電脳コイル
2007年 全26話
作品解説 | ||
夏休み直前、ヤサコは両親と妹の京子と共に大黒市に引っ越してきた。この街は最新の電脳設備を誇る特別行政区であり、ここの電脳空間で巻き起こる不思議な出来事を体験していくのだった。 この作品を初めて見た時、何処かジブリ作品を匂わせるような雰囲気を感じました。主人公のヤサコと妹の京子を見て、トトロのサツキとメイを連想したのは私だけではないでしょうw それで内容は、攻殻のような電脳世界を扱った作品なんですが、そちらとは少し違って何処か取っ付き易さが感じられるものに見えましたね。本来、電脳空間というものは仮想の中での概念的なものであって、そこには小難しい設定とかが付きものになっているのですが、一先ずそれは置いておいて、この作品は視覚的に楽しむことが出来ました。 作中では、重要アイテムである「メガネ」という媒体を使って、電脳世界を実際に目に見える形で表現しているのです。その中で、色んな怪しげなものが出てきたり、様々な電脳ツールを駆使してそれらと戦っている様は、見ていて素直に楽しく感じられます。 とりあえず、1クール目はこの特殊な世界観の魅力に視聴者を惹き込む役割が見事に果たされていました。個人的には、第12話「ダイチ、発毛ス」がかなりヒットしましたねw そして、2クール目から本格的に物語が進んでいくことになるのですが、ここからは雰囲気変わってシリアス(ホラーチック)になっていきます。 ただ、そこから話が段々と難解になって付いていき難くなってくるんですよね。しかも、この作品では終盤で一気に伏線回収という手段が取られていたために超展開であり、しっかり理解しながら見ていないと厳しいかもしれません。途中までのほのぼのした印象で気を抜いて見ていたら、いつの間にか取り残されてる恐れがあります。 けどまあ、伏線がどんどん回収されていく様は身震いするような快感があり、前半とはまた違った意味で惹き込まれるものがありました。それに、物語自体はとても面白かったので、最終的には見ていて良かったと思いましたね。 とりあえず、デンスケ最高!!こいつにやられちゃいました。私もこんなペットが欲しいよ。 |
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主な登場人物と名言(?) | ||
・ヤサコ(小此木 優子) 「今、本当にここにあるものは何?」 大黒市に引っ越してきた少女。優子の「ユウ」は優しいの「ユウ」なので、皆からはヤサコと呼ばれます。電脳に対しての知識は薄く、特に違法なツールに関しては知らないことも多いようですが、大黒市に来た途端様々な電脳事件に巻き込まれていきます。 ・イサコ(天沢 勇子) 「先のことは分からないわ。この世界の誰にも」 ヤサコが転入した翌日に転入してきた少女。勇子の「ユウ」は勇ましいの「ユウ」なので、皆からはイサコと呼ばれます。電脳空間の魔法使い「暗号屋」で特殊な力を持っており、何かの目的のために行動しています。また、クラスの男子を掌握して、自分の目的のためにこき使うそのお姿はまさにイサコ女王様って感じでしたねw ・フミエ 「コイル探偵局にようこそ」 ヤサコをコイル探偵局に勧誘した背のちっちゃな少女。高い電脳技能を持っていて、ハッキング技術や電脳ツールの扱いに優れています。気が強く負けず嫌いで、ちょっかいをかけてくるダイチに対して全力で挑んでいました。途中まではヤサコと共に色んな事件を体験してましたが、終盤はほとんど空気になっていたのが悲しいです。 ・ハラケン 「守秘義務があって喋れないんだ」 生物部の部長。ぼ〜っとしていて、ちょっぴり頼りない印象の男の子です。実は暗い過去を背負っていて、それがいつまでも彼の中で尾を引いている様子。自由研究として「都市伝説」のことを調べるのも、そのことが大きく関係しているように見えますね。 ・ダイチ 「おめーらにはわかるめーよ。江戸っ子の心意気ってもんがなあ」 やんちゃ坊主。フミエに嫌がらせをしたり、ちょっかいをかけてきたりしてますが、それは素直になれない好意の裏返し。このくらいの男の子ならよくやるアレですよw まあ、普段は馬鹿なお笑いキャラなんですけど、たまにかっこいいところも見せてくれたりもします。ちなみに、何故か京子のうんち語(?)を解読出来たりします。 ・デンパ 「友達ならそうしなきゃ駄目なんだ」 ダイチの友人。いじめられっこでしたがダイチに助けられた過去があって、それ以来彼のことを慕っています。皆には内緒でクビナガというイリーガルをペットに飼っていました。ここのエピソードは良かったね。 ・オバちゃん 「あたしが終わらせなくてはならないわ」 オバちゃんだけど女子高生…17歳のピチピチギャルだそうです(事実!)。これほど、学生服姿に違和感を覚えたキャラはいなかったなw 電脳技能が高く、大黒市の空間管理室に客員顧問として勤務しています。甥のケンちゃん(ハラケン)を溺愛しており、彼が危ないことに首を突っ込もうとしているのにいい顔をしていません。 ・京子 「うんち!」 悪戯好きなヤサコの妹。マイブームが「うんち」で、何を見ても指差してそう叫びますw ちなみに、ヤサコも小さい頃は「うんち」を連呼していたそうです。血は争えんな…。 ・メガばあ 「わりぃ子はいねえがあ〜」 メガシ屋(メガネの駄菓子屋)の主人でヤサコの祖母。相手の弱みを握って、コイル探偵局の会員を増やしていきます。電脳知識に優れ、様々なツールを作るこのばあさんはある意味最強だよ。けど、ギックリ腰という致命的な弱点がアリ。 |
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