戦闘メカ ザブングル
1982年 全50話


評価 75点

作品解説

 戦闘メカ ザブングル DVD-BOX PART1
タキコーポレーション (2006-04-28)
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ジロン・アモスは、両親を殺したブレーカーのティンプ・シャローンを仇とし、追いかけていた。この世界には3日の掟というものがあるのだが、彼だけはそれに背いて、いつまでも追い続けるのであった。


なんというか…色々冒険してます!とりあえず、その型破りのチャレンジ精神を評価したいです。
ロボットものなのに西部劇を思わす世界観…あらゆる犯罪は3日逃げ切れば全て免罪となる3日の掟…と設定面でもなかなか普通とは違ったところを見せてくれました。しかし、何より注目すべき点は遊び心を持ったコミカルな部分でしょう。戦いがメインとなる作品なのに、ガンダムなんかとは違って何処か笑えるんです。ロボットもなかなか愉快な動きをしますし…それに、主人公の顔からしてアレですからねえw
主人公ことジロン・アモスのあだ名は「どまんじゅう」です。その名が示すように、およそ主人公には見えないとんでもないルックスでした。これを主人公にもってくるなんて、よく上層部はGOサインを出したもんだよw
また、最終決戦という大真面目の戦いの中でもやっぱり基本はコミカルでした。大型ミサイルを「あらよ」って感じで受け止めて、そのまま投げ返すウォーカーギャリア…ってマジそんなんアリかよーーーーー!!しかも、そのミサイルが直撃したホーラは、ギャグアニメばりの黒こげオチで助かってるしw
まあ、後半はシリアスな部分もあるのですが、やっぱり全体を通して貫いたこのコミカル部分が作品の印象となっていますね。これまでの富野作品とは大きく作風が異なるので好き嫌いは分かれるような気がしますが、私的にはこういうのも大いにありって感じです。それなりに粗もあるのですが、この作品の勢いの前ではそんなもん些細なことです。キャラクターも皆パワフルで、活き活きと動いてましたしね。
ちなみにこの作品が、主人公が話の途中で機体を乗り換えた最初の作品らしいです。今でこそ当たり前のように行われていることですが、当時としては前代未聞の行為だったようですね。すなわちこれは、主人公機の交代という型破りを定番に変えた偉大な作品なんですよ。
また、劇場版「ザブングル グラフィティ」なるものも存在しますが、これは黒歴史として存在を消しちゃってください。こちらではラストに凄まじいテコ入れがされていて、先にTV版を見ていた私は愕然としましたね。まあ、こうすることで完全コミカルを貫いたんでしょうが、個人的にはあまり好ましい演出ではなかったと思います。余計なことはせんでいい!



主な登場人物と名言(?)

・ジロン・アモス 「成せば成る!ザブングルは男の子!!」
 主人公の「どまんじゅう」。しかし、慣れというものは怖いものですね。物語も後半になると、このジロンのどまんじゅう顔もすっかり受け入れていて、あまつさえ彼の男らしい部分に時々カッコいいかも…なんて思ったりすることもありました(爆)。そういえば、彼の「そう簡単に死ぬかよ、アニメでさ!」って発言にはビクリましたね。我々からすれば確かにそうなんですが、それを主人公が作中で言いますか?まあ、それがザブングルたるゆえんなんですけどね。

・エルチ・カーゴ 「私の夢はね、この地球に香り高い文化の花を咲かせることなのよ」
 アイアンギアーの女艦長さん。イノセントの持つ文化に憧れており、自分も何かにつけて文化文化と言ってました。後に、イノセントの洗脳を受けてジロン達の敵として現れることになるのですが、その姿はちょっぴり痛々しいものでしたねぇ。ラストも暗いムードを引きずっていて、この人は結構不幸かもしれないです。けどまあ、終わりよければ全て良し…かな?

・ラグ・ウラロ 「ジロンの馬鹿…」
 盗賊団「サンドラット」のリーダー。男勝りの性格なんですが、意外と女らしい面も持ち合わせており、何処か惚れっぽいところもありました。エルチとはジロンを巡って恋のライバルで、顔を合わせば喧嘩ばかりしてました…って、この設定ありえねえw

・チル 「あじゃぱ」
 この作品におけるマスコットキャラ。チビっ子ですが、ウォーカーギャリアのサブパイロットを務めるなど戦闘面でも大活躍でした。ジロン曰く、将来はいい女になるそうです。

・ファットマン・ビッグ 「エルチ〜」
 熱い男です。主人であるエルチに対して、並々ならぬ忠誠心を注いでおり、洗脳された彼女を何とか救おうとしていた姿はとても良かったです。最終話でエルチを救うためにかましたタックルにも感動しました。ああ…人間がウォーカーマシンを吹っ飛ばせるかよ!って突っ込みはもちろん無しで(笑)。ちなみに、言葉をあまり話せないようで、その分体の動きで何かと魅せてくれました。まあ、声優さんがティンプと同じ(銀河万丈)ですから、あまり長セリフを喋られても違和感あったでしょうけどね。

・キッド・ホーラ 「俺、恋をしてしまったのかなぁ」
 元々はエルチのところで雇われていたブレーカー。しかし、野心を持ったばっかりに転落人生へと歩みます。その後、イノセントに雇われて、アイアンギアーの前に敵として幾度も現れますが、いまいちパッとしませんでしたね。最終回も活躍出来ずに嘆いてましたしw ちなみに、エルチに恋をしているようです。

・ティンプ・シャローン 「あのどまんじゅうめ!」
 ジロンの親を殺したブレーカー。ジロンが3日の掟を破っているため、しつこく追い回されてます。こいつ自身は凄腕の殺し屋なんですけど、何処かお間抜けな印象があるんですよね。まあ、作品自体のコミカル補正が掛かっているからなんでしょうけど。後半はキッドと同じように、イノセントの手先となってアイアンギアーの前に現れます。

・アーサー・ランク 「どうもシビリアンのお嬢さん方は…率直で」
 イノセントのリーダー。アイアンギアーの女性陣が、思わず一目惚れしちゃうくらい美形です。元々、イノセントとは地球再生計画を実行する立場であり、ジロンたち新人類「シビリアン」を導く存在でした。アーサーはその正しいイノセントの筆頭なのですが、カシムとかいう小者がそれを良しとせず、裏で色々と画策してるんですね。ちなみに、劇場版ではこの人の扱いがエライことに…(汗)

・カシム・キング 「なんでわしに向かって落ちてくるんだー」
 イノセントの長老。己の権力を維持するため、リーダーであるアーサーすら亡き者にしようと企ててます。けど、何処か小者臭が漂ってんだよな、こいつ。最後も小者にお似合いの情けない感じでしたしw



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