河童のクゥと夏休み
2007年 劇場版


評価 70点

作品解説


夏休み前のある日、上原康一は不思議な化石を見つける。家に帰ってそれを水で洗っていると、なんとカッパが復活するのだった。


個人的な名作である、劇場版クレヨンしんちゃん「オトナ帝国の逆襲」「戦国大合戦」の監督が作った作品ということで、見る前から相当期待してましたが…何だろう?悪いわけではないのですが、思っていたほど強烈な感動はありませんでした
カッパとある家族との触れ合いを丁寧に描いていて、全体的な雰囲気は割と良かったのですが、何か唐突に別れがやってきて「あれ、終わり?」という感じで、特に泣ける見せ場というのを見出せないまま終了してしまいました。
また、テーマとして環境問題とか虐めとかにも触れていましたが、そこにそれほど深く突っ込んでいくわけでもなく、何か中途半端な感じがしましたし…やはりこの作品は、クゥとの交流が一番になっているのは間違いないでしょう。
けど、それだったらせめて集大成でもある別れのシーンをもっと感動的に描いてほしかったです。ネタバレになるので詳しくは書きませんが、あそこはやっぱりお互いの姿を見つめ合いながらの方がグッとくるものがあるでしょう。なのに、あれでは余韻というものがね…。
まあ、そんな重々しい感じにしなかったのは、クゥが言っていたようにいつか再会する日がきっと来るはずだからなんでしょうけど、どうも心の底から込み上げてくるものが無かったんだよなぁ。個人的にこの手の作品は、別れのシーンでどれだけ盛り上げられるかが命だと思うんですよね。
タイトルにあるように、河童のクゥと過ごした一夏のエピソードという意味合いならば描写的にも十分で、何処かノスタルジックな空気にも浸れましたが、もう一押しが無くてインパクトは薄かったかな?



主な登場人物と名言(?)

・クゥ 「クゥ〜」
 水に浸かることによって、化石状態から蘇った河童。最後の記憶が武士がいる時代のものだったので、大きく様変わりして環境が変わった現代に驚いています。父親を人間に殺されていることから、人間に対して警戒心を持っていましたが、上原一家と触れ合うことによっていい人間もいるのだと理解していきます。

・上原 康一 「カッパ凄い!マジ感動」
 クゥを見つけた小学5年生。未知なる生き物に興味津々で、友人のように接して仲良くなっていきます。河童のことは皆に隠していましたが、そのことがバレると学校で虐められるようになります。子供って、異質なものやそれに繋がるものを容赦なく攻撃してくる残酷な生き物ですからね(汗)

・上原 瞳 「ねえ、今度いつくるの?」
 康一の妹。初めはクゥに対してあまりいい感情を持っておらず敵対していましたが、次第に打ち解けていって…

・上原 保雄 「今までが間違ってたんだ」
 康一の父親。彼もまた河童に対して凄く興味津々で、ある意味息子よりテンション上がっているようにも見えました。ただ、一家の大黒柱らしく、しっかりとした意見を持ってクゥのことを守ろうと考えています。

・上原 友佳里 「ムリムリムリ」
 康一の母親。クゥを家に住まわせることに反対していましたが、いつの間にかすっかり受け入れていて、色々と心配までするようになっていました。

・菊池 紗代子 「守ってあげてね」
 康一のクラスメイト。大人しい子でクラスの子達から虐めを受けているようです。ただ、康一には心を開いている様子。康一の方もあからさまに彼女を意識しているように見えましたね。

・オッサン 「人間は急に変わることがあるからな」
 康一が幼い時に拾ってきた上原家の飼い犬。クゥとは心の中で会話出来るようで、何かと頼りにされていました。



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