ブギーポップは笑わない〜Boogiepop Phantom〜
2000年 全12話


評価 70点

作品解説

 ブギーポップは笑わない〜Boogiepop Phantom〜evolution 1 [DVD]
バップ (2000-03-23)
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エコーズと呼ばれる謎の生命体が発した光は人々に様々な影響を与え、数々の事件が引き起こされるのだった。


かなり独特の雰囲気と世界観を作り上げている作品です。退廃的な空気を醸し出し、画面の色合いも薄暗く淡い色彩を使っていて、それらによって作品の生み出すどんよりした重たい雰囲気というものを表現していました。
また、人間の精神面の深いところをピックアップしてるところなんか、エヴァ的でもあるかな?現代社会で生じる歪みに苦しむ人々の姿というのが、まざまざと描かれていました。
ただこの作品、原作である小説第1作目のちょうど後の話らしく、そちらを知らないと分からない部分が多いのでそこがマイナスでしたね。原作で何か大きな事件が起きたことがきっかけとなり、その影響から再び色んな事件が起こる…って感じでアニメは進んでいくのですが、原作読んでいないとその大本の事件のことが詳しく分からないので、こちらの情報だけではブギーポップというストーリーの全体像が分かりづらいんです。
けどまあ、物語の構成はオムニバス形式になっていて、毎回主人公となる人物も変わっていくので、彼らが巻き込まれる一つ一つの物語はその1話の中で完結していることが多いです。個々のエピソードはなかなか興味深く、作中では独特の雰囲気も上手く表現されているので、それなりに楽しむことが出来ました。
登場人物が毎回変わっていくので取っ付き難いし、しかもそのほとんどが病んでる奴ばかりということで、少々見る人を選ぶかもしれません。しかし、見所もあるので原作知らないからといって敬遠するのは勿体無いかも。もし気に入ったら、ここから原作の方へ入っていくのもアリだと思いますね。まあ理想としては、小説から見るのが一番だと思いますけどw



主な登場人物と名言(?)

・宮下 藤花(みやした とうか) 「狐憑き」
 こいつ自身にあまり見せ場らしいところはありませんでしたが、多分主人公…だと思う(汗)。二重人格で時々ブギーポップの意識が彼女の中に表れますが、本人はそのことにはまったく気付いてません。何処でも変身出来るように、ブギーポップの服装をバックの中に入れて持ち歩いていたりもしているみたいですが、これも本人はそんな意識を持ってない様子。

・ブギーポップ 「やれやれ…宮下藤花には悪いことをしたな」
 「世界の敵」を倒している死神。口笛と共に現れ、いつも決まった帽子とマント姿という格好をしています。こいつが生まれたきっかけのようなものは語られていましたが、何故化け物と戦えるほどの強さがあるのかは不明。肉体的にはただの女子高生だと思うんですが…

・霧間 凪(きりま なぎ) 「人それぞれ、過去があって今があるんだね」
 「正義の味方」を目指す女子高生。かつて出会った黒田慎平の影響から、自分もそれを目指すようになるのでした。学校では不良と恐れられていて、友達付き合いとかはほとんど無いみたいです。唯一、クラスメイトの末真和子だけが友人と呼べる存在っぽい。

・黒田 慎平 「なりたいものになれる人なんて、そういないんじゃないかなあ」
 凪が幼い頃に出会った探偵。彼女の生き方に大きな影響を与えます。その後、岸田一朗という黒田にそっくりな人物が凪の前に現れるのでした。

・末真 和子(すえま かずこ) 「それは、一ヶ月前に終わったんだと思ってた」
 宮下藤花、霧間凪の友人。物語のメインであるこの二人は、直接友人関係にあるわけではありません。その間には、彼女の存在がありました。かと言って、こいつが何か活躍したのかというと、大して何もしてないわけで…微妙な立ち位置なんですよね。

・ブギーポップ・ファントム 「何しろ僕は自動的だから」
 ブギーポップとそっくりな格好をしていますが、それとはまた別の存在のようです。こいつが誕生したのは、エコーズというものが光になった瞬間…だそうですが、そのエコーズ関係は原作のお話なので、いまいちどういうことか分からないんだよな(汗)

・早乙女 正美 「こいつら、何で生きてんのかねえ…どうせ死ぬのに」
 おそらく、原作ストーリーではそれなりの重要キャラだったのでしょう。しかし、アニメでは既に死んでる設定なので、詳しいことは分かりませんでした。ただ、こちらでは彼に良く似た(彼の顔をした)人物が出てきます。霧間凪はマンティコアと呼んでいるようですが…

・如月 真名花 「生まれてきて、よかったよ」
 怪しげな光の蝶を使役する謎の少女。言動が未発達で、まるで幼い子のような振る舞いを見せています。

・プームプーム 「友達になろう」
 大人が切り捨てた、夢や希望といったものから生まれたもの。ハーメルンの笛吹きの姿をしていて、迷いを持つ者達に声を掛けて友達を増やしていきます。そして、自分達の王国を築き上げていくのでした。



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