AIR
2005年 全12話


評価 85点

作品解説


翼を持った少女を探すために旅をしている国崎往人は、ある田舎の町へとやってきて一人の少女と出会う。


私はこの作品をゲームから入ったのですが、その時受けた衝撃は結構すごかったです。なんつーか、アドベンチャーゲームもついにこの域にまで達したのか!という感じでしたね。ラスト付近では思わず涙してしまい、ただのギャルゲーとは一味も二味も違うというところを見せてくれました。
まあ、既にゲーム版でやられてしまった後だったので、このアニメ版ではそこまで号泣したってわけではないのですが、初見だったらこっちもヤバかったでしょうね。なにせ、アニメの出来もなかなかにイイ。雰囲気が良く出ています。展開の速さなど若干気になる部分もありますが、この程度なら許容範囲内でしょう。むしろ、この手のギャルゲ原作アニメでは良く出来てるほうだ。
内容ですが、この作品は大きく3部構成となっています。まずは現代の話(DREAM編)があって、第7話後半から過去の話(SUMMER編)に入っていきます。そして、10話で再び現代へと話が戻ってきて最終章AIR編が始まるわけですが、ここからはもうヤベェ…。人間の最も弱い部分をピンポイントでついてきて、強引に泣かせにかかってきます
いやらしい手法です…義理の親子の絆ってだけでも強力な武器なのに、そのうえ病気設定という禁じ手まで使ってくるのは卑怯ですよ。しかも、この病気の特徴がまた相当にえげつない。考え得る不幸を全て圧縮したような設定をかましてくれちゃって、見る者のお涙を問答無用で引き出す最終兵器となってるんです。
こんな見え透いた罠には絶対かかってやるものか!…って思ってましたが、あえなく撃沈でしたね(笑)
私的には、真の感動とはじんわりと心が温かくなれるものだと思っているので、こういう『可哀想!』とか『イタい!』とかの誰もが弱い部分を全面的に押し出してきて、無理矢理に涙を誘おうとする手法はあんまり好きじゃないんですが、何を言おうと泣いちまったらもう負けですね。素直に感動作品と認めましょう。
まあ内容もさることながら、全体的にクオリティの高い作品に仕上がっており、アニメファンならここは押さえとかなきゃならんでしょうね。



主な登場人物と名言(?)

・国崎 往人 「この空の向こうには、翼を持った少女がいる」
 翼を持った少女を探して旅をしている、さすらいの人形遣い。母親から法術の力を受け継いでいますが、それは人形を動かすという役に立つのか立たないのか、いまいち分からないような微妙なものです。とりあえず、プータローのこいつは観鈴の家に居候することになるのでしたw

・神尾 観鈴 「もう、ゴールしていいよね?」
 この作品のメインヒロイン。とある事情から彼女は友人を作ることが出来ず、いつも一人で過ごしていました。しかし、今年の夏こそ友人を作るのだと、勇気を出して往人に声を掛けます。好きなものは恐竜で口癖は「がお」。さらに好きなジュースは、謎の自販機で売られている「どろり濃厚 ピーチ味」…ちょっと変わった趣向の持ち主みたい(汗)。ちなみに、よく不思議な夢を見ていて、その中で彼女は空にいるようです。

・神尾 晴子 「あんたのこと好きになってしもたら…別れるのが辛いやろ」
 この人はヤバイ!ある意味後半は主人公を完全に食って…というか主人公ですね、これは。彼女は観鈴の保護者ですが、実の母親ではありません。そして、ある理由からお互いに距離を置いています。ぶっちゃけ、途中までのこいつの行動にはムカツクこともありましたが、AIR編でその真相が…(沈黙)。もうなんて言っていいんだろ?この親子のやりとりにはグッと込み上げてくるものがあります。晴子さん、あんたぁ最高の母親だぜぇぃ!!

・霧島 佳乃 「魔法が使えたらって思ったことないかな?」
 途中からは出番がなくなっちゃうサブヒロインその1。非常に残念ながら、観鈴の存在のせいであんまり印象に残ってないです…(汗)。彼女は右手首に謎のバンダナを巻いており、何か嫌な予感するな〜と思いきや…。ちなみに、魔法を使って空を飛びたがっています。

・遠野 美凪 「飛べない翼に、意味はあるんでしょうか?」
 途中からは出番がなくなっちゃうサブヒロインその2。同じく残念ながら、観鈴の存在のせいであんまり印象に残ってないです…(笑)。みちるという少女といつも一緒に遊んでいて、その光景はまるで姉妹のようにも見えました。何故か「お米券」を常備しており、事あるごとに進呈してくれますw

・そら 「クァー」
 カラスです。観鈴が拾ってきました。AIR編での重要人物動物です。

〜SUMMER編〜

・神奈備命 「会いたい…一人がこれほどまでに辛いと思うたことはない」
 翼人と呼ばれる羽を持った種族で、人々からは神の使いとして崇められています。しかし、実際は軟禁状態にあるようなもので、彼女に自由というものはありませんでした。柳也や裏葉と出会うことで、明るさを取り戻していきます。母親に会うために、屋敷を抜け出すことを決意しますが…

・柳也 「お前が死ぬなと命じれば、俺は絶対死なない」
 神奈の警護を任された武人。彼女の境遇に同情を覚え、裏葉と共に屋敷から連れ出します。しかし、その道中は厳しいものとなるのでした。

・裏葉 「私は幸せでございます」
 神奈付きの女官。彼女のことをとても大切に思っています。特技は気配を消して相手の傍まで忍び寄ることで、その「絶」といったら、歴戦の武人である柳也ですら気付かないほどでした。色んな意味で強い女性ですね。ある特殊な才能を持っており、彼女の想いの強さは千年の時を超えた現代でもまだ消えてはおらず、子孫達によって受け継がれているのです。



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