ぼくの地球を守って
1993年 全6話
作品解説 | ||
坂口亜梨子(ありす)は同級生の小椋迅八と錦織一成から、二人が同じ夢を共有しているという話を聞く。それは、異星人の七人の男女が、月基地で地球を見守りながら暮らしているというものだった。それからしばらく後、亜梨子も彼らが話す夢と同じものを見てしまうのであった。 テーマは輪廻と転生。前世の記憶を巡り、複雑に絡み合う人間関係こそがこの作品の魅力です。 前世での想いを転生後の現世にも持ち込み、皆がそれに捕われているかのように行動しているのが面白いところでしたね。徐々に集まっていく月基地メンバー…そして、明らかになっていく前世での悲しい物語。うん、普通に面白かった! 特に、登場人物の一人である輪くんはよかったと思いますね。彼の抱える悲しみ、苦しみは痛いほど伝わってきました。それ故の暴走も… まあ、原作知らない人でもこういう話なのか…ってある程度把握出来るくらいには仕上がってますが、実際アニメ化されたのはストーリーの一部だけなので、終わり方自体は中途半端なところがありました。けど、原作の残りの部分って前世の回想とか結構ダルイところの方が多かったので、無いなら無いでもまあいいんじゃないかな…とも思ったりします。OVAは一番盛り上がるところを上手く見せたって感じですね。 ということで、どうしても細かい部分が気になるって人以外は、このアニメ版だけでも十分だとは思いますよ。まあ、一応OVA総集編なんてものもありまして、こちらにはエピローグが若干追加されてました。まとまりはそっちの方がいいかもしれません。 |
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主な登場人物と名言(?) | ||||||||||||||||||||||||||
・坂口 亜梨子 「な、なんなのあの子…理解できない」 植物の声が聞こえる少女。月基地のアイドル、モクレンの転生だと言われていますが、本人はあまり信じていません。一度だけ前世の夢「ムーン・ドリーム」を見て、シオンのファンになります。ちなみに、ファーストキスは輪くんに奪われてしまいました。 ・小林 輪 「僕はね…地球を守りたいんだ」 亜梨子の隣の家に住む小学生で悪戯っ子。しかし、ある事件をきっかけに「ムーン・ドリーム」を見てしまい、前世の記憶が覚醒します。それ以降は、何か目的を持って独自の動きを見せます。他のメンバーが同年代なのに対し、彼だけは一人年が離れていますが、それには大きな理由がありました。ムーン・ネームはシオン。かつて、モクレンと愛し合った人物なのですが、輪くんはそのことを隠し、シュウカイドウを名乗ります。元々シオンがかなりのESPの持ち主であったため、輪くんにもその力があります。 ・笠間 春彦 「僕の償いは、今始まったばかりです」 病弱の色黒少年。彼と輪くんは、前世での外見が入れ替わったかのような姿であり、こいつはシオンにそっくりです。ムーン・ネームはシュウカイドウ。ですが、輪くんに脅されて皆の前ではシオンを名乗ります。実は彼、前世でシオンにとんでもないことをやらかしてしまって、そのせいで輪くんに引け目を感じて言いなりになっています。田村さんとは只ならぬ仲(笑) ・小椋 迅八 「なあ、やっぱり俺達って普通じゃないよな」 ムーン・ネームはギョクラン。前世でモクレンのことが好きだっただけに、現世でも坂口さんに好意を抱いています。このOVAでは晴彦くん(シュウカイドウ)のほうが目立ってますが、実際は迅八(ギョクラン)の方が重要キャラだと思います。事実、原作ではシオンのライバルという設定であり、彼とは何かと対立していました。さらに、モクレンを巡っての因縁は、現世にも続いています。 ・錦織 一成 「前世に振り回されているのは、自分だけだとでも思っているの?」 ムーン・ネームはエンジュ。前世は女性であり、ギョクランのことを愛していました。その想いは転生後も変わらず、男でありながら、迅八に対して恋愛感情を抱いています。う〜ん、不毛な恋だ… ・田村 一登 「田村はちいと怒りやした。テメエ一人でナシ付けに行かしてもらいやす」 超渋いヤクザの兄貴。ゲイの方々なら、皆惚れそうなめちゃめちゃ男気溢れる人物です。ほんとにも〜この人熱すぎ。それに面倒見がよく皆から好かれていました。悩める青少年の頼れるヒーローだ!けど、印象としては輪くんにボコられてたとこが強い…(汗) ・薬師丸 未来路 「地球産のエスパーです」 言葉通りに月メンバーとは関係の無い、純地球っ子のエスパー。田村さんの友達の弟であり、月メンバーのイザコザに巻き込まれていくことになります。
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