「C」
2011年 全11話
作品解説 | ||
貧乏大学生・余賀公麿は、真坂木という怪しい男の誘いにより、金融街というミダスマネーが取引される謎の場所に連れて行かれるのだった。 設定はなかなか新しかったと思います。実体のないマネーゲームに作品オリジナルの設定を使用して、バブル崩壊やリーマンショックを思わせるような金融恐慌を視覚的な恐ろしさとして表現するという発想は面白いです。ただ、主人公の主張にいまいち納得が出来なかったので、そんなに乗り気で見れなかったんですよね。 途中まで、主人公が金融街で一体何をしたいのかが見えてこず、いまいち感情移入ができませんでした。そして後半、主人公は三國という男の主張に対して己の主張をぶつけていくのですが…はっきり言うと、そこに説得力が無い。細かい部分はネタバレになるので避けますが、私としては三國の主張・やっていることの方が納得できたんですよね。だから、主人公の主張を正とする物語の流れに違和感を覚えてしまいました。 また、基本的にこの作品は主人公が金融街の仕組みやシステムに対して関心と知識が薄いため、金融街に精通している三國が代わりに根幹となる流れを動かしていきます。しかし、物語は主人公視点で進んでいくため、金融街そのものの全体像が説明不足で分かり難いんです。 他にも、ディールという一風変わったバトル要素もあったりするのですが、そこもルールが不明確で何だか盛り上がり辛いんですよね。主人公達はとある理由から、相手に大きな負担を与えないように計算して勝つことを目的としていますが、こちらにはまったくルールが分からないため、どんな駆け引きや頭脳プレイを行っているかもさっぱりです。そういう戦い方をするなら、相応の見せ方があると思うんですけどね。 ということで、2クールアニメにしてもう少し細々した説明を描いても良かったんじゃないかって思います。金融街という面白い設定が根幹にあるのですが、それに関する諸々の仕組みが漠然としたまま、何だかよく分かんないうちに急ぎ足で終わっちゃった印象です。 |
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主な登場人物と名言(?) | ||
・余賀 公麿(よが きみまろ) 「未来を取り戻すんだ」 安定志向を持つ貧乏学生。金に困っていた所を真坂木に金融街へ招待され、アントレプレナーとなります。当初はアントレとなることに消極的でしたが、三國の思想に賛同しディールによる現実世界への被害を抑える為に戦う事を決意します。 ・真朱(ましゅ) 「あんた同様新人なんでヨロシク」 公麿のアセット。アセットとはアントレの未来を形にしたものだと言われていますが、彼女が少女型なことにはどういう意味があるのでしょうか? ・三國 壮一郎(みくに そういちろう) 「清潔な世界で人々が飢えていくよりも、俺は汚れた平和を選ぶ」 椋鳥ギルド代表のアントレプレナー。金融街で最も名声と実力を持つアントレであり、現実世界と金融街の共存を図って色々と動いています。その一環として、ディールで得た金を使って国債を買い取り、個人レベルで日本の借金を支えるというとんでもないこともしています。そのため、現実世界の各方面からも重要人物と見られているようです。公麿に対して興味を持っているようで、彼に接触を試みます。 ・Q 「満腹ならば、それでいいのです」 三國のアセット。彼女も真朱と同様に少女型になっています。基本寝ぼけ状態で言葉数少なめですが、食欲?のようなものはあるようでミダスマネーを食べるのを好んでいます。 ・ジェニファー・サトウ 「一緒に取り戻そうよ、未来を」 IMFに所属する日系人。偶然、アントレプレナーの権利を手に入れたため、金融街の実態を知るために潜入調査を行っています。 ・生田 羽奈日(いくた はなび) 「来てんの、カレシ」 公麿の高校からの同級生。面倒見のいい彼女に公麿は想いを寄せていますが、こいつにはちゃ〜んと金持ちの彼氏がいましたとさ。初回からビッチ認定w ・真坂木(まさかき) 「もっと効率良く、お金を稼ぎたいと思いませんか?」 ミダス銀行行員。見るからに胡散臭く、神出鬼没で謎も多い…その正体については詳しく分かっていません。 |
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