ブレンパワード
1998年 全26話


評価 80点

作品解説

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海底から浮上した謎の遺跡オルファン。伊佐未ファミリーは、その研究のためにリクレイマーを組織し、オルファンの調査を行います。そして、17歳になった伊佐未勇は両親のやっていることに疑問を抱き、ブレンパワードを持ってリクレイマーから脱走するのでした。


富野監督の新境地。悲惨なのはもういいじゃないかってことで、作風をガラリと変えて何処か温かみも感じられるような作品に仕上がっていたと思います。
しかしこれ、OPから女性陣がみんな裸で登場してるんですよね。まあ、女性の裸というのが生物的な象徴を表現しているのでしょうが、何も知らない人が見たらまるっきり妖しいアニメですよw
それで内容はというと、一見しただけでは理解に難しい作品に思えます。最初から訳の分からない単語もたくさん出てくるので、とっつきにくいことこの上ないですね。
話の流れを簡単に整理すると、突然オルファンという怪しげなものが現れて、初めはそれが危険な存在であろうから何とか排除しなければならないと考えます。しかし、オルファンに接触していくうちに、それは悪意あるものでは無いのでは…?と考えが変わってきて、登場人物達は次第にオルファンのことを理解しようとするようになります。
ここから考えられるテーマの一つとして、『相手のことを理解しようと歩み寄ってみる』というものが上げられるのではないでしょうか?
このことは、ブレンパワードやグランチャーといった意思を持った存在であるアンチボディが、人間であるパイロットとコミュニケーションを取ろうとしているところからも考えられると思います。アンチボディと人間…まったくの異質なものでありながら、彼らはお互いのことを分かり合おうとしていた風に見えました。
そして、もう一つのテーマとして挙げられる『親と子の関係』というところも、そこへと繋がる部分があると思います。家族に対していい感情を持っていなかった勇やジョナサンが、最終的には彼らのことを許す(認める)ような発言をしたことからも、彼らは相手に対して歩み寄ったということではないでしょうか?
つまり、富野さんはこの作品を通して、歩み寄ることの大切さとそれによって分かり合えることも出来るんだと言いたかったように思います。
…という風に私は解釈しましたが、御大がほんとはどういうメッセージを込めて作った作品なのかは知りませんよ。あの人の考えることは、常人にはなかなか理解し難いですからね。まあ、その他にも色々メッセージが込められていると思いますので、その全てを理解出来なくとも何か一つでも感じ取れれば、それでもうOKでしょう。
とりあえず、音楽は菅野よう子さん作曲で神曲のオンパレードでした。そこだけでも見る価値アリ!



主な登場人物と名言(?)

・伊佐未 勇(いさみ ゆう) 「おまえのブレンパワードの扱い方、イエスだね」
 元はグランチャー乗りのリクレイマー。しかし、オルファンの危険性に気付いて、ブレンパワードと共にリクレイマーから脱走します。ほとんど初対面に近い比瑪にキスをするなどプレイボーイの資質も見せましたが、あれはその時のノリか何かのようで、実際は至って健全な青少年でした(…ツマランw)

・宇都宮 比瑪(うつみや ひめ) 「こんなもの無くったって人は、生きていけます!」
 偶然ブレンパワードのリバイバルに立ち会ったことからパイロットとなった少女。面倒見がよく孤児院の小さい子の世話をするお母さんといった感じでしたね。ブレンパワードの声が聞こえ、オルファンとも心を通わすことが出来ます。ちなみに、核ミサイルに対して発した上記のセリフ…なんだか強く印象に残りました。

・クインシィ・イッサー 「私はクインシィ・イッサーだ。伊佐未依衣子ではない!」
 本名、伊佐未依衣子。リクレイマー部隊の指揮を執る勇の姉です。にしても、こいつが「いいこ」なんて名前とは、何の皮肉なんでしょうか?けっこうキレちゃってますよ、彼女w そのキレキャラを意識してなのかどうか知りませんが、声優はカテジナさんと同じです。比瑪が正のヒロインなら、こちらは負のヒロインといったところですかね。

・ジョナサン・グレーン 「死ねよや〜!
 ママンに愛情を注いでもらえず、ひねた性格になってしまった小者。でも、何故かリクレイマーの女性陣からはモテモテのような気がします。よっぽど、リクレイマーってまともな男がいないのねん(まあ、他はKDとかエッガくらいだからな)。ちなみに、彼が勇に対して言った「親子丼」発言には笑いました。

・カナン・ギモス 「あたしは只、生まれてきた事を後悔したくないだけ
 リクレイマー時代のユウのパートナー。なんとなくユウとはいい仲に見えたんですけど、そういう関係ではなかったみたいですね。後に彼女もリクレイマーから離脱することになり、ノヴィス・ノアに来てからはラッセといい関係になります。

・バロン・マクシミリアン 「喜べジョナサン!おまえの願いは私が叶えてやる
 仮面をした謎の人物。進化したグランチャー・バロンズゥを持ち、ジョナサンに肩入れする彼は一体何者なのか…って正体バレバレですw 最終話のハイパーバロンズゥは、同じ富野作品のダンバインからのネタですかねぇ。

・ネリー・キム 「勇、忘れないで。憎しみだけで戦わないでね
 勇曰く、比瑪に似た少女。彼女もブレンの声を聞くことが出来ます。病に取り付かれた体で、ネリーブレンと共に最後の時を過ごしていました。彼女のブレンと出会うことで、ユウブレンは再リバイバルすることになります。



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