超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか
1984年 劇場版


評価 80点

作品解説

 超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか HDリマスター版 [DVD]
バンダイビジュアル (2007-12-21)
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ゼントラーディ艦隊との戦いを続ける地球統合軍所属の巨大宇宙戦艦マクロス。その交戦中、敵を追撃して市街へと向かった輝は、そこでアイドルのリン・ミンメイと出会うのであった。


基本となるストーリーはTV版の再構成なのですが、これが只の編集作品というわけではありませんでした。なんと、全編新作フィルム!(多分)。TV版が存在している作品で、これはかなり凄いことです。20年前のフィルムを使いまわしたZガンダム劇場版とかは見習って欲しいもんですよ。
そういうこともあり、作品としてのクオリティはTV版を大きく上回っていました。作画レベルの異常なまでの上昇、それに伴うミサイル演出の向上(俗に言う板野サーカス)、そして良質な挿入歌の追加など、良くなった部分が目白押しですね。
さらに、内容の方も異なった部分が見受けられました。特にラブストーリーという観点で見た時、こちらの方が随分いい出来に見えましたね。ミンメイの性格もこっちの方が個人的には好きですし、最終決戦前の輝とのやりとりも良かったと思います。そして、何と言ってもラストで「愛・おぼえていますか」の曲がかかるところは必見の出来栄えです。映像と歌が合わさった最終決戦は、すっごい見応えがありましたよ。
加えて、TV版3クール目を丸々カットしたというのも大きいでしょう。そこんところが無くなったおかげで、物語としては凄い綺麗にまとまっているんですよね。三角関係もそこまででキッチリとケリをつけてるので、まさに完璧な流れです。TV版よりも圧倒的に完成度が高かった。まあ、元々素材はいいんだから、ちゃんと作ればこのくらいいいもんが出来上がるんですよ。
ということで、マクロス未見の人でTV版36話見るのがダルイと思う人は、せめてこれだけでも見ましょう。昔の作品ですが、見て損は無い名作だと思いますよ。
とは言え、やっぱりTV版ありきの作品なんで、細かい設定などは少々割愛されています。故に、こちらだけでは分かりにくいところもありますので、そこんところだけは注意してください。



主な登場人物と名言(?)

・一条 輝 「いつまでも傍に居て欲しいのは…君だってこと」
 TV版との違いは、最初から軍人だというところです。こちらでも、最初はミンメイのことが気になっていたのですが、徐々に美沙との絆が深まっていきます。つーか、こっちの輝は最初からキッパリと決断しているので男らしいよ!TV版3クール目のようなどっちつかずのところを見せなかったのが良いですね。まあ、尺的にも迷ってるような時間は無かったのですけれど。

・リン・ミンメイ 「私、歌うわ。思いっきり」
 彼女もこの劇場版では、最初からアイドルとして活躍しています。その後、戦いの中で輝と出会うって流れになっていきます。TV版では何処かわがままな印象があったのですが、こちらでは見事なまでの悲劇のヒロインしてて、非常に良かったという印象です。ということで、私の中のリン・ミンメイと言えば、必然的にこの劇場版がデフォですね。

・早瀬 未沙 「男と女とどっちが偉いって言うの!」
 劇場版になって、輝と二人きりのサバイバル生活シーンが追加されていました。こういう状況で男と女が二人きりになれば、結ばれるのは当然の成り行きでしょうね。

・ロイ・フォッカー 「男ってのはなあ、時には強引さも必要なんだ」
 相変わらずいい先輩です。そして、逝ってしまわれるというのも変わらないんですね。

・マクシミリアン・ジーナス 「美しい…」
 マックス対ミリアは見応えありましたね。その後、メルトランディ用の機体に乗っていたことからも、彼は巨大化したのだと思われます。TV版ではミリアの方が小さくなったのに、ここが大きく異なっていましたね。

・柿崎 速雄 「もしかすると、女ができたせいかな。んひゃひゃひゃひゃ…」
 柿崎くん、あまりにも呆気なさすぎます!何の見せ場もありませんでした。いや、登場シーン自体もかなり少なめだな…

・リン・カイフン 「君に対しては容赦しないからな」
 従兄弟の兄さんが、ミンメイの本当の兄さんになってました。故に、ムカツキ度合いは多少減ってたかな?けど、やむを得ないものとはいえ、相変わらずミンメイとのキスシーンがあるのはいただけません。

・ブリタイ7018 「再び文化を取り戻すのだ」
 彼らゼントラーディはTV版からデザインが一新されています。以前はデカさ以外は人間っぽかったのですが、モロ宇宙人って感じの外見になっていました。緑色の皮膚をしていて、まるでナメック星人(笑)がキモくなったような感じですね。あと、作中ではゼントラーディ語がキチンと話されていました。日本アニメだというのに字幕付きですw

・エキセドル4970 「ヤック、デカルチャー」
 こいつもかなりキモく変化してました。けど、続編であるマクロス7に出てくるエキセドルはこちらの外見なんですよね。つーことはこっちが正史?でも、マックスの巨大化のことを考えると、そうとは言い切れないんですよね。今回はお決まりの文句「デカルチャー」を連呼してました。

・ミリア639 「女の意地にかけて必ず…」
 TV版ではゼントラーディ軍の一員でしたが、こちらでは大きく設定が変化して、彼女ら女兵士であるメルトランディ軍は男であるゼントラーディ軍と争っているってことになってます。ゼントラーディ軍相手に、エースのミリアの名に恥じない戦いを繰り広げていました。



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