咲 -Saki- 阿知賀編 episode of side-A
2012年 全12話(+4話)


評価 60点

作品解説

 咲-Saki-阿知賀編 1 (特典付き初回生産仕様) [Blu-ray]
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幼馴染の和が全国中学生麻雀大会で優勝する姿をTVで見た高鴨穏乃は、また和と麻雀を打ちたいという思いを胸に阿知賀女子学院へ入学するのだった。


咲-Saki-の外伝作品。本編の方で全国大会出場を決めた清澄高校麻雀部…彼女らの戦いはBブロックで繰り広げられるわけなんですが、その反対側Aブロックでの熱い戦いをこちらでは見せてくれます。主人公は和の幼馴染であり、和ともう一度麻雀を打ちたいという思いから全国大会を目指します。
この作品、まあそれなりに面白かったんですけど、物語構成のバランスが非常に悪い!そこが気になりましたね。本編では全国大会出場を決めるまでに19話掛かっているのですが、こちらはまるで総集編でも見せられているかの如く呆気なく全国大会出場を決めます。正直、このスピード展開には驚かされました。麻雀部の部員集めから始まった作品で、まさかたったの3話で全国大会出場を決めてしまうとは思ってもみませんでした。てっきり、全国大会出場までの波乱万丈を描く物語だと考えていましたからね。
でまあ、麻雀描写なんてほぼ皆無のまま、このハイペースは全国大会に進んでからも続きます。もしかして、清澄と戦う決勝までやるつもりなのか!?とも思いましたが、唐突にこのハイペースに急ブレーキが掛かることになります。それは準決勝先鋒戦…本編でもラスボス扱いされている咲の姉・照が登場したところで流れが変わります。
本編でもまだ登場していない照ですが、なんと先に外伝で登場しちゃいました。そして、ここでその圧倒的な力を見せ付けてくれるのです。この戦いだけは麻雀描写も本気で、これまでのハイスピード展開からは考えられない1試合に4話という長尺が使われました。つまり、全体の3分の1がこの先鋒戦だけに費やされているんですよね。しかも、この先鋒戦がクライマックスであり、試合の終了と共にこの作品も最終回を迎えました(後日、ネット配信で残りの試合もするようですが…)
ということで、この作品で印象に残っているキャラというのは、当然この先鋒戦に登場した4人になります。しかし、主人公チームの先鋒だけはこの試合で活躍しておらず、ほぼ空気なんですよね(汗)。その代わり、残りチームの選手がかなり魅力的に描かれていました。照の圧倒的強さの前に絶望感すら漂う試合になっているのですが、千里山・怜は己の持てる力を全て発揮して照に立ち向かい、新道寺・すばら先輩も自分に課せられた役割を全うします。そんな光景を見ていると、一体誰が主人公なんだよ!って感じになっているんですよね。実際、巷でも“咲-Saki-千里山編”なんて言われていましたしw
正直、一つの物語として見た時にこの作品は到底褒められたものでは無いと思います。物語の進め方は雑だし、主人公チームは活躍してないし、途中で終わっているし(後日、ネット配信で完結しました)。ほんと、準決勝先鋒戦を見せたいだけの作品に思えます、ただ、その一戦だけは確かに面白いので、評価は悩みましたね。
あとは、この外伝をやったことでBブロックのチームに対し愛着が持てたので、本編(Aブロック)の勝者と当たる決勝戦がさらに盛り上がるというのは間違いないでしょう。照率いる白糸台が決勝に上がってくるのは確実として、もう一枠は阿知賀なのか?それとも千里山なのか!?…続きが気になります。


追記(14話〜16話)

とりあえず、残りの話で阿知賀メンバー全員の能力が判明したので良かったです。穏乃もラストでちゃんと活躍して主人公らしい見せ場もありましたしね。
それにしても、次鋒戦以降はまさかの展開で、こういう結末になるとは思っていなかったです。というのも、この団体戦の方式…点数をチームで共有して大将までそれを引き継いでいくというのが影響しているでしょう。この方式だと、途中の戦いの経過とか無視して、最後の決勝戦の結果だけでどうとでもなりますからね。各々が勝ち星を稼いでいかなければならない普通の団体戦では出来ないような逆転劇も可能というわけです。
さて、ともかく阿知賀編はこれで完結し、次は本編(Bブロック)の戦いとなります。そこで勝ち上がった2校が阿知賀編の上位2校と決勝で戦うことになるので、阿知賀編を見たことによって全国編・決勝はさらに盛り上がることでしょう。楽しみにしています。

