輪るピングドラム
2011年 全24話


評価 75点

作品解説

 輪るピングドラム 1(期間限定版) [Blu-ray]
キングレコード (2011-10-26)
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水族館へと出掛けた高倉冠葉・晶馬と妹の陽毬だったが、そこで陽毬が倒れて搬送先の病院で息絶えてしまう。悲嘆に暮れる兄弟だったが、突然、水族館で購入したペンギン帽を被った姿で陽毬が蘇生するのだった。


ふむ…評価難しいですね(汗)
まず、この作品がどんなものなのか前情報ではまったく分からなかったのですが、始まって見てもイマイチ分からない…w 話題となった「生存戦略」シーンはさすがウテナの監督と思わせる奇抜で斬新な演出でしたが、物語前半の内容はストーカーの女の子が想い人に空回りしながらアタックしている話が延々と続き、一体何を見せたいのかがまったく伝わってきませんでした。正直、この視聴者置いてけぼりなスタンスにはどう付いていけばいいのやら…。作風が合わない人は前半から脱落してしまうでしょうね。
しかし、1クール後半から話が動き出し、徐々にこの作品の抱えている「謎」が明かされ始めます。前半での伏線も回収され始め、こうなってくるとなかなか面白かったですね。
お馬鹿な話から一転して後半はシリアス路線に切り替わり、意外とハードな新事実が発覚していきます。それに伴って、前半とは明らかに性格変わったキャラもいましたが、まあ仕方ないでしょう。いつまでもりんごちゃんがストーカーキャラを引っ張ってたら、物語の本筋に行き難いですからw
ただ、後半になっても物語の全容が見えてくるまでにはそれなりの時間を必要とし、最後まで見ても分かり難い部分もあります。あと、謎が明らかになっていく過程で回想が多用されていますから、テンポの悪さも少し感じるかな?しかし、段々視聴者を引き込んでいって、ラストまで先を読ませない展開には魅力を感じることができました。
また、作中では様々な比喩(暗喩)表現が使われていますので、ぶっちゃけそれが分かり難さに拍車をかけているところもあります。しかし、これこそが幾原監督の手法なので、そういうもんだと思って見てくださいw 自分的にはこの演出も魅力の一つだと思っていますので、それもまた楽しんで見ることができました。
結論としては、決して万人へオススメできるタイプの作品ではありませんが、一風変わった作品を見たい玄人(変わりもの好き?)にはオススメしておきます。まあ、なかなか興味深い作品には仕上がっていますが、ウテナ級の期待を抱くのは可哀想かもw



主な登場人物と名言(?)

・高倉 冠葉(たかくら かんば) 「それが俺達に課せられた罰だからさ」
 高倉家の長男。女性に人気があるため次々と恋人を乗り換えており、そのせいで恨みも買っています。家族に対しては献身的であり、特に陽毬の命を救うためならどんな犠牲も厭いません。ちなみに、声がジャイアン(新)ですごい違和感が…w

・高倉 晶馬(たかくら しょうま) 「君も僕たち兄弟も過去に呪われているんだ」
 高倉家の次男。冠葉に比べると地味な真面目タイプで、特技は家事全般ですw なんだかんだで苹果のストーカー行為に加担してしまいますが、二人はなかなかいいコンビに見えました。

・高倉 陽毬(たかくら ひまり) 「生存、戦略〜!」
 冠葉と晶馬の妹。現代医療では治せない難病を患い、余命僅かと医者から診断されています。水族館で倒れて息を引き取ってしまいますが、店に売っていたペンギン帽を被ると突然覚醒して、別人格?が現れるのでした。

・荻野目 苹果(おぎのめ りんご) 「デスティニー!」
 多蕗に恋する女子高生。ただし、その行動はストーカー色が強く、目的の為なら手段を選ばない行為を繰り返します。彼女の亡くなった姉・桃果が遺した日記には運命を変える力があるといい、それに従って行動しているようですが…

・多蕗 桂樹(たぶき けいじゅ) 「人生にはどうやっても取り返せないことがある」
 晶馬と冠葉の担任教師。苹果や彼女の姉と子供の頃からの付き合いがあり、苹果からは想いを寄せられてストーキングされています。ただし、本人には美人の婚約者がいて、苹果の想いにはまったく気付いてないんですよね。

時籠 ゆり(ときかご ゆり) 「この世界は残酷なルールに支配されている」
 多蕗の婚約者である人気女優。多蕗争奪戦において苹果が一方的にライバル視していますが、彼女のほうが一枚も二枚も上手で軽くあしらわれています。多蕗とは幼馴染であり、苹果の姉とも親交があったようです。

夏芽 真砂子(なつめ まさこ) 「嫌だわ、早くすり潰さないと」
 冠葉を狙う女性。亡き祖父の跡を継いで、巨大企業「夏芽ホールディングス」社長を務めています。高倉兄妹同様にペンギンを引き連れてピングドラムを狙っていますが、その目的は…?ちなみに、彼女の決め台詞(上記)はやたら耳に残っていますね。

渡瀬 眞悧(わたせ さねとし) 「その答えは運命の至る場所にある」
 「運命の至る場所から来た」と語る謎の人物。ある目的を持って高倉兄妹に接触してきます。



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