超時空要塞マクロス
1982年 全36話


評価 70点

作品解説

 超時空要塞マクロス Blu-ray Box Complete Edition (初回限定生産)
バンダイビジュアル (2012-05-25)
売り上げランキング: 827

西暦1999年、突如宇宙より謎の宇宙戦艦が地球へと飛来する。艦は人類によって修復され、マクロスと名付けられるのだが、そこにはブービートラップが仕掛けられており、地球人は意図せず異星人との交戦状態に突入してしまうのだった。


リアルロボットものでは、おそらくガンダムに次ぐ人気シリーズ。現在でも「マクロス」タイトルが付いた作品が色々出ているので、その根強い人気が窺い知れます。
この作品の特徴としては、まず恋愛面が非常に際立っているというところが挙げられるでしょう。大体のロボットものは、敵を倒すということが最大目的となっていますが、これはそれと同じくらいの割合で恋愛部分が重視されているんです。それも、三角関係というのがもっぱらの定番となっており、以降のシリーズ全てにおいて、この関係性が貫かれています。
そして、テーマとなっている異性人との文化的交流という部分がなかなか面白いです。この初代マクロスでは、『歌』というものを通じてそれが描がれていました。この『歌』ですが、後のシリーズでも若干役割を変えながら、作中のキーとなるものとして脈々と受け継がれていってます。
あと、ロボットにもこだわりがありましたね。作中で登場する敵―ゼントラーディは巨人族で、人間よりはるかにデカイんです。彼らと戦うために、人類はバルキリーと呼ばれる機体に搭乗するのですが、これは戦闘機、ロボット、そしてその中間形態であるホバリング形態の3形態に変形することが可能になってます。この作品が、リアルロボの変形ブームを作ったのは間違いないでしょう。
しかし、何より凄いのは戦艦まで変形するところですね。あんな巨大なものが、一つのロボットへと変形するのはまさに圧巻ですよ。当然、その破壊力も群を抜いていて、リアルロボの中に1体スーパーロボが混じっているという感じでした。その戦艦の中には街があって民間人が大勢住んでいるのですが、変形の際に街が一部崩壊していくというなかなか凄いことになってましたよ。
という風に、この作品ならではの特徴というのが数多く存在します。それらの効果によって、他のリアルロボット作品とはまた一風異なった空気を醸し出しているので、なかなか興味深いものがあると思います。
ただこの作品、3クール目がマジでいりません!そこまでの出来は良かった(作画面は除く)のですが、その後が完全に蛇足です。戦争自体は2クールで終わり、3クール目からは戦後の地球の復興などが描かれているのですが、ぶっちゃけここんとこのエピソードはマイナス以外の何物でもありませんよ。だらだらとくだらん恋愛話をいつまでも続けて…正直、ここは見んでもいい!(爆)
ちなみに、TV放映終了の翌年、劇場版「愛・おぼえていますか」が公開されました。しかし、そちらをただの編集版と侮ることなかれ!クオリティはかなり上昇してます。



主な登場人物と名言(?)

・一条 輝 「言ったでしょう、いつまでも後ろじゃないって」
 元はアクロバットチームのパイロット。マクロスのフォールドに巻き込まれ、そのまま艦を守るバルキリー部隊のパイロットとなります。ミンメイに好意を持っていましたが、彼女がアイドルになってからはすれ違いが多く、あまり会えなくなってしまいます。軍人とアイドル…まったく別世界の住人ですからねえ。終戦後は、二人の女性の間をふらふらするヘタレ街道に!?今思えば、こいつが昨今のギャルゲー主人公の先駆けみたいだなあ。

・リン・ミンメイ 「今日だけは…あなたのために」
 輝のガールフレンド。彼女のちょっぴり気まぐれなところに、輝はよく振り回されてました。アイドルに憧れていた普通の少女だったのですが、後にミス・マクロスに選ばれて本物のアイドルになります。ただ、個人的には劇場版のミンメイの方が好きですね。こちらはどうも…。ちなみに、このリン・ミンメイですが、後のシリーズでも伝説のアイドルとして語り継がれています。

・早瀬 未沙 「上官に対して、そんな口の聞き方がありますか!」
 士官学校首席出のお堅い管制官。最初、輝とはそりが合わなかったようでいがみ合っていたのですが、共に苦難を乗り越えていったことで、二人の関係性が変化しました。そして、お互いに段々と惹かれ合っていくのでした。

・ロイ・フォッカー 「パインサラダ、期待してるぜ」
 エースパイロットであり、スカル小隊のリーダー。輝とは昔からの知り合いであり、彼のことを常に気に掛けていて非常にいい先輩してました。ほんと好感の持てるナイスガイでしたね〜。故に、あんなことになってしまわれたのが非常に残念です。パインサラダ…それは、死亡フラグの味。

・マクシミリアン・ジーナス 「僕って天才だったのか」
 少尉となった輝に付いた部下その1。自他共に認める天才です。戦闘では、主人公である輝よりも成果を上げていました。あと、こいつ意外と手が早い…そして、結婚までの道のりも早かった!初デート(?)で既に結婚までの意志を固めてしまいましたからね。

・柿崎 速雄 「自分がきたからにはお任せください」
 少尉となった輝に付いた部下その2。結構お調子者です。マックスとは違いパイロットとしての腕はまだまだで、よく被弾してたって印象がありますね。こいつも最後の出撃の直前、好物のレアステーキを全部食べられなかったという食べ物での死亡フラグが立ってました(笑)

・リン・カイフン 「だから軍隊というのは身勝手なんだ」
 ミンメイの従兄弟でいけ好かない美形キャラ。中国拳法の使い手らしく、かなり強いです。ミンメイも美沙もこいつに気があるような素振りを見せてて、それがまた見ているこっちとしては腹立たしいんですよね。3クール目になってからは、特にムカツキ具合が強くなってたように感じました。酒なんぞ飲んで彼女に当り散らして…根っからのダメ亭主ですよ。

・ブリタイ・クリダニク 「文化、か…」
 ゼントラーディ軍の艦隊司令官。生身でバルキリーと戦って、しかも勝つほどのツワモノです。さらには宇宙服無しで真空を活動するなど、ほんととんでもない御方ですね。

・エキセドル・フォルモ 「これ以上あの星には関わらない方がよいと思いますが」
 ゼントラーディ軍の記録参謀。何処かひょうきんな面のあるおっさんですね。ミンメイの歌を振り付きで歌いだしたときは、もう爆笑もんですよw

・カムジン・クラヴシェラ 「俺は味方殺しのカムジンよ」
 命令違反は当たり前、ゼントラーディ軍の問題児です。こいつはいつも勝手に出撃しているので、輝達との交戦は最も多い敵でしょうね。中盤くらいまでのライバルキャラかと思いきや、意外にも物語終盤まで登場して、その小悪党っぷりを存分に発揮してました。

・ミリア・ファリーナ 「この恥辱、いつか必ず晴らしてやるぞ」
 エースのミリア。己の腕に絶対の自信を持っていましたが、天才マックスとの戦いに敗れて彼に興味を持ちます。後のマクロス7でもこの二人は出てきましたね。けど、そちらでは倦怠期を迎えた不仲な夫婦って感じでした。

・ボドル・ザー 「プロト、カルチャー」
 ゼントラーディ軍の総司令官。人類の持つ文化を恐れ、その圧倒的戦力によって彼らを根絶やしにしようとしています。



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