無限のリヴァイアス
1999年 全26話


評価 85点

作品解説

 EMOTION the Best 無限のリヴァイアス DVD-BOX
バンダイビジュアル (2009-11-25)
売り上げランキング: 1030

ある日、航宙士養成用の人工衛星リーベ・デルタが、制御を失うという事件が発生する。訓練を受けていた487名の少年少女たちは、リーベ・デルタに隠されていた謎の巨大航宙艦「リヴァイアス」に乗り込み、サバイバル生活を送りながら、救助が来るのを待ち続ける。


なんとも、凄まじい作品でした。
リヴァイアスという閉鎖空間に閉じ込められた中で、救援の代わりに次々と現れる謎の敵を撃破しつつ、出口の見えない旅路へと赴く学生達。もちろん、そんな緊迫した危機的状況の中なので、時間が経つにつれてどんどん生徒達は壊れていき、後半は人間の醜い部分、黒い部分が存分に垣間見えることになります。妬み、裏切り、憎悪…う〜ん、ゾクゾクしますね(笑)
登場人物も大変多くなっているのですが、彼ら全ての心の機微がしっかりと描かれており、その人間関係がどんどん変化していく様が非常に面白い!自分を護るため、大切な人を護るために、生々しいまでの剥き出しの感情が縦横無尽に飛び交っちゃいます。
こういう作品こそ、ドラマCDやら、小説やらで、それぞれのキャラのエピソードをどんどん補完していったらおもしろいと思うんですけどね。彼らの過去に一体どういうことが起きたのか?また、これから先どういうことが起こるのか?とても気になるところです。一応、ファンディスクで過去の事件について軽く触れていますが、まだまだあの程度じゃあ満足は出来ませんよ。
まあ、裏で画策されている陰謀系の話は少しとっつきにくいかもしれませんが、紛れも無くこの作品は名作ですので、大変オススメできるものとなっています。
ただ、何気なくのほほんとした気分で見ていたら大ダメージを受けかねないのでご注意を…。後半はずっと陰鬱とした雰囲気ですし、ぶっちゃけると痛いところがあります。鬱耐性が無いとかなり凹みますよ。



主な登場人物と名言(?)

・相葉 昴治 「例え傷ついても…俺は、誰かを傷つけたくなんかないんだ」
 一応主人公ですが、こんなに情けない奴は初めてです。彼の役割といえば、弟の祐希にタコ殴りにされるくらいですよ、まったく…。結局最後まで、男を見せたのか、どうなのかよく分からん奴でしたよ。要領がよく、誰とでもそれなりに仲良くなれるのが特技らしいですが、これって只の八方美人ってことなんじゃあ…?

・相葉 祐希 「あんたじゃ駄目なんだ…駄目じゃなきゃいけないんだよ」
 成績ナンバー1にして、ヴァイタルガーダーのメインパイロット。しかし、人付き合いは煩わしく思っているようで、孤高の少年って感じでしたね。過去に兄の昴治と何かあったらしく、相当に気まずい関係のようで、会えば兄貴をボコボコにしちゃってます(これは、ボコられる兄貴の方が問題ですね)。喧嘩っぱやくてエアーズ・ブルー相手にも突っかかっていきますが、こちらは返り討ちにあっていました。彼女っぽい女性はいるのですが、どうもあおいに対して特別な感情を抱いているご様子。

・尾瀬 イクミ 「過ちを犯すな!もめるな!争うな!なじるな!傷つけるな!普通でいろ!」
 もう、めっちゃイイ。こいつは熱すぎですよ。この作品はこいつがいなきゃ始まらない!リヴァイアスの秩序を守るため、彼が立ち上がった時は震え上がりました。ごちゃごちゃと駄々こねるだけの昴治とは違い、実際に実行に移した彼の行動力は素晴らしいと思います。でも、ちょっと思い込みが激しすぎて暴走気味なんですけど、あんな事件があった後じゃあしょうがないでしょ。彼とお姉さんの禁断エピソードが見たい〜!

・蓬仙 あおい 「友達が傷ついているのに、どうして何にも出来ないの!」
 相場兄弟の幼馴染。何気ない気持ちでやってきたリーベ・デルタで、こんな騒動に巻き込まれて凹んじゃってます。昴治もファイナのことを追っかけてばっかりで相手してくれません。

・和泉 こずえ 「私を守ってね」
 イクミのことが大好きな明るい少女。途中までは単なるお色気要員と成り下がっていたのですが、後半とてつもない事件が!!一気に物語が暗くなっちゃって、私も少しテンション下がっちゃいましたよ。しかしまあ、この事件をきっかけにイクミが熱くなるんですけどね。

・ファイナ・S・篠崎 「今を生きるためにも、邪魔な過去は断ち切るべきなのよ
 どうしても言いたいので、ネタバレしちゃいます(…オイ)。お嬢様の外見とは裏腹に、こいつの本性はめっさ黒い!!最恐の女の座はカテジナさんがぶっちぎりの独走状態だったのですが、ついにその後ろを追う者が現れた!って感じです。ほんとにこいつはヤバイよ…笑顔の裏が怖すぎです。久々に戦慄を覚えた女性キャラですね。悩める少女たちを集めて教え(宗教的な)を説き、リヴァイアス内に己の意のままに操れる軍団を作ると、自分にとって邪魔な奴を消し去ろうとしてます。ヤベ〜背筋に寒気が走るよ〜。しかし、私はそんなヤバキャラが大好きなのでした(笑)

・ユイリィ・バハナ 「あなたに居てほしいの、ここに」
 女性ながら、ツヴァイと呼ばれる学生達のリーダー的存在…成績優秀の優等生です。しかし、追い詰められた状況の中では、優等生はイマイチ力を発揮出来ないんですよね。ブルー達の無茶な意見に賛成することも、それに代わるいい意見を出すことも出来ず、いつも悩み苦しんでいます。何故かブルーに惚れちゃっていました。

・エアーズ・ブルー 「俺に命令するな」
 リヴァイアスの中に独裁者として君臨し、混乱する皆を力で押さえつけようとしていました。冷たい印象ではありますが、たしかにリーダー向きの体質であり、強く、賢く、カリスマ性を持った男です。しかし、それも長続きせず、彼の政権は崩壊して追われる立場となってしまうのでした。

・ルクスン・北条 「私には、もう失うものなんて何もないんだあっーー!!」
 バカです。自分こそが一番偉いとでも思っている大バカ野郎です。リヴァイアスの艦長気取りから、便所掃除にまで降格するというある意味おいしいキャラ。しかーし、この経験から一番成長したのは彼なのではないでしょうか?何か後半、徐々にカッコよく見えてきたんですけど…。ラストでは、やっぱり艦長はこいつしかいないって思わせてくれましたね。

・ネーヤ 「泣きたいなら、泣けばいいのに」
 リヴァイアス艦内に現れる奇妙な格好をした少女。艦内の人間の感情を直に感じているように見えますが、果たしてその正体は…!?



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