時をかける少女
2006年 劇場版
作品解説 | ||
7月13日(ナイスの日)は紺野真琴の身の上に次々と不運なことが起こるアンラッキーデイ…そのラストに控えていたのが、事故死という最悪の結末でした。しかし、その瞬間に彼女は時間を越えて、直前の過去へとタイムスリップしたのです。 有名な同名小説のこれは続編だそうです。そちらの20年後の話らしいですね。 テーマは人生のやり直し。真琴はタイムリープの力を得ると、ちょっとでも気に喰わないことがあったらガンガン過去に戻りまくって、次々と未来を変えていきます。このはっちゃけっぷりはなかなか楽しめるものでした。テンポも良かったし、ここがこの作品の一番の見所かもしれません。 しかし、タイムリープには回数制限が存在し、さらには自分にとって不都合な未来を変えることで他人にしわ寄せがいってしまうなど、後から色んなツケが回ってくることになります。まあ、世の中そんな上手い話ばかりではないといういい例ですよ。これらの問題点をどのように解決していくのか!? …という風な感じで、中盤まではなかなか興味深いストーリーだったんですが、後半でまとめに入ってからがどうもイマイチに思えてしまいました。 どういうことかというと、この作品は良くも悪くも大衆向け娯楽アニメというところです。誰もが分かり易いラブストーリーを楽しめるように、時をかけることの裏側に潜む問題や矛盾は粗方スルーされています。そのせいで、どうもご都合主義なところばかりが目に付き、なかなか素直に盛り上がれなかったんですよね。 結局、主人公は自分の招いてしまった結果に対して大きなツケを支払うこともなく、反則的な逃げ道で全て解決。後悔はしていても成長はほとんどなく、未来を変えてしまうことの責任なんて、目先にチラつく己の幸福の前にはどうでもいいことだと言わんばかりの勢いです。 まあ、そういうところがいかにも現代っ子らしい在り方と言えるのかもしれませんが、個人的にはそんなノーテンキで考え無しのところに共感出来ませんでした。 ただ、確かに高校生らしいある種の爽やかさは出ており、作中に漂う雰囲気は悪くなかったと思います。SFとしては満足いかない部分が多くあるのですが、青春ものとして捉えて見たらわりかしいい感じではないでしょうか。 あとこれ、原作を知ってる方が楽しめるのかなぁ?チラっとそちらの話も出てきたんで少し気になりました。 |
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主な登場人物と名言(?) | ||
・紺野 真琴 「あたし飛べんじゃん…飛べんじゃん!」 おっちょこちょいで何かと騒がしい女の子。よく走り回っているという印象がありますね。勢いつけてジャンプすると、時間を越えることが出来るようになり、その能力を身につけてからは自分の欲のためにメチャメチャ多用してました。跳躍後にゴロゴロ転がってたところが印象的で結構笑えました。 ・間宮 千昭 「俺と…付き合えば?」 真琴の遊び友達。功介を交えた3人で、野球とかしてました。数学は超優秀ですが、何故か漢字が読めないらしいです。どうも、真琴のことが好きみたいですが… ・津田 功介 「俺が彼女作ったら、真琴が一人になっちゃうじゃん」 真琴の遊び友達。医者を目指しているようで頭はいいです。あと、皆に優しいナイスガイ…これに尽きますね。 ・早川 友梨 「そっか…そうだと思った」 真琴の女友達。千昭のことが気になっているようで、真琴に彼のことを色々と聞いてました。 ・藤谷 果穂 「あっ…功介センパイ」 引っ込み思案のメガネっ子。友人に促されることで、功介への告白を試みます。メガネっ子ならではの近眼具合もしっかりアピールされてて、この子いい感じでしたよw ・芳山 和子 「それ、タイムリープよ」 原作の方の主人公で、通称「魔女おばさん」。タイムリープで混乱する真琴に、色々と助言を与えてくれます。しかし、タイムリープなんて珍現象を年頃の女の子にはよくあることと言い切ってしまうとは…なかなかのツワモノです。 |
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