこが私の中で大きなマイナスポイントになりました。
そして、この作品が掲げるテーマ「ニュータイプ」…この作品は富野ガンダム以来、初めてニュータイプというものに向き合った作品なのですが、宇宙世紀のそれとは本質的な意味合いが異なったものであり、個人的にも「うん…?」と首を捻ってしまいました。しかも、この作品の結論が宇宙世紀では人類の革新としたニュータイプの否定であり、旧作ファンからの叩かれ要素も多くなっています。そこがマズかったですね。
ただ、シナリオについてはそんなに悪くも無かったと思います。物語にこれといった大きな目標がなく淡々と進んでいくので、確かに盛り上がり辛いという印象はあるのですが、各エピソードでのドラマはなかなか興味深いものもありました。スポット参戦のキャラも案外味があって、それなりに楽しんで見られた部分もありますし…。
まあ、決して悪い作品というわけではなく、ただガンダムとしての魅力に欠けていたという印象ですね。ガロード・ティファのボーイミーツガール&二人の成長物語として見たら割と好印象にも映ります。
ということで、この作品にとっては“ガンダム”というタイトルがお荷物になりましたね。そこを抜きにして見れば、それなりに味わい深い作品だと思いますが、ヘタにニュータイプなんて素材を物語の中心に置いているせいで、どうしてもガンダムから切り離して見ることが出来ない…ここがネックになっているのかな?



主な登場人物と名言(?)

・ガロード・ラン 「ガンダム、売るよ」
 ニュータイプという概念が存在する世界では、初のオールドタイプ主人公。ティファを守るため、偶然乗り合わせたガンダムXで戦います。熱血漢で直情型であり、空回りすることも多いですが、持ち前の負けん気で人工ニュータイプや、ニュータイプ候補生との戦いも勝利し、オールドタイプだってやれるんだぞというところを見せてくれます。ちなみに、ガンダムを売りに出すという不届きな主人公でもありますw

・ティファ・アディール 「あなたに、力を…」
 この世界においては数が少ない正真正銘のニュータイプ。作中では他のガンダムとニュータイプの定義が違うようで、超能力者のような感じで扱われていますが、どうやらフラッシュシステム(サテライトキャノンの初期起動やGビット)を使えることがその条件のようです。序盤のこの子は無口で人見知りの激しそうな印象ですが、物語が進むにつれ徐々にガロードに心を開いていき、可愛らしい面を見せてくれるようになります。そこんところが、この作品の見所ですかね?まあ、ガンダムらしい見所とはあまり言えないかもしれませんが…

・ジャミル・ニート 「月は出ているか?」
 コックピット恐怖症の元ニュータイプ。サングラスが似合う渋めのオヤジ(30歳)です。フリーデンの艦長でありますが、中盤以降は恐怖症を乗り越えてパイロットも務めていました。彼とかつてのライバルでもあったランスローの活躍が後半を盛り上げてくれると思っていたのですが、いかんせん…。そのもみあげはハッタリかーーー!!

・シャギア・フロスト 「私の愛馬は凶暴です」
 フロスト兄弟の兄。ニュータイプになりそこないのカテゴリーF(弟と感じ合える?みたいな力の持ち主)です。自分達を認めなかった世界に復讐を考え、再び戦争を引き起こそうとしていますが、主義や理想もなく逆恨みから狂気に捕らわれている姿は、まぎれもなく小者ですな。こいつらには、いまいち大物のオーラが無いんだよ。

・オルバ・フロスト 「僕らが求めた戦争だ」
 フロスト兄弟の弟。同じくニュータイプのなりそこないです。兄さんがいてはじめて一人前の小者パートU。

・カリス・ノーティラス 「僕がニュータイプだ!」
 力を求めた人工ニュータイプの少年。しかし、その力の代償として、シナップスシンドロームという発作に苦しめられています。今までのガンダムなら、この手の強化人間は死んじゃうところなんですけど、こいつは珍しく生き残るんだよな。

・エニル・エル 「あの子、許さない!」
 彼女、19歳らしいですが色っぽすぎ!何故か、お子様のガロードに異常な執着を見せますが、見事に振られて嫉妬の鬼と化します。女に恥をかかしちゃ駄目ですよ、ガロード君。とりあえず、エニルといえばゲーム・スパロボ(α外伝)での胸揺れが何より強く印象に残っていますねw おそらく、彼女がスパロボでの胸揺れ元祖?



[ランキングへ戻る]

[HOME]

ブログパーツ
inserted by FC2 system