うみねこのなく頃に
2009年 全26話


評価 30点

作品解説


年に一度の親族会議を行う為、六軒島へと集まった右代宮家の人々。だが、そこには魔女ベアトリーチェなるものが存在し、凄惨な殺人が次々と行われていくのだった。


原作は、ひぐらしでヒットした竜騎士07さんの同人ゲーム。
この作品、一言で言うと最高に敷居が高いです。基本構造がこれまでに存在するどの推理ものとも異なっており、初めてこの作品に触れる人は相当分かりにくく、相当取っ付き難いことでしょう。他には無いようなこの作品独自のルールが多々存在しているので、それらを理解出来て尚且つ許せる人じゃないと、視聴は厳しいレベルになるかもしれません。
ちなみに、私はこの作品の原作もプレイしています。原作プレイ済みの立場から言わせてもらうと…はっきり言って、アニメ版は最低でしたね。
原作も取っ付き難さは変わりませんが、それでも“魅せる演出”が出来ていたと思います。目の前で繰り広げられる、およそ推理ものとは思えないようなファンタジックな出来事に対し「なんじゃこりゃ?」と思いつつも、要所での盛り上がりや推理バトルでは熱い部分があって、プレイヤーを惹きつけてくれましたから。
なのに、このアニメ版ときたら…展開が速すぎて心情描写を深く描けていないもんだから、盛り上がりもクソもありません。何か意味不明な部分だけが目の前に残ってしまい、次から次へと生じる超展開のオンパレードには置いてけぼりのポカーン状態…もう酷い有様になっていましたよ。
根本となる部分の説明も色々と足りないので、この作品の視聴における最も重要な部分…「ルールの理解」もままならないことでしょう。この作品が一体何をしたいのか、何処へ向かっているのか、どう楽しんでいいのか、本当に推理ものなのか、原作知らない人はもうさっぱり訳分からない状態に陥るかもしれません。
良くも悪くも、こういう規格外の物語を書ける原作者の竜騎士07さんは、確かに凄い才能の持ち主だと思います。けれど、凄い作品だからと言って、万人が楽しめるかどうかはまた別の問題ですね。いつの時代も異質なものは叩かれやすいですから。まあ、原作の方はそれなりに面白味もあるのですが、アニメ版ではそれがまったく表現できていなかったと。
つか、こればっかりは最初からアニメ化は無理な気がしていました。そもそも、作品の基本構造がアニメ向けのシステムになってないからなぁ…



主な登場人物と名言(?)

右代宮 戦人(バトラ) 「駄目だなぁ…全然駄目だぜ」
 本編の主人公。猪突猛進型で探偵役には向いてないようにも思えますが、霧江直伝の“チェス盤をひっくり返す”理論を用いて魔女の謎に迫っていきます。一連の物語における勝利条件は魔女の正体を見破ること、敗北条件は魔女の存在を認めることであり、どちらかが果たされるまでゲームは続いていきます。

・ベアトリーチェ 「殺してみろ、右代宮戦人ぁぁっ!」
 黄金の魔女にして無限の魔女。魔法を使い、人間には不可能と思われる様々な殺人を行いますが、その正体は果たして…?

右代宮 譲治(ジョウジ) 「これはお願いじゃない。命令だよ」
 子供達の中では最も年上。礼儀正しく落ち着きがあり、教養もあって知識が豊富。しかも、格闘技にまで精通しています。ただ、自分としてはアニメ版のヤサ男風なデザインよりも、原作版のガタイが良くて何処かふてぶてしさのあるキャラデザの方が好きだなぁ〜。こんなのジョージ兄貴じゃねえ!笑

右代宮 朱志香(ジェシカ) 「てめえに揉ませるチチなんざねえ!」
 長男一家の娘ということで、右代宮家の後継ぎに相応しい教育を受けてきたようですが、本人は極めてガサツな少女ですw ただ、歳相応の女の子な部分も持ち合わせており…要は恋する乙女ということです。

右代宮 真里亞(マリア) 「う〜う〜」
 最年少9歳の少女。ただ、言動が幼い子供のようなのでそれ以下にも見えます。ベアトリーチェの熱心な信者であり、魔女の存在を正面から肯定。魔女を語る時に見せてくれる彼女の“顔芸”こそ、この作品一番の見所かも。

紗音(シャノン) 「魂になっても…ずっと、ずっと一緒です」
 六軒島屋敷の使用人。譲治とは恋仲にあって、彼からはプロポーズの言葉と婚約指輪を渡されます。ただ、この手の作品においてそういうイベントは、死亡フラグになる恐れが…(汗)

嘉音(カノン) 「お嬢様は僕が守る」
 六軒島屋敷の使用人。紗音とは同郷出身のようで、彼女のことを姉と呼び慕っています。普段、感情をあまり表に出すことはなく、同年代の子達とも積極的に交流を持ちません。自らを“家具”と称していますが…

右代宮 金蔵 「さあ、はじめよう。私とお前の奇跡の宴を」
 右代宮家当主。余命幾許も無いと宣告されているため、子供達の間で財産問題が勃発しているわけですが…とてもそうは見えんぞw 黒魔術にハマりこんでいて怪しげな儀式をしたり、元気そのものに思えます。

右代宮 蔵臼(クラウス) 「本来、兄とはこういうものではないのかい?」
 金蔵の第1子で長男。長男ということ、父の面倒をずっと見てきたことを盾に、次期当主の権利を主張しています。

右代宮 夏妃 「あなたを守るためなら、私は鬼にも悪魔にもなります」
 蔵臼の妻。良家の子女でありプライドが高いのですが、右代宮家の中での発言権は弱く、これまで色々と辛い境遇にあってきました。

右代宮 絵羽 「あんたなんてヘソでも噛んで死んじゃえばー?」
 金蔵の第2子で長女。女であるため当主にはなれなかったので、息子である譲治に自分の夢を託して様々な教育を施します。

右代宮 秀吉 「わしの手は魔法の手や」
 絵羽の夫。裸一貫から成り上がったやり手の経営者。しかし、実際は親しみやすい普通のオッサンw

右代宮 留弗夫(ルドルフ) 「俺は多分、今夜殺されるだろうな」
 金蔵の第3子で次男。戦人は前妻との子供であり、後妻の霧江との間にも縁寿という女の子が一人います。

右代宮 霧江 「でもね、チェス盤をひっくり返して考えると…」
 留弗夫の後妻。非常に頭のきれる女性で、独自のチェス盤理論から鋭い指摘を繰り出します。

右代宮 楼座(ローザ) 「ママを許して…」
 金蔵の第4子で次女。シングルマザーであり、会社を経営しながら一人で真里亞を育てています。



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