るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 追憶編
1999年 全4話


評価 80点

作品解説


世を変えるため、維新側に身を投じて人斬りを行う剣心。だが、人斬りの瞬間を巴という女性に見られてしまうのだった。


このOVAの位置関係はというと、「るろうに剣心」という作品における始まりのエピソードってところでしょうか。主人公・剣心の過去の物語となっています。
感想ですが、悲しい物語だなぁ…という印象を持ちましたね。このエピソードは暗くて重い!TV版を陽とするならこちらは陰…シリアスな演出と相まって、視聴対象年齢もグッと上がったような気がします。もはや子供が楽しむ少年漫画というより、大人が引き込まれてしまうような作品になってますね。私は原作も知っているのですが、見せ方次第で「るろうに剣心」がこんな大人向けにもなるんだって感心させられましたよ。
演出面では、TV版に比べて人の死に様が妙にリアルだなぁ〜というのを感じました。これはOVAだからこそ出来ることでしょうね…人斬りシーンをほんと生々しく描いていました。このことによって、作品自体の雰囲気が何処か物々しく殺伐としたものになっていたように感じます。まあ、話の内容的にもこういう雰囲気を出していくのは正しいことで、何だか凄く見入っちゃいましたね。
ただ、そういう殺伐とした中にも、のどかな日常描写なんてのもあって、緩急が上手くつけられていたと思います。クオリティは結構高い作品に仕上がっていますよ。
原作やTV版とは大きく異なる雰囲気に仕上がってますが、個人的には大成功の試みだったと思います。子供の頃、るろ剣を見ていた世代で未見の人は、大人になった今だからこそ敢えてこのOVAを見てもらいたいですね。多分、想像とは一味違った、なかなか興味深い出来になっていると思いますから。



主な登場人物と名言(?)

・緋村 剣心 「自分は人斬り。それ以外に役に立てるすべを持ちません」
 このエピソードの剣心は暗い!まさに人斬り抜刀斎ですよ。今回、剣心の特徴である十字傷をつけた二人の人物が明らかになります。作中では、恨みを持って死んだ者がつけた傷は消えないと言われていましたが…

・雪代 巴 「あなたは、本当に降らせるのですね…血の雨を」
 剣心の人斬りを目撃した女性。その後、剣心の妻(仮の)として一緒に暮らすことになります。詳しい経歴は不明で、自分の感情もあまり表には出さない謎の多い女性です。

・飯塚 「浮世のことは所詮博打ってね」
 長州派維新志士として、剣心達と行動を共にする武士。しかし、その裏で実は…。ちなみに、維新派の人斬りとなったCCOの最初の犠牲者ですw

・桂 小五郎 「ならばその力、俺に貸して欲しい」
 長州派維新志士のリーダー。奇兵隊に入隊した剣心を見出し、人斬りに任命した人物です。ただ、その後の剣心のことも色々と気にかけていたようで、面倒見は結構よさそうな感じでした。

・雪代 縁 「あいつさえ…あいつさえいなくなれば」
 巴の弟。まあ、目立った活躍はしてませんが、一応この超シスコン坊やも出てきてました。そういや、縁編はTVでもやってないんだよなあ…こいつが映像化されたのは今回が初なんだよね。



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