逆境無頼カイジ 破壊録篇
2011年 全26話


評価 75点

作品解説

 逆境無頼カイジ 破戒録篇  DVD-BOX I
バップ (2011-09-21)
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帝愛グループ・兵藤会長とのギャンブルに破れ、1000万近い借金だけが残ったカイジ。あれから数ヶ月、カイジは気づけば、地の底の底、帝愛の強制労働施設に放り込まれていた。


カイジ第二期。私は原作既読で、どういうどんでん返しがあるか全て知っていたのですが、それでもアニメは楽しめました!こういう作品は非常に稀ですね。
で、何が楽しかったかというと、ズバリ演出面です。展開を知っていても、この演出面が光っているおかげでまったく退屈せずに見られるんです。作中でのナレーションもその一つ…ナレーションなんて、状況説明のための只の補足係だろ…ってお思いの方、この作品に限って言えばその認識は大間違いです!なんと、ナレーション自体も話を盛り上げるための大きな役割を担っているんですよね。なんでしょう…このナレーションのおかげでテンション上げられているところも多々存在するんです。
あとは、作中キャラの個性をこれでもか!とばかりに過剰なまでに描いている点。チンチロ編の班長・大槻なんてもう最高でしたね。追い詰められた時のごねかた…声優さんは非常にいい演技をしてらっしゃいます。理不尽を無理やり押し通そうとするその姿が笑いを誘いましたw 沼編の一条も、負けそうになった時、ボロボロ泣きながら懇願する姿が非常に良く描けていましたw
そして、相変わらず一寸先は何が起こるか分からないハラハラドキドキの展開は、初見の視聴者を惹き付けるものだと感じましたね。
…と、ここまでは良い点を書きましたが、ここからは少し残念な部分を書いていきたいと思います。今回の最大の欠点はパチンコ「沼」編が長すぎること。最初のチンチロ編があんなにテンポ良く進んでいたのに、どうしてここはこんなにも引き伸ばした!?演出面が素晴らしいから退屈しないと先に書きましたが、それでも沼編はキツかったですね。玉が転がってるシーンはもう見たくないお…w まあ、展開自体は面白いのでここをもっとテンポ良くやってくれていればねえ…(けれど、その時は1クール以上、2クール以下という非常に中途半端な尺になっていたでしょうが…)
ただ、沼編をラストに持ってきたかったという気持ちはよく分かります。なぜなら、ここで終わらせることで非常に気持ちの良い終わり方になるんですよね。1期は少々後味悪い終わり方でしたが、今回はラストに相応しいというか…色々なものが報われたというか…そんな締めになっています。この終わり方のおかげで+5点は付けてますね。(ただ、原作の方はこの後にそれを台無しにするような酷い展開になるのですがw)



主な登場人物と名言(?)

・伊藤 開司(カイジ) 「希望に進むのが、気持ちのいい人生ってもんだろ」
 今回もどん底からの逆転劇が素晴らしかったですね。相変わらず、凄まじい発想とひらめきで危険なギャンブルを攻略していきますが、乗り気にならない(大金のかかっていない)ギャンブルではいまいち燃えないようで、しょーもないところではよく負けちゃってるみたいです。

・三好 智広(みよし ともひろ) 「まったくの初心者で…すみません」
 地下でも借金を重ねた45組の一人。人はいいのですが、すぐ調子に乗って博打に嵌ってしまう人格破綻者ですw 素人ということもあり、チンチロリンにおいて常に出目のメモを取っていますが…

・石田 広光(いしだ ひろみつ) 「あれほど、親父のようにはなりたくなかったのに…」
 前作でカイジが知り合った石田光司の息子。己のダメさを父親に責任転嫁するほんとどうしようもない奴です。ただ、カイジは父親の方とは縁があったために、彼のことも気に懸けているようで…

・坂崎 孝太郎(さかざき こうたろう) 「組まんか、ワシと?」
 人喰いパチンコ「沼」攻略を狙うおっちゃん。偶然カイジと出会い、彼の人並み外れた金に対する気配を察知して「沼」の攻略に誘います。

・遠藤 勇次(えんどう ゆうじ) 「ここで下がっても見えねえのよ…希望ってやつがさぁ」
 前作でカイジを様々なギャンブルに誘った遠藤さんですが、今回は自身が借金を背負っている身の上であり、カイジと共に「沼」を攻略する羽目になってしまいます。

・大槻(おおつき) 「ノーカン!ノーカン!ノーカン!ノーカン!」
 地下でカイジが配属されたE班の班長。甘言を用いて班員を堕落・浪費させるなど人心掌握に長けており、笑顔の裏には凶悪な裏の顔と狡猾な本性を持っています。

・一条(いちじょう) 「揺ぎ無い現実ですよ」
 人喰いパチンコ「沼」を有する裏カジノの若き店長。借金返済のため「沼」に挑むカイジの前に立ちふさがり、激しい戦いを繰り広げます。

・黒崎 義裕(くろさき よしひろ) 「クズが…」
 帝愛グループの最高幹部の一人。利根川失脚後、帝愛グループ内では最も早く王国入りを果たし、帝愛No.2の地位を不動のものにします。



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