雲のむこう、約束の場所
2004年 劇場版
作品解説 | ||
青森に住む中学三年生の浩紀と拓也は、飛行機を自力で組立てて国境の向こうの「塔」まで飛ぶことを夢見ていた。だが、ある出来事をきっかけに彼らは飛行機作りを止めてしまうのだった。 ほしのこえに続く、新海監督作品。第一印象として、キャラ絵が大分マシになってるな〜と感じました。前回はそこが気になっていたので、キャラデザを別の人に任せてその問題点を改善したのはよかったと思います。 それでこの作品の内容なんですが、ひじょう〜に分かりにくい!いわゆる、セカイ系というジャンルに分類される話なんですが、これがまた背景やら設定面が詳しく語られていないので、なかなか物語を理解出来ません。ぶっちゃけ、素人が量子力学とか難しいジャンルに手をつけてみたものの、それらを扱いきれずにやっちゃった作品と取られてもおかしくないですね。 一応、今回もメインとなるのは男女間でのラブストーリーなんですが、そこには特殊な世界観というのが深く絡んでいるので、それらの理解がないままでは素直にラブ部分も盛り上がっていけないんです。ここが、ほしのこえとの最大の違いでした。 ほしのこえは、世界観の理解無しでも主人公達に感情移入が出来て、その心情描写を楽しむことが出来たのですが、こちらは理解が無いままだと、主人公達が今何をやっているのかさえよく分からないんですよね(汗)。当然、そんな状況だと感情移入だって無理です。もう途中からは、完全に置いてけぼりにされてしまいました。 今回のシナリオ…確かに深みは加わっているのですが、ラブストーリーを盛り上げるためにそれがいい具合に働いてるとはあまり思えませんでした。私的には、分かり易い状況の下でキャラ中心に描いていたほしのこえの方が、ラブストーリーとしてはずっと良かったように感じました。 けどまあ、なかなか理解に苦しむ内容なんですが、物語の筋としてはそんなに間違ってもいないんですよね。確かに説明不足ではありますが、展開としてはこれで正しいのだと思います。それに、新海監督ならではの雰囲気作りもしっかり出来ていますから、悪い作品では無いんですよ。それなりの良さというのもあるんです。 とりあえず、一度見ただけではなかなか伝わり難いと思うので、繰り返し見ることをオススメします。分かる人には、そのうち伝わってきますから(笑) |
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主な登場人物と名言(?) | ||
・藤沢 浩紀 「今はもう遠いあの日、あの雲の向こうには、彼女との約束の場所があった」 拓也と共にバイトをしながら、自分達の飛行機作りに燃えています。こういうのって何か青春だよな〜。同級生の佐由理のことが気になっていて、彼女を完成した飛行機で一緒に飛ぼうと誘います。 ・白川 拓也 「早く片付けちゃいたいんです。あの塔のこと」 ちょっと大人っぽい眼鏡の男子。そのクールなとこがいいのか、結構女子からはモテてるみたいですね。けど中学生の癖にこいつは、量子力学(平行宇宙論)なんて興味あんのかよ…(汗) ・沢渡 佐由理 「私だけが、世界に一人きり取り残されている…そんな気がする」 浩紀、拓也のクラスメイト。二人の飛行機作りに興味を持ち、彼らと一緒に塔まで飛ぶ約束をします。しかし、飛行機の完成前に、彼女は二人の前から突然姿を消すのでした。 ・岡部 「いよいよ大詰めだな」 浩紀と拓也がアルバイトをする工場の社長。いまいち、この人がどういう人物なのかがよく分かんなかったんですよね。只の工場の社長じゃあ無いのは間違いないのですが… ・富澤 常夫 「この宇宙が見る夢がどんなものなのか…僕もそれは見たいと思うけどね」 「塔」の研究を行っている富澤研究室の室長。岡部とは昔からの知り合いです。 ・笠原 真希 「私、前からかっこいいな〜って」 富澤研究室で脳科学を研究する職員。年下の白川君に興味津々のようです。 |
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