逆境無頼カイジ
2007年 全26話


評価 80点

作品解説

 逆境無頼カイジ DVD-BOX (5枚組)
VAP,INC(VAP)(D) (2009-10-07)
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金融業者の遠藤という男に借金を告知されたカイジは、彼に誘われるままギャンブル船「エスポワール」に乗り込んで、生死を賭けたギャンブルに挑むのだった。


この作品の面白さは、カイジのひらめきによって間一髪のギリギリのところを乗り越えていく様です。確実にもうダメだ…という状況に陥りながら、最後に大逆転のどんでん返しを起こすところが見ていて痛快でした。まあ、最後の最後(26話)では衝撃的な結末になるんですけどね…ざわざわ
また、負ければ恐ろしい運命が待っているという、切羽詰った極限状態における心理描写も上手かったです。この作者は、こういうの描かせたらおそらく日本一ですよw
それで、この作品にはオリジナルのゲームがいくつか登場するのですが、それらがなかなか奥深くて面白い。
最初のゲーム「限定ジャンケン」で言えば、スタート時は真っ当なやり方しか見えておらず、単純な運任せのゲームのように思えましたが、徐々にその攻略法というか裏技的なものが発見されていき、緻密な戦略とお金を使った裏取引みたいのが出てきたところが面白かったです。私自身もなるほどな…と結構感心して見る事が出来ましたね。
今回のギャンブルの中では、その「限定ジャンケン」が個人的に一番お気に入りです。他にも、深い心理戦を見せた「Eカード」、そして極限状態の緊迫感を突き詰めた「鉄骨渡り」等ありましたが、やっぱり戦略性が高く、状況が二転三転していった「限定ジャンケン」が見ていて一番楽しかったですね。
まあ、私の場合は原作を読んでいたので展開的な驚きはあまり得られなかったのですが、初見の人はハラハラドキドキ出来て凄く楽しめると思いますよ。ルールも単純なものばかりなので、ギャンブルにあまり興味の無い人でも安心して見られることでしょう。
一応、原作ではこの続きもあるのですが、ぶっちゃけるとその先は段々つまらなくなっていくんですよね(汗)。今回アニメ化されたところがカイジの中でも一番イイ部分だと思います。



主な登場人物と名言(?)

・伊藤 開司(カイジ) 「それでも人間かあああっ!」
 基本ダメ人間で、他人の車(高級車)にキズをつけて楽しんでるようなクズなんだけど、いざという時は自分のことだけでなく、仲間のこともちゃんと考えて行動できる正義感も持ち合わせていました。土壇場のひらめきには定評があり、勝機を見出すと人並外れた度胸を見せて、大勝負にも果敢に挑んでいきます。なんだかんだで、ギャンブルやってるときが一番輝いていましたね。

・石田 光司(いしだ こうじ) 「我々はやり直せるんだ…やり直せるんだよ」
 ダメオヤジ。人がいいので騙されやすく、他人に利用されてポイ捨てされます。この人が騙し合いの場で生き残れることがあったら、それはまさに奇跡に近いことが起こるしかないでしょう。

・古畑 武志(ふるはた たけし) 「カイジさん…ごめん」
 カイジが借金を背負う羽目になったきっかけを作った人物。こいつの保証人になったことで、カイジは今のような境遇に陥ってしまったんですよね。まあ、こいつ自身は根っからの悪というわけではないのですが、土壇場のところでついつい自分のことを優先させちゃうから性質が悪い。

・安藤 守(あんどう まもる) 「ま、魔が差したんだ。ちょっと…ほんのちょっとだけ…」
 このデブ、超イラつくわ〜。一人では何も出来ないクズのくせして、自分がちょっと都合良くなってきたら簡単に人を裏切るんですから。ある意味、根っからの悪人として描かれていた船井や、悪の象徴であった利根川よりもずっと嫌いですね。

・船井 譲次(ふない じょうじ) 「弱者は、単なる餌にすぎへんのや」
 ギャンブル船のリピーターであり、ゲームのことも他の者より熟知しています。カイジに「限定ジャンケン」の落とし穴を聞かせ、共に生き残るための必勝法を授けますが…。最後までカイジの前に立ちはだかり、限定ジャンケンにおける最大の敵でしたね。

・佐原 「突破口なんだよ、これは」
 カイジのバイト仲間である若者。現在の状況に不満を持っているようで、一発大きなのを当てて浮上したいと考えているようです。故に、闇ギャンブルの存在を知った時は最初から乗り気で、即参加を決意するのでした。

・遠藤 勇次(えんどう ゆうじ) 「違法も法だよ」
 金貸しのヤクザ。カイジのところに借金取立てにやってきて、彼をギャンブル船エスポワールへと誘うのでした。

・利根川 幸雄(とねがわ ゆきお) 「金はなあ、命より重いんだ!」
 様々なギャンブルを取り仕切るグループの幹部。非情な狡猾さを持ち合わせており、負債者たちを言葉巧みに誘導していきます。

・兵藤 和尊(ひょうどう かずたか) 「本当のめくるめく快感は、常軌を逸するからこそ辿り着ける」
 日本最大規模の財閥であり、帝愛という金融グループの総帥。今回のギャンブルを主催した裏の支配者です。こいつの頭の中は何処か焼け切れており、普通のギャンブルではもう快感を得られないようで、そこにとんでもないリスクを強いてきます。他人が苦しむ様(死に至る様)を楽しむ重度のサディストでした。



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