PSYCHO-PASS サイコパス
2012年 全22話


評価 80点

作品解説

 PSYCHO-PASS サイコパス VOL.1【Blu-ray】
東宝 (2012-12-21)
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人間のあらゆる心理状態や性格傾向を管理するシビュラシステムが構築され、大衆はその数値を指標として生きていた。公安局刑事課一係所属メンバーたちは、治安維持のために高い犯罪係数を持つ犯罪者、及び潜在犯を裁いていくのだった。


まどかマギカ以降、アニメ業界でもよく見かけるようになった虚淵氏脚本によるオリジナルアニメ。
第一印象としては、攻殻機動隊が連想されるようなサイバーな世界観での警察vs犯罪者という構図であり、個人的にはかなり期待を持てました。そして、その期待は裏切られることはなく、特に2クール辺り…敵の黒幕である槙島が表に出てきた辺りから加速度的に面白さが増していった印象です。
槙島という異常な犯罪者の描き方、そしてこの世界の根本を担うシステム…シビュラシステムに犯罪性の有無の判断を委ねるという独特の在り方を絡めていくことで、非常に興味深い展開を作り上げることに成功していました。一見、システムによる統治は不平等性が無く完璧なものに見えますが、そのシステム自体の本質が見えてきた時、そこには不信感を覚えずにはいられませんでした。初めて槙島の犯罪係数が明確になった時は「???」となり、この後の展開が凄く気になりましたね。
あとは、主人公・狡噛の在り方。こいつは法では裁けない悪を自分の正義の下に裁くという考えを持っているんですよね。当然、システムによって善悪が決定されるこの世界ではそんな考えは許されません。狡噛は執行官(高い犯罪係数を持つ潜在犯)となり、厳しい監視下の立場から犯罪者を追っていきますが、槙島という存在と出会うことで彼の行動はさらに加熱したものとなっていきます。この狡噛と槙島の対立も見所ですね。
ただ、面白かったのは事実なんですが、結局シビュラシステムというものの在り方に答えを出していない(続編ありきの)ラストが少し気になってしまいました。上手いこと完結していたら名作だったのですが、本当の評価は持ち越しになるのかな?朱ちゃんも成長したみたいだし、2期が製作されて新人と活躍するところを見てみたいです。



主な登場人物と名言(?)

・狡噛 慎也(こうがみ しんや) 「俺達には俺達の流儀がある」
 公安局刑事課一係所属の執行官。元はエリートの監視官でしたが、3年前に部下が殺されたことをきっかけに犯罪係数を上昇させてしまいます。彼のプロファイリング能力には目を見張るものがあり、様々な事件の犯人像をズバリ言い当てます。まさに、犯罪者の心理は犯罪者に聞けって感じですね。また、格闘能力も高く、肉体鍛錬には非常に熱心です。

・常守 朱(つねもり あかね) 「あーやっちゃた…」
 公安局刑事課一係に配属された新人監視官。学生時代、あらゆる官公庁の職業にトップレベルの適性を示していたにもかかわらず、同期の学生の中で自分だけが監視官としての適性がA判定を出したことから、監視官の職業を選択。しかし、曲者揃いの執行官たちの扱いにはなかなか苦労しそうです。

・宜野座 伸元(ぎのざ のぶちか) 「これから会う連中を同じ人間と思うな」
 公安局刑事課一係所属の監視官で朱の先輩。監視官は執行官とは深く交わるべきではないと考えており、朱とは意見がぶつかることもあります。その根底には、幼少期に父親が潜在犯となり、潜在犯の家族として辛い目に遇っていたという過去があります。

・征陸 智己(まさおか ともみ) 「俺達もこう見えても専門家だからな」
 公安局刑事課一係所属の執行官。ベテランで落ち着いた雰囲気を持つ頼りがいのあるとっつあんであり、執行官ながら朱にアドバイスを行ったりもします。若い頃は刑事をやっていたようですが、シビュラシステムの運用開始により在り方の変化を余儀なくされます。

・縢 秀星(かがり しゅうせい) 「やってらんねーよ、クソが…」
 公安局刑事課一係所属の執行官。ムードメーカー的な存在で冗談や軽口が多く、新米の朱に対してもよくからかっていました。

・槙島 聖護(まきしま しょうご) 「願わくば、さらに向こう側の意義を見出してほしいものですな」
 様々な事件の裏で暗躍する男性。狡噛はその存在に気付くのですが、なかなか痕跡を残しません。その存在には不気味さと大物感が漂います。



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