天地無用!GXP
2002年 全26話


評価 75点

作品解説


岡山県に住む筋金入りの不幸少年・山田西南は、ひょんな事から雨音・カウナックの手引きを受けて、GPアカデミーに入学することになるのだった。


天地無用!TVシリーズ第三弾。と言っても、この作品は前のTVシリーズ二作とはまったく繋がりがありません。世界観的に繋がりがあるのはOVA版ですね。時間軸としては、この後に発売されたOVA第3期の後の話になってます(ややこしい…)
この作品ではメインキャラが一新されているので、従来の天地無用!とはまた別物(番外編)として見るのが正しいんでしょうね。初めは違和感あると思いますが、ハーレムどんちゃん騒ぎというこのシリーズの目玉はキチンと描かれているので、それが好きな人なら問題ないでしょう。ただし、本家OVA版を見たことない人が、いきなりこれを見るのはオススメ出来ません。設定面でついていけないでしょうから。
あと、今回はコメディ色がかなり強くなっている印象ですね。監督がナベシン(ワタナベシンイチ)ということもあり、従来の馬鹿騒ぎの中にあの人のテイストのギャグがはっきりと組み込まれています。こういった変更点が本家天地ファンに受け入れられるかどうかは微妙なところですが、個人的にはこのノリが結構好きになれました。
それに、今回の主人公・西南は天地みたいな無個性くん(つまらない男w)ではなく、こいつ自身がキャラとしての強さを持っています。作中では、西南の不幸設定の転がし方が終始上手く描かれていました。こいつはどうしようもないほどの悪運なんだけど、なんだかんだでそれが役立って活躍してるところが見ていて面白かったです。
そして、終盤はほんと都合のいい展開だったのですが、これこそハーレムものの極致とも言えるラストを迎えているので、ここまで無茶を押し通してくれると逆に清々しいですね。このはっちゃけ具合を評価したいです。
それにしても、一体何処の世界に最後放送禁止用語連発で締めるアニメがあったろうか…ほんとやりすぎだな。けど、本家を超えるこの超お馬鹿なノリが個人的にツボった。
細かなストーリーを抜きにすれば、ある意味天地シリーズの中では一番楽しめたかもしれませんw



主な登場人物と名言(?)

・山田 西南(やまだ せいな) 「すみません。才能ですから」
 天地の後輩の普通の地球人。しかし、お得意の不運(?)からギャラクシーポリスに入隊することになってしまうのでした。彼の不幸っぷりはもう尋常ではなく、子供の頃から常に生傷が絶えません。ただ、GPでそれが才能として認められ、彼にしか出来ない役目をもらって功績を上げていきます。しかもこいつは、ある意味天地をも越えるハーレムっぷりを見せてくれるんですよね。

・雨音・カウナック 「君、GPに入らない?」
 ギャラクシーポリスの刑事。本家天地でいう魎呼的な立ち位置で、がさつでお色気なお姉さんって感じです。実はお嬢様育ちで、以前は実家の服飾メーカーのモデルをやっていましたが、家柄に関係ないところで勝負するためGPに入りました。地球で西南と出会い、何気なく彼にGPのパンフレットを渡したことで物語が始まります。

・正木 霧恋(まさき きりこ) 「きっとこれから、西南ちゃんにはいいことがたくさんあるわよ」
 柾木家の分家のお嬢さん。本家天地でいう阿重霞的な立ち位置で、普段はおしとやか…と見せかけて怒ると怖いって感じです(特にキレた時の顔がヤバすぎw)。小さい頃から弟の友達である西南の面倒をよく見ていて、多分母性本能くすぐられちゃったんでしょうね。彼のことを大切に考え、危険なGPの仕事をしようとしているのを良く思っていません。

・リョーコ・バルタ 「私は一生、あなた様にお仕えします」
 宇宙海賊なんだけど、GPの中ではアイドル的存在でファンは多数。リョーコという名は本家・魎呼にちなんで付けたそうですが、そっちとは性格全然違ってますね。これまでのシリーズにはいなかったような尽くす系美女で、後に発覚した高貴な身分もかなぐり捨てて西南にお仕えしてくれます。うらやましい…w

・ネージュ・ナ・メルマス 「お兄ちゃんのお嫁さんになりたいな」
 見た目や言動は妹キャラ…ですが、実は2000歳という超年増。長い間巫女としての任に就いていましたが、それも交替することになってお気に入りの西南の船に乗り込みます。立ち位置的には、マスコットキャラ(福ちゃん)の遊び相手をしてる幼子ということで砂沙美ちゃん…?でも、こいつの場合はキャラを作ってるから何か違う気がするな(汗)

・福 「みゃあ」
 西南の戦艦・守蛇怪(かみだけ)のメインコンピューター。魎皇鬼の妹であり、普段はそっくりな愛らしい姿をしてます。皇家の船と合体することが出来、その時の力は物凄い。

・柾木 アイリ 「お婆さん言わない!」
 GPの理事長。ちなみにこの人は、遙照さんの再婚相手で天地のお婆さんにあたります。ただ本人は、おばちゃんとかお婆さんとか言われるのが物凄い嫌い。まあ実年齢はともかく、見た目はそんなに老けていませんからね。

・神木 瀬戸(かみき せと) 「面白そうだからもう少し様子を見ましょうかね」
 「樹雷の鬼姫」と恐れられる、裏の最高権力者。一言で言うなら腹黒いw ニヤリと零れる笑みが邪悪です。他人をオモチャにして遊ぶことが大好きで、その性癖には皆さんうんざりしているようです。趣味はお見合いの仲人で、適齢期の女性には間違いなくその話を持ちかけてます。

・天南 静竜(てんなん せいりょう) 「私は地求人が嫌いだ!」
 何だかんだでこいつ結構好きだなw なんとかと天才は紙一重…ということで、天地との決闘(OVA第2期参照)以来なんとかの方が強くなってしまった静竜さん。作中でもギャグ要員として悲惨な目に会い、中盤は出番もあんまりなかったのだが…誰がこいつが西南のライバルキャラになると予想出来ただろうか!?運を呼ぶ戦艦「運呼(うんこ)」の艦長として、幸運パワー全開で不幸な西南に挑んできます。けど、こいつこそ最大の不幸キャラのような気も…

・タラント・シャンク 「貴様が何処に逃げようと、狩り出し、殺してやる」
 西南のことを目の仇にする凶悪な宇宙海賊。何度も復活してきて、ほんとしつこい悪党ですよ。サイボーグ化+イカれて西南を追い続けるとこは、なんかゴステロっぽいですねw



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