聖戦士ダンバイン
1983年 全49話


評価 75点

作品解説

聖戦士ダンバイン DVD-BOX
バンダイビジュアル
発売日:2006-08-25

地上人のショウ・ザマは、バイクの運転中に突然異世界バイストンウェルに召喚されます。そこは、戦乱が続く世界…地上とバイストンウェルを巻き込んだ戦いが今始まります。


SF?ファンタジー?妖精やお城、お姫様なんかが出てくる世界観はファンタジーそのものですが、そこにはオーラマシンというSFチックなロボットや巨大戦艦も存在しており、かなり異色の雰囲気を漂わせています。
このオーラマシンは、オーラ力というパイロットの精神力のようなものによって能力が左右されます。地上からバイストンウェルに来た人間は、このオーラ力が強いため、「聖戦士」と呼ばれて目覚しい活躍を見せることが出来るのです。また、悪意あるオーラ力が暴走することで、オーラマシンが巨大化(ハイパー化)することもあります。
SFともファンタジーとも取れるようなこの一種独特の世界観…これこそが、バイストンウェルという異世界を構築するのに欠かせないものとなっていますね。もうこれは、新しいジャンルを築き上げたといっても過言ではないでしょう。さらに、バイストンウェルだけでなく、地上をも巻き込んだ後半の展開はなかなか興味深かったように思えます。
そして、物語終盤ですが皆殺しの富野の本領発揮ですかね…一体誰が生き残ったんだって話ですよ。4つの国、4つの巨大戦艦が入り乱れての最終決戦は迫力ありましたが、その全てが撃沈ですからねえ。当時の富野さんは、伝説巨神イデオンなどでも見られるように、こういった全破滅的な終局を好んでいたように思われます。ここんところで、好みは大きく分かれてしまうでしょう。
まあ、ロボットものにしては少し雰囲気の異なる作品ですが、ガンダム好きなら結構すんなりと受け入れられると思います。ぶっちゃけ、あまり救いの無いような作品ですが、これこそが富野さんの持ち味という気もしますので、一度は視聴してみることをおすすめしますよ。戦闘中の会話等に富野節もしっかり効いてますしね。
ちなみに、このバイストンウェルは富野さんのお気に入りなのか、他にもここを舞台とした作品が描かれてます(アニメでは、ガーゼィの翼リーンの翼)。まあ、この作品と直接的な繋がりは無いんですが、興味があればそちらも見てみてはどうでしょう?ただし、どちらも短い作品で強引に終わらせているので注意を…



主な登場人物と名言(?)

・ショウ・ザマ 「俺は人は殺さない。その怨念を殺す!」
 ドレイクによって地上から召喚された聖戦士。当初は彼の下で戦うも、マーベルとの出会いにより、本当の悪が誰かを考えるようになり、ドレイクの下から逃亡し、敵対することになります。試作機のダンバインで新型マシンを撃破していったショウの力はまさに聖戦士と呼べるもの。登場キャラの中で唯一、良いハイパー化(?)を行いました。

・マーベル・フローズン 「私が聞きたいのはLike meじゃないわ…Love meよ」
 ショウより先にバイストンウェルに召喚された地上人。ショウといい関係になるところからも、多分彼女がヒロインなんでしょうが、私からすればただの濃い顔のご婦人にしか見えません(笑)。後半、ショウがビルバインに乗るようになってからは、ダンバインに搭乗します。

・チャム・ファウ 「死に急がないで!」
 ミ・フェラリオという妖精。この物語の語り部とでもゆうべき存在ですかね。常にショウと行動を共にし、ダンバインやビルバインにもナビのような形で搭乗します。彼女のオーラ力もそこそこ強いようで、オーラマシンにも影響を与えているような感じがありました。唯一、彼女だけは最後にその生存が確認されましたが、それもよかったのかどうかは微妙なところです。

・シーラ・ラパーナ 「あとは、己の憎しみの心を地上に残さぬように…」
 理想の王女様です。りりしいそのお姿にはグッとくるものがあります。ショウに好意を持っていたようですが、その立場のせいからか、態度には表しませんでした。彼女の声優さんは、当時新人で少したどたどしいものがありましたが、それが幼いながらも健気にその職務をまっとうしようとしていた彼女のキャラと妙にマッチしていて非常によかったです。初登場こそ他のメインキャラに比べ遅かったものの、最終話彼女こそがこの作品における真のヒロインだったのでは?と思わせる大きな見せ場があります。

・ニー・ギブン 「なりゆきだ。なりゆきにまかせるしかない!」
 地方領主の息子。一応皆のリーダー的存在です。しかし、髪型変(笑)、性格もそんな良くない…なのに目茶目茶モテキャラという理解に苦しむ存在です。もう訳分からん。何故こいつがこんなにもててるのか!?そこだけが、ずっ〜〜〜と気になってました。

・バーン・バニングス 「敗北に次ぐ敗北。すべてあの地上人が現れてから…」

 ドレイクに仕える騎士。しかし、度重なる失敗によって失脚します。その後、正体を隠すため仮面をつけて黒騎士と名乗り、打倒ショウを目論みます。バイストンウェルの人間では初めてハイパー化するなど、オーラ力はかなり強いです。ショウとの最終対決では、生身での剣での戦いを行いました。富野さんはこのシチュエーション好きだねぇ。

・トッド・ギネス 「いい夢を見させてもらったぜ…」
 ショウと共にバイストンウェルに召喚された地上人。敵でハイパー化した三人の内の一人です。こいつもまあ、失敗の連続で途中いいところはあまりなかったですねぇ。上記の彼の散り際の名言は、強く印象に残りました。

・ドレイク・ルフト 「ルーザめ、あの女こそこの戦いの元凶であったか…」
 バイストンウェル全土を手に入れようと考える野心家。しかし、家族仲は上手くいっていません。娘のリムルは敵の下へと去り、妻のルーザは他国の王と浮気中。う〜ん、ちょっとかわいそうかも…。



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