四畳半神話大系
2010年 全11話


評価 70点

作品解説

 四畳半神話大系 第1巻(初回限定生産版)[Blu-ray]
東宝 (2010-08-20)
売り上げランキング: 137

大学三回生の「私」は、薔薇色のキャンパスライフを夢見ながらも無意義な2年間を過ごしてきた。もし、あの時違うサークルを選んでいたならば…!?


小説のアニメ化。原作は一人称視点なんですかね?ほんと、主人公が早口で心の声を語る語る…これがいい味出てました。その語りっぷりは、最早キョンの比じゃありませんね。これで他の人と同じギャラなら、主人公の声優さんが可哀想なくらいですw
まあ、湯浅監督の作品ということで全体的に何処か異質な臭いのする作品でした。キャラデザは萌えやかっこよさとはまったく無縁の媚びを売らないものだし、演出は独特なもので実写なんかも使われています。少しシャフトっぽいところがあったかな?とにかく、その異質さに惹かれて1話を見た限りではかなり期待を持てました。
ただ、この作品はその性質上評価は割れるかもしれません。ぶっちゃけると、これは毎回BAD ENDを迎えてしまうので、時間を巻き戻してスタート地点に戻るという人生やり直し…所謂ループものになるんですよね。ループものというと、昨今では嫌な記憶が思い出されますが、まあこちらはまったく同じ内容を放送するわけではなく、枝分かれする別の可能性が展開されていきます。
とは言え、結局のところオチは毎回同じであるので、見ていて途中でダレる可能性も結構あります。地味に色々と伏線を張ってたりもするのですが、それが回収される(伏線だと気付かされる)のは終盤ですからねぇ。1クールしかない作品なのに、中だるみを感じてしまいましたよ。
また、主人公が幸せになる道は最初から見えているのに、なかなかそれを実行しないからイライラすることもありました。ここのところの感覚はエンドレスエイトに近いものがあるかもしれません。視聴者はみんな何をすればいいのか分かっているのに、主人公はそれに気付いていないからもどかしい…BADへ行き着く度に、もうそろそろいいだろ!ってw
しかし、ラストはなかなか綺麗にまとめ、途中のダルさを十分補うくらいの出来だったので、それなりの評価をつけています。最後の主人公と小津のオチも面白かったと思います。
総評としては、発想は面白いのですがちょっとループがくどいところもありました。ループというのは扱いようによっては面白い題材ですが、自らを傷つける諸刃の剣となりうることも多いので、おいそれと手を出すのは危険だと改めて思い知らされました。



主な登場人物と名言(?)

・私 「人恋しさに負けてたまるか」
 主人公。大学入学を機にサークル活動を通じて、黒髪の乙女との薔薇色のキャンパスライフを目論みますが、現実は悪友の小津と共に不毛な毎日を送っています。視聴者は彼の様々な可能性を見ることになりますが、なかなか薔薇色のキャンパスライフは訪れないんですよねぇ。

・小津 「全力であなたを駄目にします」
 妖怪のような風貌をした主人公の悪友。小津曰く、二人は黒い糸で結ばれているそうです。彼の存在が主人公を悪い方向へ導くことも多く、どんどん負のスパイラルへと引き込まれていきます。天邪鬼のような性格ですが、意外と恋愛に関しては一途なようです。

・明石さん 「借りはいいから約束を果たしてください」
 主人公達の一つ下の後輩。理知的でクールな女性であり、ナンパな男に対して鉄壁のオーラを兼ね揃えています。アホな主人公は、この明石さんとの「縁」が目の前にぶら下がっているにも関わらず、それを掴もうとせずに他の事にうつつを抜かしているんですよね。

・樋口 清太郎 「薔薇色のキャンパスライフなど存在せんのだ。なせなら世の中は薔薇色ではない」
 最早、神…いや仙人のような存在。大学八回生であり、自らの弟子も取っています。話によっては、主人公や小津、明石さんもこの人の弟子になっていました。

・城ヶ崎 マサキ 「チェストーオィ!」
 映画サークル「みそぎ」のカリスマ部長。女子からの人気が非常に高いのですが、オッパイフェチ、ナルシスト、人形(ラブドール)愛好家というどうしようもない性癖を持ち合わせた変人でもあります。樋口とは永遠のライバル?らしい。

・羽貫 涼子 「ひ〜っは〜」

 美人歯科衛生士。酒グセが非常に悪く、本当に親しい間柄でないと一緒に飲みには行かないそうです。ちなみに、樋口とは恋人…まではいきませんが、いい関係みたいです。



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