ラストエグザイル-銀翼のファム-
2011年 全24話


評価 50点

作品解説


空賊の少女ファムとジゼルは、アデス連邦とトゥラン王国との大艦隊戦を目撃する。そしてファムは、壊滅寸前のトゥラン軍に取引きを持ちかけるのだった。


ふむ…こいつは典型的な続編失敗の例でしたね。前作はあんなに面白かったのに、一体何でこうなった!?
とりあえず、自分が一番の失敗だと感じたのは主人公のキャラ設定です。主人公はレースをしたいだけの無邪気な女の子なんですが、物語の本筋は国家間の戦争というシリアスなものであり、ここでかなりギャップが生まれていました。ぶっちゃけ、主人公は物語の本筋に上手く絡めていないので、メチャメチャ浮いて見えるんですよね。いっつもグランレースグランレース言ってるだけであり、正直ウザかったです。レースがしたいのなら、戦争終わってからゆっくりやってくれ。で、今は戦争を終わらせるために、もう少し自分から何か動いてくれよ…。
ほんと、ここまで感情移入できなかった主人公も珍しいです。こいつがこの物語で何をやったか?と聞かれれば、ぶっちゃけ何もやっていない。彼女の想いは最初から最後までまったくブレていないのですが、時代の流れそのものが変わってきているんだから、己自身も少しは変わっていこうよ。いつまでもグランレース言ってるだけじゃあどうしようもないでしょ。
まあ、女主人公という点も悪かったのかなと思います。男主人公のように勇ましく戦うというのも何か違う気がしますしね。あと、前作同様メインに女性キャラの多い作品なんですが、主人公自体が女性のために恋愛模様を描くということができず、そういった面でも盛り上がりを作ることができませんでした。視点を変えれば百合があるじゃん!ということも思いましたが、そういった要素も微妙なものでしたし…w
それで、この作品の魅力についてなんですが…正直、前作キャラが出演したことが一番の魅力だったように思うんですよね。ディーオ然り、タチアナ然り…この辺のキャラが活躍したときが一番ワクワクしました。特に、前作で生死不明となったディーオが初っ端から出てきてくれたことについては、ある種感動を覚えましたね。
ということで、前作の遺産で何とか保っていたようなものなので、知らない人にはキツイかもなぁ…もう8年前の作品なので見ていない人も結構いるでしょうに。自分は途中から、いつクラウス(前作主人公)が登場するんだろうと、そこだけを楽しみに見ていましたw(なので、最後の最後で“ああいう姿”でクラウスが出てきた時は愕然としましたよ)



主な登場人物と名言(?)

・ファム・ファン・ファン 「あたし、あの船を盗む!」
 空族の少女。前半、まだ戦争が本格化してない頃は、敵の船を盗んだりしてそれなりの活躍も見せていましたが、エグザイルみたいな凶悪兵器が起動するようになってからは、いちヴァンシップ乗りが出来ることなんてほとんど無くお役御免…様々なKY発言を残した只のグランレース厨となってしまいましたw ちなみに、グランレースとはかつて世界中のヴァンシップ乗りが競ったレースのことであり、ファムはその復活を夢見ています。

・ジゼル・コレット・ヴィン 「パイロットのいく所に従うのが、ナビの勤めです
 ファムの親友でナビ。ナビとしての能力はかなり優れており、戦艦や軍備に関する豊富な知識でファムをサポートします。ただ、ラストエグザイルはパイロットとナビが一度は衝突するのが恒例なんですかね?前作のナビ・ラヴィと同様に、この子も一時的にファムと仲違いをしてナビを降りることも…。

・ミリア・イル・ヴェルク・クトレットラ・トゥラン 「誇りも意味も奪われたまま、ただ生き続けるくらいなら、戦って死にます
 トゥラン王国第二王女。国を滅ぼされ、姉のリリアーナはアデス連邦に拉致され、苦しい状況に追い込まれますが、ファム達の支援で前向きな気持ちを取り戻し、アデス連邦と戦う決意をします。

・リリアーナ・イル・グラツィオーソ・メルロー・トゥラン 「あなた達は、この空で誰よりも早く飛べる…そうでしょ?
 トゥラン王国第一王女。父親が病床のため、トゥランの実質的な統治者の立場になっています。エグザイルを起動させる力を持っているため、アデス連邦のルスキニアに拉致されます。

・ディアン
 閉鎖的な国家・グラキエスの軍に所属する少女。ファムとは違いヴァンシップは兵器という考えを持っており、相容れない部分もありましたが、次第に楽しそうに空を飛ぶファムに興味を持っていきます。ちなみに、何故かこのグラキエスという国だけ言語が異なるため、ロシア語っぽい言葉を話していましたが…正直鬱陶しいです。2次元なんだから、共通言語で喋っていいぞw

・ディーオ・エラクレア 「インメルマンターン」
 ディーオ君復活!前作の終盤で死んだかのように見えましたが、どうやら無事に生還を果たして記憶も戻っていたようです。ヴァンシップ戦、白兵戦共にかなりの凄腕であり、今作ではファム達の手助けをしてくれます。

・ルスキニア・ハーフェズ 「このどうしようもない世界を救ってくれ」
 アデス連邦の若き総統。圧倒的なカリスマの持ち主で、軍部から強い支持を受けています。エグザイルを使い、各地で冷徹な侵略行動を取っていますが、その裏にはある真意が…



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