ラーゼフォン
2002年 全26話


評価 85点

作品解説

 ラーゼフォン Blu-ray BOX
メディアファクトリー (2011-02-23)
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神名綾人は、クラスメイトの美嶋玲香に誘われるようにして、ラーゼフォンという巨大なロボットに出会う。そして、ラーゼフォンと共にこれまで世界の全てだと思っていた東京の外へ出るのだった。


世間ではエヴァの類似品なんて呼ばれているこの作品、さすがにそれらしく難解シナリオです。
けれど、これはただ難解なだけではなく、ちゃんとストーリーを楽しませてくれるので、そこは評価しても良いと思いますね。エヴァに比べ、恋愛要素が強く出ている点などは見易くなっているのかな?よく言われているのが、第19話「ブルーフレンド」…悲しい恋の物語を描いたエピソードであり、ラーゼフォン嫌いな人でもこの回だけは「神回」と認めるほど良い出来になってます。
また、伏線回収なども意外ときっちりされており、投げっ放しになってる部分ってそんなに無いんですよね。特に各キャラの関係性…実は伏線張りまくりで、一つ一つ紐解いていくと複雑極まりないものなんで、何気にビックリさせられますよ。まあ、各キャラの背景があまり深いところまで描かれているわけではないので、アニメだけでは分かりづらいところも多々あるというのは否定できませんけどね。
というわけで、この先のキャラ紹介では反転ネタバレ付で解説したいと思います。一見、何の関係も無いような人物同士が実は…ってパターンがこの作品非常に多いですから。
あと、この作品はPS2で蒼穹幻想曲というゲームが発売されているのですが、アニメスタッフも協力しているらしくかなりいい出来でした。マルチストーリーで、原作ではありえなかった様々な可能性が用意されており、中には原作ストーリーよりもよく出来ているんじゃないの?と感じたシナリオもありましたので、ファンの方で未プレイならばぜひともやってほしいです。原作では明かされなかった事も色々描かれていますので、間違いなく楽しめると思いますよ。つーか、このゲームやると原作ストーリーがバッドエンド臭く感じられますw

ちなみに、劇場版(多元変奏曲)の方は根本は同じですが、TV版よりも分かり易く再構成されていたように思います。そして、ラブストーリーって印象を強く受けるものとなっていましたね。これはこれでなかなかいい感じでしたよ。



主な登場人物と名言(?)

〜反転(Ctrl+A)でネタバレ情報が見れます〜

・神名 綾人 「悪いけど、俺、年上に興味ないんだ」
 悩める主人公。突如現れたラーゼフォンと共に東京ジュピターの外に出て、真の世界を知ります。その後、TERRAに所属し、謎の敵ムーリアンと戦うことになります。以下ネタバレ
久遠と亘理の遺伝子情報から生み出された人工のオリン(奏者)。17歳の時のみ、世界の調律を行う資格が得られる。双子の弟である樹と年齢差があるのは、綾人が時間の流れの遅い東京ジュピター内で過ごしていたためである。そのため、昔の恋人の紫東遥(美嶋遥)とも12歳の年齢差が開き、さらにムーリアン化が進むことで記憶に障害が出ているので、彼女がかつての恋人だったということを思い出せないでいる。ラストでは、ラーゼフォンと融合し、真聖ラーゼフォン(アヤト)として世界を調律する。


・美嶋 玲香 「歌いなさいラーゼフォン。お前の歌を、禁じられた歌を
 綾人のクラスメイト?何処か不思議な感じのする少女で、ラーゼフォンの目覚めにも立ち会います。この物語のキーパーソンって感じですね。以下ネタバレ
イシュトリと呼ばれるラーゼフォンの『心』のような存在です。奏者オリンが彼女(彼)を受け入れることで、世界の調律への道が開かれる。彼女が少女のような外見をしていたのは、綾人の心の奥底にあった美嶋遥の姿を投影していたためだと思われます。

・紫東 遥 「女に恥かかせちゃ駄目よ
 TERRA司令部に所属する女性。綾人のことが何やら気になっているように見えますが…以下ネタバレ
旧姓、美嶋遥。かつては東京に住んでおり、中学時代は綾人の恋人であった。東京ジュピター化後も彼のことが忘れられず、大学時代に彼と同じにおいを持つ樹と付き合うが、結局上手くはいかなかった。初恋をいつまでも大切にしているかわいらしい女性です。

