新機動戦記ガンダムW
1995年 全49話


評価 90点

作品解説

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連合に対し反感を抱いていた五人の科学者は、連合内の組織OZを壊滅させるため、各々が地球圏にガンダムと共にパイロットを送り込む。送り込まれた五人の少年達は、コロニーと平和のために戦っていくのだった。


「お前を殺す」…第1話のラストで主人公がヒロインにそう呟き、度肝を抜かされました。まさに、この作品はシリーズの中でも異端の部類に入りますね(Gガンは当然除く)
これまでの作品とは違い、ガンダムが1機で戦局を変えられるほどの圧倒的な力をもっているので、5人のガンダムパイロットは皆、単独で任務をこなしていきます。そのため、艦隊戦といったものが極端に少なく、テロのような形での奇襲をかけた戦いがほとんどでした。基本的にこいつらは仲間意識ってのが薄く、それぞれが勝手な行動を取りまくりでしたよ。
それで、彼らの機体には任務に失敗したときのために自爆装置が備えられています。まあ、なんだかんだ言ったところで、ヒーローもので自爆なんてまずありえないだろう…と思っていたのですが、なんと主人公自らが自爆を行っちゃいました。戦いによる結果以外で、ガンダムが木っ端微塵になるというのはショッキングな光景でしたねぇ。なかなか予想外の展開が繰り広げられていましたよ。
敵味方の関係が目まぐるしく変化する戦況…時代の流れに逆らい、孤立してしまった戦士達の孤独な戦い…等々見所の多い作品です。キャラクターも魅力的な人物が多く、こいつらの言動には見る者を惹き付ける華があるんです。
そう、この作品は全編通じてカッコ良さというものがかなり追求されていました。とにかく、けれん味が半端じゃなく何もかもが非常識なまでに逸脱してますw そこら辺が個人的にヒットしたんですよね。それに、主人公達がただ強くて完全無欠なヒーローというのではなく、そんな彼らがむしろ負け続けることで成長していくというドラマが気に入りました。ガンダムの圧倒的な強さで戦術的な勝利を得ても、戦略的に彼らは敗北することが多いですから。
まあ、作中では美少年キャラが多数登場しているので、女性層から非常に多くの支持を受けたようです。こういうのを毛嫌いする人もいるでしょうが、これはちゃんと内容の方も伴っているので私的には何の文句もありません。つか、ガンダムシリーズの中で一番好きかもしんないです。なんかウイング好きだとミーハーっぽいな〜って自分でも思ってるんですけど、そうなってしまったものはもうしょうがないですね。とりあえず、私が一番最初に見たガンダム作品なんで強く印象に残っています。
ちなみに、このウイングはシリーズの中でも戦争と平和というテーマをかなり真正面から捉えているように見えました。そこんところを曖昧に濁さず、曲がりなりにも完全平和へ辿り着くための結論を出したこの作品は、なかなか興味深いものになっていると思いますよ。
あと、TVシリーズが好評だったためか続編のOVAも製作されました。



主な登場人物と名言(?)

・ヒイロ・ユイ 「お前を殺す」
 ウイングガンダムのパイロットでこの物語の主人公。ですが、他のガンダム主人公(ドモンは除く)が絶対に取らないような、とんでも行動を平気で行います。
@俺の顔見たヒロイン殺しちゃえ。
A高層ビルから飛び降りてもへっちゃらさ。
B骨が折れても、自分で治して大丈夫。
C任務失敗、自爆でおさらば。
D移動に邪魔だから、ガンダム捨てて行っちゃえ。

・リリーナ・ドーリアン 「ヒイロー、早く私を殺しにいらっしゃーい」
 危うく、主人公の最初の犠牲者になりかけたヒロインです。前半は、自分の命を狙っている主人公を追い掛け回すというお転婆ぶりを見せてくれます。実はサンキングダムという平和主義国のお姫様で、物語後半は完全平和主義を目指した国家を作り上げます。

・デュオ・マックスウェル 「死ぬぜぇ…俺の姿を見た奴は、み〜んな死んじまうぞぉ」
 寡黙なガンダムパイロットが多い中、唯一のムードメーカー的な存在です。そのせいか、無口なヒイロとセットになることが多く、よく三枚目的な立ち位置になってしまいました。愛機はガンダムデスサイズ。大きな鎌を持ったそのフォルムは、まさに死神です。

・トロワ・バートン 「ガンダムの姿を見た者を、決して生かして返すわけにはいかない」
 ピエロのシスコンです。ガンダムパイロットの中で一番大人な雰囲気を持ってる気がします。カトルとは仲良しで、優雅に楽器を演奏し合ったりしてました。こいつらはほんと、何でも出来るな〜。彼の機体はガンダムヘビーアームズ。弾を撃ち尽くしたら終了〜な機体です。

・カトル・ラバーバ・ウィナー 「言ったよ、僕は投降しろって」
 ガンダムパイロット一の偽善者。その証拠に彼が壊れてしまったら、歯止めが利きません。コロニーの一つや二つは簡単に落ちます(爆)。ガンダムサンドロックに乗り、今日も偽善活動に励みます。

・張 五飛(チャン ウーフェイ) 「正しいのだ!俺たちは」
 いわゆる正義マニア。何かと、正義を口にしては、自分が正しいことを主張してます。そんな彼の正体は、自分のシェンロンガンダムに愛称(ナタク)をつけて、かわいがっているロボットマニア(…何やねんそれ!)。こいつは特に単独行動が多く、仲間との絡みも少ないので、その分自分の機体に愛情を注いでいるんでしょう。

・ゼクス・マーキス 「必要ないのだ!宇宙にとって、貴様達は!」
 仮面のお兄さま再び!彼は祖国を滅ぼした連合に復讐するため、OZの兵になり、その機会を窺っています。…って何処かで同じような文を書いた気がするぞ。ちなみに彼が後半に登場するガンダムエピオンは赤い(赤茶?)色です。しかし、通常の3倍早く動くという話は聞きません…念のため。

・ルクレツィア・ノイン 「はい。愛しています」
 通称ストーカー…愛するゼクスと会っていない日を指折って数えながら、日々過ごしてます(笑)。まあ、多少いき過ぎなところを垣間見せることもありますが、男のために健気に尽くすいい女の部類に入れておいて問題はないでしょう。

・トレーズ・クシュリナーダ 「事は全てエレガントに運べ」
 敵側のカリスマ、トレーズ様です。バスローブとワインが似合うようなとってもダンディズムな御方。ノーマルな人は毛嫌いしそうですが、私はこういった濃いキャラが大好きです。その独自の美学も彼の魅力をさらにアップさせるものとなっています。よくよく考えると、何かおかしなこと言っちゃてる気がしますが、こんなもん真剣に考えたほうが負けです。何も考えずに彼に陶酔しちゃいましょう。

・レディ・アン 「兵士としてはな。しかし、人間として厳しく生きたつもりだ」
 まあ、こっちも一応男のために尽くす女。けど、「健気に」かどうかは微妙ですよ。彼女の場合、トレーズ様の道を阻む者はどんな手を使ってでも排除する!みたいな感じですから。ちなみに眼鏡の着用、未着用で人格を使い分けるという特技(?)を持っています。



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