シュヴァリエ
2006年 全24話


評価 75点

作品解説

シュヴァリエ Vol.1
メディアファクトリー
発売日:2006-11-24

ルイ十五世の臣下であった最愛の姉・リアが謎の死を遂げた。弟・デオンはその真相を追っていくのだが、それは単なる殺人事件に留まらず、18世紀ヨーロッパ全土を震撼させる事態へと繋がってゆくのだった。


実在した美貌の天才騎士、デオン・ド・ボーモンの波乱万丈の生涯を描いた歴史大河ドラマ。
貴族が幅を利かせている世の中ということで、中身は陰謀がたっぷり詰まってます♪さらには、そこに黒魔術っぽい要素も加えられて、なかなか怪しげな世界観を築き上げていました。死んだ姉の魂を自分の体に憑依させている主人公に、人間をゾンビ化させる能力を持つ敵…う〜ん、濃ゆい。
この作品の一番の見所といえば、数多くの登場人物が複雑に絡み合っていく人間模様でしょう。作中では色んな国へ舞台が移り、これまた色んなキャラが出てくるので、それぞれの関係性を把握するのは大変かもしれませんが、重厚な物語が好きな人にとってはたまらんものですね。
それにしても、この作品では誰が味方で誰が敵なのかが、最後の最後まで分からないような作りでした。終盤、物語が収束していきそうなところまできて、「マジかよ!?」と驚かされるような展開がいくつもありました。ほんと、陰謀に始まり陰謀に終わるって感じですよ。放送当初は、まさかこんな展開でくるとは予想していませんでしたね。
まあ、終始真面目くさい雰囲気なので、見るのに少々肩が凝るかもしれませんが、シリアスな話が好きな人にはオススメしておきます。逆に、軽くて笑える作品が好きな人は手を出しちゃいけないところだと思いますのでご注意を。途中で一部中だるみも感じましたが、後半の予想外な展開は素直に面白かったと思うので、出来れば途中で切らないように見てくださいw
とりあえず、ここでは本物の騎士の姿が見られました。よくファンタジーものとかでは出てくる存在ですが、その本質にまで突っ込んでいる作品は少ないように思えます。しかし、この作品では己の信念に殉ずる騎士の姿がまざまざと描かれていて、なかなか興味深いものとなっていますよ。



主な登場人物と名言(?)

・デオン・ド・ボーモン 「それを引き継ぐことが私の意思であり、祖国への忠誠だ」
 女装が趣味の騎士(笑)…というのは『半分』冗談で、祖国のため、王のために仕える騎士の模範みたいな奴です。姉の死の謎を追うために、仲間達と共に諸国へ赴くのですが、そこで様々な事件に巻き込まれていきます。数々の苦難を乗り越え、彼が最後に見るものとは…!?

・リア・ド・ボーモン 「私はお前に報復する」
 デオンの姉。ある任務に失敗し、既に亡き人となっています。しかし、その魂は未だ成仏することなく彷徨い、デオンの体を通して度々現世に現れます。どうやら、彼女の死には何者かの裏切りが関係しており、そのことが影響しているようです。激しい怒りに燃える彼女の魂に、デオンは苦悩するのでした。

・デュラン 「真実を追うなら、全てを利用しないとな」
 デオンを助けてくれた謎の騎士。目的を達成するためには、非常な面も持ち合わせています。リアとは昔の知り合いらしく、何処か特別な感情を抱いているようにも見えますが…

・ロビン 「フランスの時間は、私が進めます」
 マリー王妃ラヴの純情少年。子供ながらデオンとアンナのことを気に掛け、彼らのことをさりげなくフォローするとっても気が利く少年です。とは言っても、所詮はまだガキ…重大な使命をおった四人の騎士の中では、まだまだ頼りないといった印象ですね。

・テラゴリー 「さしずめ…四銃士というところか」
 デオンとリアの剣の先生。ご老体ながら、かなりの使い手です。二人のことを親身になって心配してくれる保護者的な存在ですね。息子さんがいたようなのですが、どうやらお亡くなりになっているようです。

・アンナ 「デオン…おかえり…なさい」
 デオンの許婚。マリー王妃の侍女であり、オーギュスト(ルイ十六世)の世話係でもあります。デオンのことを一心に思いながら、彼の帰還を待ち続ける健気な女の子です。デオンめ…羨ましい奴だ。

・ルイ十五世 「彼は面白いなぁ」
 フランスの王。騎士が仕えるべき絶対の相手であり、民衆からも愛されている「最愛王」。デオン達に、王家の詩の奪還という密命を与えます。

・マリー 「かの器が彼女の魂を受け入れたのね」
 フランス王妃。お友達が怪しげな骸骨人形と趣味はかなり悪いんですけど、実際は結構いい人のようですけどね。デオンの相談にのってくれて、彼に道を示してくれたりもします。

・オルレアン 「何故私は王になれないのだ…」
 ルイ十五世の叔父。王位簒奪を狙い、きな臭い連中とつるんで陰謀を企てています。前半でその陰謀が露呈し、表舞台からは姿を消したかのように見えたのですが…

・ポンパドール 「フランスの栄光を守るのが私の務め」
 ルイ十五世の愛人。フランスのことを憂い、改革をもたらそうとしている革新派の代表的存在です。それで、王妃であるマリーとはやっぱり対立関係にあるみたいですね。青白い火花が飛び散ってますw

・サン・ジェルマン 「所詮は我々の手の平の上でございます…」
 革命教団の中心人物。オルレアン候やポンパドール婦人に近づき、何やら暗躍しています。しかも、怪しげな術の使い手でもあり、きな臭い臭いをプンプン放ってますね。

・マクシミリアン・ロベスピエール 「報復の由縁はここにある」
 革命教団の一員。フランスを裏切り、独自の行動を取りながら王家の詩というものを追っています。詩人と呼ばれる連中を使い、デオン達の行く手を阻んでいるのですが、その目的は謎に包まれています。また、こいつもリアとは何らかの関係があったようです。



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