異国迷路のクロワーゼ
2011年 全12話+1話


評価 65点

作品解説

 異国迷路のクロワーゼ The Animation 第1巻 [Blu-ray]
メディアファクトリー (2011-09-21)
売り上げランキング: 6817

19世紀後半、単身フランスへと渡った日本の少女・ユネは、パリの下町アーケード商店街「ギャルリ・ド・ロア」の一画にある鉄工芸店「アンセーニュ・ド・ロア」で働くことになった。


外国の独特な世界観を描くという手法はARIAと近いところがあるかもしれません。こちらはサトジュン氏が監督ではありませんが、シリーズ構成/音響監督としてその手腕を振るってくれています。
基本はまったり日常系アニメ。主人公の女の子・湯音は日本人形のようで可愛らしく、見ていると和みますね。ただ、ARIAのようにヒーリング要素が強い作品かといえばそういうわけでもなく、個人的には何処か似て非なる部分を感じたんですよね。内容的に少し重いところ(湯音の姉の病気、クロードの父親の死)とか、どうしようもない現実を付きつけられるようなところ(身分違いの恋は叶わない)もあって、癒しとはまた別の空気も感じました。
また、クロードと湯音は文化の違い等でよくすれ違っているので、ずっと穏やかな雰囲気ってわけではありません。物語上の大きな盛り上がりは特に無いのですが、日々の生活の中で毎回小さな波乱万丈は起きている感じなんですよね。ということで、ARIAと同じ感覚で見ていると、少し違和感があるかもしれません(まあ、湯音の存在自体には癒し効果があるわけですけどw)
異文化の描き方についてですが、クロードの行っている仕事やギャルリの町並みを通して、この時代の空気みたいなものを感じることができたのは良かったです。ただ、キャラ同士の交流がちょっと…クロードはすぐ不機嫌になって感情的に物を言うし、湯音は謙虚すぎて相手と本音でぶつかっている気がしないし…異文化故にお互いの理解に時間が掛かるのは必然かもしれませんが、見ていて若干イラっとするところがあったのはここだけの話。まあ、最終的にはほんわか暖かな気持ちにさせてくれますけどw
とりあえず、各キャラ感情的に決着していないようなところも多いので、続編あるかもしれませんね。今回は行動範囲が狭かったと思うので、次回があればギャルリ内やパリの色々なところを探索して、その中で様々な「素敵」を見つけていってほしいものです(それじゃあARIAだw)



主な登場人物と名言(?)

・湯音 「ゆね、と申しますご主人様」
 長崎からパリへやってきた13歳の女の子。謙虚で礼儀正しく、古き良き時代の日本人の鏡ですね。この時代(今もですが)、この年齢の女の子が親元を離れて外国で生活するというのはよっぽどのことだと思います。しかし、作中ではその辺の経緯がやたらあっさり描かれていたのが少し違和感ありましたね。また、フランス語が少しでもできるというのも違和感。一体どこで勉強したんだろ?

・クロード・クローデル 「俺がお前の信頼に足る人物かどうか見届けてくれないだろうか?」
 アンセーニュ・ド・ロアの3代目店主。湯音の日本人ならではの習慣等に戸惑うこともありますが、なんとかそれを理解しようと努力してくれます。ギャルリを衰退させる原因であるグラン・マガザンのことをよく思っておらず、アリス達に対しては良い感情を持っていない様子です。

・オスカー・クローデル 「湯音はいるだけで、こんなに皆を安心させてるじゃないか」
 クロードの祖父。日本へ買い付けに出かけていた時に湯音と知り合い、彼女をフランスへ連れ帰ったようです。ふらふら旅に出かける放浪癖があり、この歳で女性との出会いを求めている様子もあります。湯音の親もよくこんなおっちゃんに大事な娘を預けたなぁ。

・アリス・ブランシュ 「すぐに私のものにしてあげるわ」
 日本大好きなブルジョワお嬢様。最初は金持ち特有の嫌な性格かと思っていたのですが、湯音に対する思いやりは本物でこの子が出てくるとホッとします。何故なら、湯音とクロードがすれ違っていることが意外と多いから、いつも明るいこの子の存在が一種の清涼剤になってるんですよね。

・カミーユ・ブランシュ 「その鳥篭のせいで欲しいものに手が届かないこともあるけれど…」
 アリスの姉。普段は温和で優しい印象ですが、ふいに何か影のようなものを見せることも…。クロードとは昔からの知り合いみたいですが…



[ランキングへ戻る]

[HOME]

ブログパーツ
inserted by FC2 system