・如月 久遠 「らら?
 樹の妹。ちょっと電波系(笑)入ってる変わった子です。お腹に何か紋章のようなアザがあります。以下ネタバレ
樹の妹ということになっているが、実際は遺伝子上の母親。双子の妹の麻弥と共に、別世界からこちらへとやってきた最初のムーリアン。オリジナルの奏者であり、彼女もオリンとしての資格を持っている。黒き卵から彼女のラーゼフォン(ベルゼフォン)が生まれ、そのイシュトリは綾人の姿をしていた。世界を調律するためラーゼフォンと融合し、真聖ラーゼフォン(クオン)として、真聖ラーゼフォン(アヤト)と戦う。ちなみに彼女が、樹や麻弥より若いのはずっと眠っていたためだと思われるが、それで17歳の資格を失わないのだろうか…?

・如月 樹 「やっと…青い鳥を見つけたよ」
 ニライカナイのネリヤ神殿でラーゼフォンの研究を行っている博士。以下ネタバレ
実は綾人と共に生み出された人工の奏者(綾人の双子の弟)である。しかし、現在の彼には奏者としての資格がない。かつての恋人の遥も結局は綾人を忘れることが出来ず、自分にないものを持つ綾人に嫉妬を覚えている。助手の七森小夜子から好意(実はそうプログラムされていたらしい)を寄せられているが、それに答える気はないようだ。

・神名 麻弥 「殺しますよ
 綾人の母親であり、ムーリアンの指導者です。青い血が印象的でした。以下ネタバレ
久遠の双子の妹。実際は綾人の本当の母親ではありません。綾人が覚醒した時に、余計なことで苦しまないよう彼の昔の記憶を奪おうとしてます。彼女なりに綾人のことを愛していたようですね。


・紫東 恵 「大切なものを無くしたからってあきらめないで」
 遥の義理の妹。恵タンとってもいい子なんですが、恋愛運は悪く、作中では何度か失恋をしちゃいました。しかし、この経験が彼女を強くしたと思います。ガンバレ恵タン!

・朝比奈 浩子 「神名君、私言わなきゃいけないことがあって…
 綾人の東京の女友達。綾人に好意を抱いており、綾人も彼女を守るために戦うことを決意するのですが…以下ネタバレ
彼女は徐々にムーリアン化していき、何も知らない綾人に敵として倒されることになります。まあ、戦闘終了直後にその敵が朝比奈だったと綾人も気付くのですが、その時にはすでに彼女は息を引き取っています。この辺かなりいいエピソードでした。


・鳥飼 守 「嘘だ…俺は認めないぞ!
 綾人の東京の友達。朝比奈に気があるようです。以下ネタバレ
彼は完全なムーリアンです。朝比奈のことが好きだったらしく、彼女を殺した綾人に敵意剥き出しで挑んできます。


・六道 翔吾 「まぁ…親戚の家に遊びに来たつもりで気楽にやってくれ
 ニライカナイにやってきた綾人を引き取ったおじさん。ちなみに、この人の家には遥や恵タンも一緒に住んでます。い〜いシチュエーションだね〜綾人君。まるでギャルゲーの主人公のようだw以下ネタバレ
実は、麻弥を育てた彼女の義理の父ともいうべき存在で、綾人にとってはおじいさんにあたります。実の家族と呼べる人なんですが、綾人はそのことを知らずに、共に過ごすことになります。


・一色 真 「俺を…Dと呼ぶな…
 通称「白ヘビ」。野心を抱いていますが、小者臭が漂っているので成り上がるのは無理でしょうねw以下ネタバレ
彼の正体はバーベムによって作られた量産型の人工奏者。情緒不安定なところがあり、しばしば壊れてました。ちなみに「D」とは、デザイナーズチルドレンのD、ドーレムのD、出来損ないのDのことだそうです。


・エルンスト・フォン・バーベム 「私はただ行きつく先を見てみたいだけなのだよ
 バーベム財団の当主です。かなり胡散臭いジジイですね。その怪しさといったら、ゼーレくらいのレベルはありますよ(笑)以下ネタバレ
ラーゼフォンシステムを作り出したムーリアン。己のシステムが世界を調律することで、神になった気分を味わおうとしている自己満足野郎です。次々と別の体に意識だけを写すことで、何万年と生きてきました。後半でエレナに意識を移し、彼女に成り代わります。



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