装甲騎兵ボトムズ
1983年 全52話


評価 65点

作品解説


ギルガメス軍の一兵士キリコ・キュービィは、味方の基地を強襲するという不可解な作戦に参加させられる。その作戦中にキリコは「素体」と呼ばれるギルガメス軍最高機密を目撃し、軍から追われる身となるのだった。


ミリタリー色の強い、ハードボイルド・リアルロボットアニメ。
この作品は大きく4つの章に分かれており、そのどれもが息が詰まりそうなほど緊迫した事態の下で話が進んでいきます。様々な危機的状況において、主人公キリコが己の全てを駆使して生き延びながら、運命に立ち向かっていく様が描かれていました。故に、お気楽な気持ちで楽しめる作品ではありませんので、そこんところ注意を…
それで、この作品には他のロボットアニメでは当たり前になっている主人公専用機というものが存在しません。ロボットは主人公の乗るものも含め、そのほとんどが量産機であり、ただの使い捨ての消耗品なんです。まあ、リアルといえばこれ以上のものはないのですが、やっぱりこの手の主人公がガンガン戦っていくロボットアニメでは、主人公機があったほうが燃えるって人も多いのではないでしょうか?
そしてストーリーなんですが、これが私の中ではそれほど楽しめなかったという印象だったりします。最後までリアル路線を貫くのかと思いきや、終盤で神云々の話が出てきて急にうさんくさくなってしまいました。ほんと、予想を超えたとんでもない展開を繰り広げてくれたもんです。
また、全編通じてドラマチックな盛り上がりというのが薄く、雰囲気は常に暗くて重たいし、どうも地味なものに感じられたんですよね。まあ、戦闘シーンはドッカンドッカン激しくやってくれるのですが、4クールもこの空気に付き合わされたのは正直しんどかったです。見るのがほんと疲れる作品なんだよな〜。
せめて、物語にもう少し「華」となるような部分があれば見やすかったのでしょうが、この作品は極端なくらいに視聴者に媚びることをせず、この泥臭い雰囲気について来られる奴だけついて来い!…みたいに、こちらを突き放しているんですよね。そういうところで、幅広い層から受け入れられるってものにはなってないと思います。まあ、ある意味コアなファンが付きそうな作品とは思いますが…。
ちなみに、この作品は次回予告が最高です。ナレーションは銀河万丈さんで、一つ一つの言葉の言い回しが半端なく渋いんだよな。むせるわ〜w



主な登場人物と名言(?)

・キリコ・キュービィ 「俺はどうやらまた、地獄に迷い込んでしまったらしい」
 寡黙でクールな主人公。そして不死身の超人です。確かにこの作品のロボットはリアルですが、人間は全然リアルじゃねー!こいつはヒイロくらいにとんでもない男ですよ(汗)。とりあえず、このキリコが地獄のような環境をもがき苦しみながら潜り抜ける様を堪能してください。しかし、クールな一面とは裏腹に、酒が飲めないという可愛らしいところも…(笑)

・フィアナ 「キリコ…愛しているわ。ずっと…」
 軍が開発したパーフェクトソルジャー(PS)。通常の人間より優れた能力を持つ完璧な戦士です。おそらく、これが強化人間とかの元祖になるんでしょうかね?しかし、生命維持にはチヂリウムという特殊な金属が必要という弱点もあります。そんな彼女ですが、キリコとの出会いから戦闘には必要ない「愛」という感情が芽生えるのでした。ちなみに、「フィアナ」とはキリコが勝手に名付けた名前であり、正式名称はファンタム・レディ。

・ブールーズ・ゴウト 「やっと見つけた。さんざ心配させやがって」
 ウドの街で闇商売を行ってるとっつあん。キリコに目をつけて一儲け企みますが、共に危ない橋を渡っているうちに、次第に本当の仲間になっていきます。その後もキリコが赴くあらゆる場所に現れては、何かと彼の手助けをしてくれます(まあ、それはココナとバニラも同様ですが)。

・ココナ 「悔しいけど、綺麗だね!」
 とっつあんにたかってる浮浪少女。まあ、情勢が不安定なこの世界で生き抜いてるだけあって、なかなかに気が強い少女です。キリコに好意を抱いているので、フィアナに対しては複雑な思いを抱いています。

・バニラ・バートラー 「決めた、決めたぞー!あいつを相棒にするぞー!」
 アフロのお調子者。ゴウトと同じくキリコの強さを目の当たりにし、彼に惚れこんで行動を共にするようになります。元パイロットらしく、ヘリの操縦なんかが得意でした。

・イプシロン 「普通の人間に、この私が負ける訳が…ない」
 もう一人のPS。キリコに異常な執着を見せ、彼を倒すことに執念を燃やします。PSとしての自分の能力に誇りを持っており、かなりプライドが高いみたいですね。オールドタイプには負けられんわー!ってねw

・ジャン・ポール・ロッチナ 「私が異能者であったなら…」
 ギルガメス軍の将校。PSの情報を知ったキリコをしつこく追いかけます。しかし、その裏にはある大いなる意思の存在がありました。

・ワイズマン 「罪に耐えることはない。むしろ誇るべきなのだ」
 アストラギウス銀河の歴史を影から操り、100年にも渡る戦争を仕掛けた張本人。その存在は、まさに神と呼ぶにふさわしいものです。



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