ドラゴンクエスト 〜勇者アベル伝説〜
1989年 全43話


評価 55点

作品解説


赤き珠の継承者であるティアラが、大魔王バラモスによってさらわれてしまう。彼女の幼馴染でもあり青き珠の継承者アベルは、ティアラを救うため旅に出るのであった。


感想を言うと、ドラクエというビッグタイトルを考慮に入れたら、物足りなかったなという印象です。
微妙にドラクエ3の設定をなぞっている部分も見受けられましたが、それほど面白いと感じる部分はありませんでした。物語はご都合的に物凄いトントン拍子に進んでいくし、途中のお使いイベント(○○をするためには××が必要で、△△まで取りに行かなければならない…というRPGお決まりのイベント)の連発もつまらない。この作品は、良くも悪くもゲーム用のシナリオであって、アニメ向きでは無かったですね。
故に、面白さで言えばもう一つのドラクエアニメ…ダイの大冒険の方が上に思います。カッコイイ必殺技、魔王軍6大軍団長、竜の騎士覚醒等、そちらの方が燃えるシチュ満載でいい味出てたと思います。ただ、ダイはドラクエって設定がそれほど生きてはおらず、普通によく出来たバトルアニメって感じなんですよね。ドラクエ的な冒険をしていたのは、間違いなくアベルの方でしょう(それが面白かったかどうかは別として…)
まあ、この作品の良い部分は音楽ですかね。ゲームをやったことある人なら思わず反応してしまうような、懐かしい曲が随所に流れてくるので、そこはいい仕事してたと思います。それに、EDの歌も無駄に名曲でしたね。「夢を信じて」は非常に良い!
あと、アニメの内容というよりもドラクエとしての設定的に気になったのが、主人公パーティーってどうもバランスが悪いように思えたんです。勇者(最大MP0のほぼ戦士)、男戦士、女戦士、魔法使い、そして後半でさらに男戦士が追加…って、どう考えても戦士系多すぎだろ!せめて、そのうちの一人くらいは武道家とかにしましょうよ。バラエティに富んでいたほうが見る方も楽しめますから。
それで、冒険に最も必要だと思われる僧侶がいないのは、ヤナックが回復系の魔法も使えるからなんですが、これって既に賢者の領域ですよね?最初から賢者とはヤナック強ぇー!魔法は他に使えるキャラが誰もいないので、ほんとこいつ一人に頼りきりでした。
ちなみに、この作品のモンスターはジュエルモンスターと言って、バラモスの魔力で宝石から生み出されています。そして、モンスターを倒せば元の宝石に戻るという仕組みになっていますから、ドラクエシリーズの敵を倒せばお金がもらえるというシステムの辻褄は一応あってたりするんですよね。



主な登場人物と名言(?)

・アベル 「よおし、ドラクエするぜ!」
 伝説の竜を封印出来る青き珠の継承者。話が進むにつれて、レベルだけはグングン上がっていってた(本編終了後に、毎回ステータス画面が表示されます)みたいですが、あまり強くなってる実感が湧かなかったです。唯一、武器を持ち替えた時はその強さを確認できましたが、それもこいつ自身が強くなったわけじゃあないからねえ。せめて、必殺技の一つでもあれば…(笑)。あと、勇者なんだからディン系魔法くらいは習得しましょうよ。

・ティアラ 「アベルの馬鹿ーーー!」
 竜を封印から解き放てる赤き珠の継承者。そのため、竜の血を飲んで不老不死を目論むバラモスによってさらわれてしまいます。つーわけで、敵に捕まっている期間が長いので前半〜中盤はあまり存在感が無かったですね。つか、純粋無垢なモンスターを騙してこき使って…こいつはほんと悪いヒロインですよw

・モコモコ 「モコッチ!」
 職業「ちからもち」…なんじゃそれ?まあ、戦士系というのは間違いないでしょうが、なんだかかっこ悪いです。ぶっちゃけ、戦闘ではそれほど役に立ってた印象がないですし。むしろ、役割的には場を和ますムードメイカー的な存在ですかね?けど、それじゃあドドンガと同じようなもんだよw まあ、奴とは波長も合ってたみたいだし、中身は同レベルなのかな?

・ヤナック 「こんなはずじゃないのよね〜」
 ディジイにモーションかけるエロオヤジ。まあ、見た目よりは若いのか?けど、さすがにデイジィとつり合うような年齢じゃあないですね。彼女にセクハラ攻撃する度に、いつもボコボコ殴られてました。ちなみに、パーティー唯一の魔法使いということで、戦闘ではなんだかんだで頼りになってます。攻撃、補助、回復、なんでもあれの万能魔法使いですよ。

・デイジィ 「大事な仲間だからさ」
 デイジィ姉さん、カッコ可愛いです。私の中ではティアラを押し退けて、この作品の事実上のヒロインですね。アベル瀕死時の甲斐甲斐しい姿が、特に印象に残っています。そして、アベルに対する想いを心のうちにじっと秘めてる姿は、まさに乙女そのものですよ。ああ〜ほんと切ない〜。アベルよ、空気読め!

・ドドンガ 「逃げる、困る」
 ティアラの世話係を任せられたモンスター。体は大きいですが優しい魔物で、片言での喋りとか愛嬌ありますね。ティアラに接していくうちに、段々彼女のことが好きになっていくのでした。

・アドニス 「どう足掻いても死ぬ時は死ぬ…それが定めというもの」
 謎の美形戦士。かなりの使い手です。突然ティアラの前に現れ、彼女の手助けをしてくれますが…

・ムーア 「ムヒョヒョ、ムヒョヒョヒョヒョ…」
 ガマガエルみたいな顔したブサイクモンスター。これでも、バラモス一の側近ってことらしいです。魔法を得意としていて、本人の意思に関わらず隠し事を聞き出すなんてことも出来るようでした。ちなみにこいつ、ドラクエシリーズでは勇者の魔法(のはず)であるギガディンなんて呪文まで使ってきます。そういやヤナックも使ってたけど、この世界ではギガディンって大したこと無いのか?

・ジキド将軍 「俺を怒らせるとどういうことになるか…後でじっくり思い知らせてやる」
 上司の失態で親衛隊長になった、成り上がりの将軍。初めの方はバラモスに忠実でしたが、段々野心が強くなっていって、後半はバラモスを出し抜こうと動き出します。意外といいとこまではいったんですが詰めが甘い。やっぱ三流でしたね。

・大魔王バラモス 「わしの力、よく見ておけ
 モンスター達の親玉。自らが不老不死になるため、竜の復活を企んでいます。ドラクエ3に出てきたボスと同名ですが、ビジュアル的には大きく異なっていますね。故に、別人ってことでOKでしょう。後半、ゾーマの力を取り込んでさらに強力な姿へと変貌します。



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