絶園のテンペスト
2012年 全24話


評価 70点

作品解説

 絶園のテンペスト 1(完全生産限定版) [Blu-ray]
アニプレックス (2013-01-23)
売り上げランキング: 3,839

ある日、魔法使いの姫君が樽に詰められ置き去りにされた。ある日、ひとりの少女が唐突に殺され、犯人が捕まらず時がすぎた。そしてある日、復讐と魔法をめぐる、時間と時空を越えた戦いが始まった!


ストーリー、構成等、決して出来が良いとは言い切れないのですが、何故かそれなりに楽しめてしまった不思議な作品。
この作品のジャンルは何かと問われれば、正直私は答えに迷います。基本的にはセカイ系であると思っていますが、その中で主人公達は中二バトルをしたり、ミステリーをやったり、ラブコメをやったりと、その時々によってまったく異なることをやってるんですよね。当然、そんなことをやっていたら支離滅裂になっていくんですが、そんなマイナス点を超越するほどに登場人物が魅力を発揮し(一部キャラ崩壊もしてw)、視聴者を楽しませてくれるものだから、そちらに気を取られて構成上のグダグダ感はあまり気にならなかったんですよね。
例を挙げると、ラスボス臭の漂っていた左門さんが途中キャラ崩壊し、ぐにゃあ空間(笑)で顔芸をし始めるとことかクソ面白いwww その辺は中二バトルから急にミステリー調の推理展開に変わり、話の進みが遅くて少しダラダラもしていたのですが、この左門さんの面白リアクションだけで毎回見る価値がありましたねw
あとは、世界の命運が掛かった大事な局面で「誰が愛花の彼氏だったか?」という問答を真剣に話しているところとかも面白かったです。いや、今そんな事どうでもいいだろと突っ込みたかったのですが、吉野と真広…二人の主人公はどちらも愛花ちゃん大好きっ子であり、世界の命運よりもそちらの方が優先されるみたいで十分に会話が成立するのですw
この愛花という少女ですが、物語のキーパーソンとして非常に重要な役割を果たしていました。彼女は既に故人であり、登場は回想のみです。しかし、作中では「誰が愛花を殺したか?」というところが大きな謎になっており、吉野と真広二人の行動に大きな影響を与えていました。話の毛色そのものは先述したようにちょくちょく変わっていましたが、一貫してここが重要ポイントとして描かれていた点は良かったですね。
ちなみに、2クール目になるとさらに毛色が変わり、まるで別作品のようになります。ラブコメ色が強くなり、さらに変身ヒーローが戦うようになります。何を言っているのか分からないと思いますが、私も何をされたのか分かりませんでした。頭がどうにかなりそうでした…催眠術とかそんなチャチなものじゃあ断じてない、もっと恐ろしいものの片鱗を味わいましたね。
まあ、途中訳の分からないところもありますが、最終的にはそれなりにまとまっているようにも見える(?)し、ネタ的にも十分楽しめますし、とりあえず良しとしときましょう!w



主な登場人物と名言(?)

・滝川 吉野 「一体、死んだ彼女の為に何が出来るんでしょうね」
 ごく普通の男子高校生。しかし、友人の真広に巻き込まれ、世界を救う手助けをすることになります。暴走気味の真広のストッパー役となることが多いですが、覚悟を決めた時は非情な手段を取ることも辞さない強さを持っています。愛花の生前、真広には内緒で彼女と付き合っていました。

・不破 真広 「俺が世界を救ってやるよ」
 義理の妹・愛花を殺した犯人に復讐するため、葉風と契約し魔法の力を得た少年。俺が世界を救ってやるとか、大胆で自信過剰な言動が目立ちますが、彼なら本当にやり遂げてしまうような期待感を持たせてくれます。妹・愛花については、特別な感情を抱いていたようにも見えますが…

・鎖部 葉風 「パンツ一丁でも私は手強いぞ」
 はじまりの樹の姫宮にして、鎖部一族歴代最強の魔法使い。意見の対立があった同族の左門の罠にかかり、樽詰めにされて魔法の使えない無人島に置き去りにされます。しかし、彼女が流した瓶詰めのメッセージを偶然真広が拾ったことで、二人は契約を交わすことになります。

・不破 愛花 「あなたが悪いんです。全てはあなたの罪…」
 吉野の恋人で、真広の義妹。しかし、何者かによって殺されてしまいます。どうやら、鎖部一族の中に彼女の死に関係している者がいるようですが…

・エヴァンジェリン山本 「無職の28歳。怪しいものじゃないから」
 自称・無職の28歳…めっちゃ怪しいですw 政府関係者に知り合いがいるようで、魔法使いや絶望病について調査をしているようです。

・鎖部 左門 「まて、まて、まて、まてえええい!」
 葉風なき現在、鎖部一族を実質的に指揮している魔法使い。超堅実家なんですが一度崩れだすと意外に脆く、ぐにゃあ空間の中でものすご焦ってる印象しかありません(笑)。この人は何処まで私を笑わせてくれるのか…www

・羽村 めぐむ 「世界を救ったら、僕にも将来性出てくるかな?」
 工事現場で働くフリーターの青年。最近、彼女にも振られたらしいです。しかし、彼には特殊な力があり、自らを「絶園の魔法使い」と呼ぶのでした。



[ランキングへ戻る]

[HOME]

ブログパーツ
inserted by FC2 system