AIR(劇場版)
2005年 劇場版


評価 50点

作品解説


翼を持った少女を探すために旅をしている国崎往人は、ある田舎の町へとやってきます。そこで観鈴という少女と出会い、しばらくの間彼女の家に滞在することになるのでした。


え〜まず、私は原作プレイ済み、TV版視聴済みという条件のもとで見ました。この劇場版は尺も短いので荒い部分が多いだろうと予測し、結構広い心を持って受け入れるつもりだったのですが…個人的には耐えられませんでした。アクの強い独特の演出に対して目眩を覚え、シナリオの酷さには思わず頭を抱えることになりましたね。
とりあえず、この劇場版では原作の酷い改悪が見受けられます。そのせいで、一部「AIR」という作品本来のテーマ性を無視した展開になっていました。いくら尺が短いにしても、もう少しやりようがあったでしょうに…これはもうAIRじゃないだろ!
そういうことがあり、TV版では泣いてしまったシチュエーションもこちらではまったく泣けない。さらに、同じ感動的な挿入歌(私の中では神曲)が流れても、ちっとも心に響いてきません。TV版を製作した京アニがどれだけ凄かったのかというのを改めて思い知らされた気分です。
あと、原作知ってる私は当然話についていけましたが、知らない人はよく意味が分からないと思います。何故観鈴は病気なのか…過去の話と現在の話にどういう繋がりがあるのか…この辺の作中の肝となる部分が劇場版の内容だけでは説明不足で、どうも不鮮明に見えましたね。だから、観鈴が苦しんでいる姿に感情移入し難いように思えます。
ラストも凄い微妙…これは一体何なんだ?と、頭の中に疑問ばかりが浮かんでしまいました。幸いにも、このAIRという作品は素晴らしい出来のTV版が存在しているので、こちらはまったく見る必要がありませんw TV版を見てない人は、とっととそちらを見てくださいね。
ほんと、AIRを愛している人にとってこれは酷い冒涜です。原作に対する愛が強ければ強いほど、評価は低くなるでしょうね。



主な登場人物と名言(?)

・国崎 往人 「人間が、空飛べるわけがねえだろうが」
 観鈴の恋の相手という意味合いでの存在感が強くなっていましたが、本質的な役割は何もこなしていなかったな…只、病気の観鈴を見守ってただけっぽい。そういえば、往人の人形劇が結構子供達にうけていましたねw

・神尾 観鈴 「でも、飛べたら素敵」
 とりあえず、観鈴最大の感動シーンで泣けませんでした。そこまでに必要である色々な描写がまったくと言っていいほど無かったので、唐突に”ゴール”されても何の感慨も沸きませんでしたよ。

・神尾 晴子 「お願いや、友達になったって」
 劇場版での晴子さんは偽者です。少なくとも、私の知る晴子さんなら絶対にやらないようなことを、渋々とはいえ行っていましたからね。早く本物の晴子さん(TV版)に会いに行ってくださいw

・神奈備命 「この力は誰からも忌み嫌われるもの」
 翼人の少女。普通に悲劇のヒロインチックな”乙女”になっており、原作知ってる人は性格変更にえらい違和感を覚えるかもしれません。まあ、今更この程度の変更でごちゃごちゃ言うのも馬鹿らしいかな?作中では、もっとヤバイ変更点が一杯ありますからw

・柳也 「存分に大空を、越えなさいませ」
 神奈の警護を任ぜられた武人。これまた普通に美形なヒーローでした。劇場版では神奈と結ばれており、すっかり空気になり下がっている裏葉は涙目(汗)



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