ef - a tale of memories.
2007年 全12話


評価 75点

作品解説

 ef - a tale of memories. Blu-ray BOX (初回限定生産)
ジェネオン エンタテインメント (2008-12-26)
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クリスマスの夜、広野紘は宮村みやこという少女と出会う。一方、麻生蓮治は自分の憩いの場所である駅のベンチで、新藤千尋という少女に出会うのだった。


まず感じたのが、作画レベルの高さですね。背景とかがめちゃくちゃ綺麗!ちょっと新海監督の作品を彷彿とさせるようなところがあります。このクオリティを維持するとは、なかなかいい仕事してますよ。
また、シャフトお得意の独特演出も結構見られ、それを登場人物の心の動きに合わせて色々と使い分けていました。まあ、こういうのもいいんじゃないでしょうか?なかなか面白い試みだと思います。
内容についてですが、この作品では大きく二つの恋愛模様が描かれていました。みやこ―紘―景の三角関係を描いたものと、千尋―蓮治の恋を描いたもの…この二つが作中で同時進行されています。
ただ、私の中では二つのシナリオに大きく差が出来たんですよね。
まず、千尋―蓮治の話ですが、これは非常に良かった。悲劇的な運命を背負った少女に対し、主人公の少年が色々頑張るという構図は好きです。ラストも盛り上がったし、特に文句を付けるようなところはありませんでした。
それに対し、みやこ―紘―景の三角関係なんですが…正直微妙かな〜?千尋―蓮治の話と比べると、明らかに見劣りします。それに、この手のドロドロもつれていく恋愛は、良い悪いは別にして見ていてしんどくなってくるんですよ。少し前に見たスクイズがまだ胸につっかえていて、そちらのことも思い出してしまいました。もう三角関係もので鬱なのは、お腹一杯デス…
ということで、片方の話は好きだけど、片方はいまいちという何とも言い難い結果になってしまい、評価もどう付けようかかなり迷いました。確かに優れた作品だけど、全体通してみるとそこまで好きとは言い切れない…そんな複雑な感情なんですよね。まあ、千尋―蓮治の話をラストに持ってきてくれたおかげで後味は良かったので、印象はいいんだよな。
あと気になったのが、この2つのエピソードだけでは「ef」という作品がまだ完結していないということです。ただ出てきただけで、ほとんど見せ場の無いキャラもいますし、何よりこの作品で一番重要そうな雨宮―火村の物語にはまったく触れていない。終始意味深なものを匂わせていたので、そこんとこが気になりますよ。つーわけで、とっとと2期をやれ!



主な登場人物と名言(?)

・広野 紘 「選んだからには、責任があるんだよ」
 学生であり少女漫画家。二足のわらじを履いてる今の生活にかなり苦労していて、どちらも中途半端な状態になりつつあります。んで、女関係も中途半端なもんだから、どろどろした三角関係が繰り広げられていくことになるのでした。とにかく、中途半端な奴だw

・宮村 みやこ 「あたしはもう、誰かの心から消えたくない」
 最初から何処か捉えどころの無いキャラだったんですが…途中、見事に化けましたね(汗)。第7話でのあの電話の演出はやりすぎだろ。普通の人は、こいつの病み具合に引きますよ。もし、景が履歴を消去せずに紘がアレを全部聞いていたら、その時点でこいつ捨てられてたんじゃないのか…?そういう意味では、景の行為は裏目に出てたのかも。

・新藤 景 「お兄ちゃんの心から、あなたの存在を消してみせる」
 紘の幼馴染の女の子。彼のことをお兄ちゃんと呼び慕っています。しかし、みやこが現れたことにより、紘との関係もこれまでとは変化せざるを得なくなってきます。恋敵であるみやこには、敵意をむき出しで挑んでいくのでした。

・堤 京介 「俺はファインダー通したら、何でも見えるんだよ」
 映研部のエース。偶然カメラで捉えた景に輝きを見出し、自分の作品の主演女優として出てほしいと口説き落とそうとしています。一応、原作ではこいつも主人公の一人らしいのですが、今回はさほど活躍していませんでしたね。

・麻生 蓮治 「それは―45秒未満の邂逅だった
 趣味は読書、特技は料理の大人しい感じの少年。軟弱ものかと思いきや、こいつはやってくれましたよ。重い障害を持つ千尋に対して親身になって接し、彼女に人として生きる楽しみを与えていきます。原作の他のシナリオはどうだか知りませんが、アニメはぶっちゃけこいつらの話だけでいいw

・新藤 千尋 「私は間違いを犯しても、後悔すら出来ませんから」
 景の双子の妹。いつも眼帯をしていますが、それは子供の頃に起きた事故が原因です。また、事故による後遺症はそれだけでなく、彼女には13時間以上の記憶を持つことが出来ません。それ以前の記憶はどんどん消えていくことになります。故に、自分の記憶代わりになる日記を毎日付けているのでした。

・火村 夕 「俺は、待ってる人がいるだけだ」
 千尋の保護者。彼女と関わる蓮治に対し、人生の先輩として様々な助言を行います。この人自身も、何か辛い恋愛をした過去があるような感じなのですが…

・雨宮 優子 「会わなくちゃ、いけない人がいるんです」
 ふいに現れては登場人物たちを励ましたりして、そしていつの間にか消えている謎の女性。彼女が会わなくてはならない人物とは火村なんでしょうが、この二人にどういう物語があるのかは謎。



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