※以降、ネタバレ含むので反転して見てください。

マジかよ…阿知賀が白糸台に勝っちゃったよ…
照率いる白糸台は本編の方のラスボスだと思ってたんですが、まさか阿知賀が先にあいつら倒しちゃってラスボスの座を奪い取るとは…。まあ、穏乃の能力は咲にとっても天敵なので、確かに苦戦する敵になるでしょうけど…ほんとマジかよ!?
つか、白糸台は照以外弱すぎ。初戦で照があれだけぶっちぎって点数稼いでいたのに、何で追い抜かれてるんだ?信じられん!まあ、次鋒〜副将のモブみたいな奴らはまだ良しとしましょう。けど、白糸台の大将・大星淡さん!あなたは天江衣クラスの強敵として描かれていたはず。それがなんで初登場で負けてんだよ…只の穏乃のかませ犬じゃん(汗)
ということで、本編ラスボスと思っていた白糸台が外伝で負けちゃったので、少々私はげんなりしました。ただ、見方を変えれば決勝戦は本編主人公の清澄と外伝主人公の阿知賀が戦うという燃える展開でもあるわけなんですが、どうも阿知賀のような実績も無いところがトントン拍子にここまできたのが気に食わないところもあるんですよね。展開早いせいで何かあっさりしすぎているように見えるので…(汗)




主な登場人物と名言(?)

園城寺 怜(おんじょうじ とき) 「ここから先は皆がくれた一巡先や」
 咲-Saki-千里山編の主人公w 全国ランキング2位を誇る強豪・千里山のエースであり、2回戦では阿知賀を圧倒する力を見せ付けます。しかし、準決勝で戦うことになった最強の敵・照との試合では、一巡先を見る能力も通じずボロボロにされます。己の限界を超える2巡先を見ても照に届かず、彼女が取った行動は…!?

・高鴨 穏乃(たかかも しずの) 「今朝よりも、今この時の方が強い!」
 阿知賀の大将。で、こっちが多分本当の主人公w 元気はいいんで目立ちますけど、個人の掘り下げがイマイチ薄いのであまり愛着がありません(汗)。麻雀にしても取り分け強いわけでもなく、今のところは特別な能力も持っていないように見えますが…。

・新子 憧(あたらし あこ) 「あとはあたしらが、取り返せばいいだけだ!」
 阿知賀の中堅。中学校時代は穏乃と別の学校に通っていましたが、昔の仲間と共に全国大会を目指すため、進路を変えて阿知賀へ入学します。この子も特別な能力は持っていないようですけど、地味に強いみたいですね。

・松実 玄(まつみ くろ) 「帰ってこなくても、私は待ってる!」
 阿知賀の先鋒。先鋒には各校エースが出てくるという伝統があるようで、そのためこの子は化物クラスの相手と当たることが多く、フルボッコにされている印象が強いですw まあ、特殊能力持ち(ドラが集まってくる)であり、登場機会も多かったので(活躍はしていませんがw)、阿知賀の中では一番印象に残っているキャラですね。

・松実 宥(まつみ ゆう) 「温かいのいっぱい」
 阿知賀の次鋒。玄ちゃんのお姉ちゃんであり、彼女も特別な牌を引き寄せる能力を持っています(温かい色の牌が集まってくる)。極度の寒がりであり、真夏でもマフラーと手袋を身につけるというスタイルらしいのですが…そりゃあ苛められるだろうなw

・鷺森 灼(さぎもり あらた) 「自分自身を見捨ててない」
 阿知賀の副将。何か能力を持っているっぽいのですが…結局明かされていません(汗)。もうこの時点で、この作品がどれだけ主人公チームの掘り下げをしていないかを顕著に表していますね。まあ、準決勝のこの後の試合で何か明かされるのでしょう(…多分)

花田 煌(はなだ きらめ) 「捨て駒、任されましたぁ!」
 新道寺の先鋒。Bブロックの準決勝で登場したポッと出のキャラなんですが、ぶっちゃけこの作品で一番魅力を感じました。なんだろう…一言で言うならかっこいい!照との戦いで玄ちゃんとか常に涙目で戦意喪失しているのに、何故こいつは戦える?こいつこそすばらです!

宮永 照(みやなが てる) 「応援、よろしくお願いいたします」
 咲の姉でありラスボス。序盤は相手の能力を見抜くことに力を使い、それが完了すると打点がどんどん高くなる連続和了で相手に反撃の隙を与えません。順当に決勝まで行けば、こいつとタコスが当たることになるのか?どう考えてもタコスフルボッコだろ…w



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