涼宮ハルヒの憂鬱
2006年 全14話


評価 70点

作品解説


高校に入学したキョン(本名不詳)は、涼宮ハルヒという変わった女子と知り合います。そして彼は、ハルヒの作るSOS団(世界を 大いに盛り上げるための 涼宮ハルヒの団)に否応無しに巻き込まれるのでした。


相当人気ありましたね〜このアニメ。
確かにクオリティの高い作品であり、作画レベルで魅せる演出が出来ていたところは評価できます。まあ、その極致が言わずとしれたEDのダンス…あの動きは芸術でした。まさに京都アニメーションさんならではの職人技ですよ。内容云々以前に、これら演出面で話題性を勝ち取ったのは上手いと思いますね。作画については、細かいところまでスタッフさんの意気込みを感じるところが多く、大変よかったと思います。
しかし、気になるところもあります。この作品はTVのオンエアで、各エピソードを時間軸の順番バラバラで放送しました。いわゆる、「憂鬱シリーズ」と呼ばれる最も盛り上がれるエピソード群を全体に散りばめて、その流れで終わらすことによって視聴者のテンションを最後まで維持しようという試みなんでしょう。(ぶっちゃけ、ここ以外にラストを締めくくれるような、盛り上がれるエピソードが無かったってことなんでしょうけど…汗)
ただ、こういう構成はやっぱり奇策であって、必ずしも良い方向にだけ作用するものではないような気がします。時系列の順序バラバラだと、ストーリーが断片的になるので整理しないと流れが掴みにくかったですし、キャラクターの感情の変化も分かりづらかったです。
というわけで、この作品はもう一度時間軸どおりにキチンと見てみたいですね。それにより、また新たに見えてくるものもあると思いますし…幸い、製作者サイドがと〜っても気を利かせてくれていて、DVD版は正しい時間軸どおりに話が収録されてるらしいです。ですから、しばらく時間を置いてからこちらを見てみましょう。
ほんと素晴らしいスタッフですよね…こんなあこぎな商売するなんて!w
おそらく、一度TVで見た人でも、私のように今度は時間軸どおりに見てみたいと思ってしまう人も多いでしょう。つまり、これはその視聴者心理を突いた極悪のマーケティング手法なんです。そういうことからも、DVDの売り上げは結構いいだろうな〜
何だかんだ言いましたが、結局は商業的にも成功を収めるであろう製作者サイドの勝ちってことですな。作品の内容自体は、それほど目を見張るものがあるってわけでもないのに、キャラクターの魅力と演出面の話題性を上手く用いて、ここまでヒットさせたスタッフさんに拍手!
ちなみに、2009年に涼宮ハルヒの憂鬱・新アニメーションと称して、この再放送+新作を改めて放送しましたが…


〜おまけ「各エピソードの順序」〜

エピソード名 TV放映順 時系列順
朝比奈ミクルの冒険 1話 11話
涼宮ハルヒの憂鬱T 2話 1話
涼宮ハルヒの憂鬱U 3話 2話
涼宮ハルヒの退屈 4話 7話
涼宮ハルヒの憂鬱V 5話 3話
孤島症候群(前編) 6話 9話
ミステリックサイン 7話 8話
孤島症候群(後編) 8話 10話
サムデイ イン ザ レイン 9話 14話
涼宮ハルヒの憂鬱W 10話 4話
射手座の日 11話 13話
ライブ ア ライブ 12話 12話
涼宮ハルヒの憂鬱X 13話 5話
涼宮ハルヒの憂鬱Y 14話 6話



主な登場人物と名言(?)

・キョン 「よーするに、俺の意見なんてどーでもいいんだなぁ…お前は」
 こいつが主人公なんですね。タイトルから、てっきり涼宮ハルヒが主人公なのかと思ってましたよ。彼の役割は、何処か理屈っぽい口調で物語を解説してくれる語り部的な存在。暴挙に走るハルヒのストッパー兼突っ込みとしての役割も担っていますが、それで彼女の暴走が止まるはずも無くいつも振り回されてます。ちなみに、キョンはあだ名であって本名は不明。実の妹にさえキョン呼ばわりされてました。

・涼宮 ハルヒ 「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしの所に来なさい。以上」
 奇天烈奇怪な行動を取る奇人ちゃん…冷静に見ればイタイ子です(笑)。宇宙人か未来人か超能力者にしか興味がありません。ゆえに、かなりかわいいルックスなのですが、クラスメイトの皆は一歩引いちゃってます。何でも器用にこなすスーパーユーティリティープレイヤーらしいので、その能力をもっとまともなことに使ったら…ってそれじゃあ涼宮ハルヒの涼宮ハルヒたるゆえんでなくなっちゃいますね。実は、このハルヒには大きな秘密があり、彼女が憂鬱状態に陥るとえらいことが起きるのでした。

・長門 有希 「通俗的な用語を使用すると、宇宙人に該当する存在」
 元文芸部員。ですが、いつの間にか部室ごとハルヒの部活に吸収されていました。一見、物静かな少女…しかしその実体は、ハルヒの求める宇宙人です。基本的には喋りません。けど、存在感はすげーあって、毎回とってもいい仕事してます。一つ一つの何気ない動作にこそ、彼女の魅力が秘められていますね。個人的には一番好きなキャラです。

・朝比奈 みくる 「禁則事項です」
 萌え要素が必要というよく分からない理由からハルヒに拉致られてきた2年生。ハルヒ曰く、ロリ顔で巨乳は重要な要素の一つだそうです。いつもハルヒにいいようにおもちゃにされて泣きをみている彼女ですが、その実体はハルヒの求める未来人です。SOS団のメイド係として、ハルヒに悩まされるキョンに安らぎを提供してくれます。けどなんか、段々扱いが雑になっていった気が…長門なんかと比べると、特にそう感じましたね。

・古泉 一樹 「どうもすみません。我々、少しばかり非常識な存在なんですよ」
 途中転校してきたという理由で連れて来られたイケメン風の男子生徒。その実体は…ってもう残った超能力者しかないですね。彼については、部室でキョンと様々な遊戯をしている姿が一番印象に残ってます。こいつらは、相当マニアックな遊びをやってましたね〜



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