クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲
2001年 劇場版
作品解説 | ||
20世紀のあらゆるものを販売する20世紀ショップ…大人達は懐かしさから、この施設にどっぷりとハマっていく。そんなある時、大人達は一斉に怠惰になってしまい、働くことをやめてしまうのだった。 子供向けアニメの代表格であるクレヨンしんちゃん。しかし、この作品に限っては、本当の意味で楽しめるのはむしろ大人の方でしょうね。 子供が楽しめるような、クレヨンしんちゃんらしいギャグもありましたが、作品の内容に共感できるのは、どう考えても20代も半ばを過ぎていった人達だと思います。なにせ、古き良き時代へのノスタルジックな感傷なんてものをメインで描いていますからね…子供が理解するには、冗談抜きに10年以上早い内容ですよ(汗) クレヨンしんちゃんとして、このテーマが正しいのかどうかは分かりませんが、まあ私個人としては非常に良かったと思えるものでした。 ただ残念に思うのは、この手の作品って普通の大人はなかなか興味を示しにくいであろうことです(正直、私も最初は興味ありませんでした)。子供がいて一緒に見るとかいう人ならともかく、それ以外の人がなかなか率先して見ようとする作品ではないですからね…そこが勿体無い!子供向けギャグアニメとして認識され、その中に埋もれていくには非常に惜しすぎる内容なんです。 テーマ的にも深い部分があり、なかなか考えさせられるようなところもありました。そして、クレヨンしんちゃんらしい「家族愛」という部分も見事に描かれた秀作だと思います。 あと、中盤辺りのギャグシーンですが、これもそれなりに面白かったとは思います。ただ、そこのところは大して評価に関係してません。この作品は、やっぱり笑いよりも涙でしょう。名シーンは、ひろし回想、エレベーターでひろしふんばり、しんちゃん階段駆け上がり、「ずるいぞ!」…この辺の演出はもう神懸かってましたよ! まさか、PTAから白い目で見られているクレしんで泣かされる日が来ようとは…子供向けアニメも侮れませんね。翌年の劇場作品・戦国大合戦もかなりの出来でした。 |
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主な登場人物と名言(?) | ||
・野原 しんのすけ 「ずるいぞ!」 今回、大人が遊び呆けるという設定であり、その際にしんちゃんが一人で妹のひまわりの面倒を見ていたのが、何か印象に残りました。やっぱりお兄ちゃんなんですね。あと、終盤の階段を駆け上っていくところは、ただそれだけなんだけど凄い!迫真のシーンでした。 ・野原 みさえ 「正義の魔法を受けてみよ!」 とーちゃんに比べると、かーちゃんは意外といいシーンが少ないな…見せ場となるような部分は特になかったですからね。パッと思い出せるのは、魔女っ子コスプレをしていたというくらいしか…(笑) ・野原 ひろし 「俺の人生はつまらなくなんかない」 テレビで見てる、いつものだらしないとーちゃんとは一味違います。家族の大黒柱として、かっこいい見せ場があるんです!それにこいつの回想はマジ泣ける…あれは反則だよ(涙)。多分、ひろしと同じ年代くらいの人とかはかなりヤバイですよ。 ・野原 ひまわり 「あーやややー」 ほぼ空気!(笑) ・風間くん 「僕は犯罪者だ〜(涙)」 真面目な風間くん…けど、たまにしんちゃんのノリに乗ってくれるのはご愛嬌ですな。カーチェイスで、制限速度が40キロとか気にしていたのを見て、先に無免許運転を気にしろ!と突っ込んだのは、作中でのネネちゃんと同じタイミングでしたw ・マサオくん 「ぶっ飛ばすぜベイビー」 地味で影薄いキャラのまさお君が、ハンドル握って覚醒しましたw まあ、ハンドル握ると性格変わるってのは、キャラ付けとしては結構定番にもなってますが、まさかマサオくんまでとは…(笑) ・ネネちゃん 「春日部防衛隊、ファイヤー!」 バーのママ似合い過ぎww こいつの精神年齢は一体幾つだ?あと、相変わらず黒化した時が笑えます。 ・ボーちゃん 「選手交代」 カーチェイスシーンでは、何気に皆の指揮を取ってましたよ。ボーちゃんらしからぬ、しっかりとした面が見られましたね。 ・ケン 「皆帰りたいのさ、20世紀に」 イエスタデイ・ワンスモアを名乗る懐古主義者達のリーダー。新しい未来を否定して、古き良き時代への回帰を望み、ある計画を実行に移します。それにしても、あのマッシュルームカットはなんとかならんものかね…(笑) ・チャコ 「未来は失われるのね」 ケンの愛人?美人なおねーさんです。彼の片腕として、共に計画を実行するために動いています。 |
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