ガン×ソード
2005年 全26話


評価 75点

作品解説

ガン×ソード VOL.1
ビクターエンタテインメント
発売日:2005-10-21

自分の花嫁であったエレナを殺害されたヴァンは、復讐のためカギ爪の男を追います。途中、何故か自分の周りに増えていく仲間達と共に…


なんというか…すげえ作品だ!
主人公の復讐の対象であるカギ爪の男ですが、その強引なやり方に問題があるものの、彼は世界を平和にするために行動を起こしてるんですよね。それに対し、主人公はあくまで自分のエゴを押し通そうとしています。世界なんか関係ない、ただ俺はお前を殺せばそれでいいって…。何かとっても問題ありそうなその設定…けど、この作品はまさにそれが痛快でした。
元々この作品は、カギ爪の意見に対する、主人公ヴァンの解答なんて求められていないのです。彼がカギ爪を追うのは、あくまで個人的な理由からであって、そんな彼が世界の在り方がどうのなどと明言する必要はまったくありません。こいつの行動理念は、最初から首尾一貫してカギ爪を殺すこと…それに尽きるんです。
だから、小難しい理屈も偉そうな御託も彼の前ではまったく無意味なゴミクズ同然です。カギ爪やミハエルが並べ立てた大義を示す言葉に対し、そんなん知るかっー!って感じで真正面から斬って落とすヴァンには惚れ惚れしましたよ。
それで、よくこの作品では「馬鹿」と言う言葉が出てきました。確かにヴァンはアニメの主人公としては馬鹿ですよ。普通なら、こちらも大きな理想を掲げて相手にぶつかっていくのが筋ってもんでしょうが、彼は世界が変革するかどうかという時でも、己のことしか考えてないんですから。
けど、それの何が悪いんでしょう?嫌いだから相手と戦う…憎いから相手を殺す…大いに結構じゃないですか。その極めて個人的な感情表現を真っ直ぐに貫くところが、この作品の持ち味なんです。何処ぞのガンダム主人公のように、何だかんだと御託を並べて正義の味方を気取るイタイ奴よりかは、よっぽど人間的であり好感が持てる考えです。
とりあえず、ほんとに痛快な作品でしたよ。私達視聴者は、黙ってその馬鹿を堪能しましょう。特に、この作品は終盤になるにつれて加速していく怒涛の勢いが真骨頂です(前半はイマイチなところも…)



主な登場人物と名言(?)

・ヴァン 「俺は!お前をぶっ殺しにきたんだ!」
 数々の通り名を有する流浪人。女性の名前を覚えられないという欠点があり、何かそこにトラウマでもあるのかな?と思っていましたが、特に何もなかったようです(ちょっと拍子抜け)。自分の信念を何処までも真っ直ぐ貫く漢で、それが間違ってるとか、正しいとかおかまいなしにやり遂げようとしています。愛機ダンに乗り、オリジナル7との戦いに挑みます。ちなみに「童貞」だそうです(笑)。

・ウェンディ・ギャレット 「いつでも…お嫁さんになれるんだから」
 ヴァンと共に旅をする少女。カギ爪の男に連れ去られた兄ミハエルを追っています。この旅で一番成長したのは彼女ではないでしょうかね?

カルメン99 「私、あんたのこと好きだったみたい」
 本名カルール・メンドゥーサ。99センチのバストと、99の謎(…何やねん、それ?)を持っているらしいです。もっと、男を手玉に取るフ〜ジコちゃ〜んな女性かと思いきや、以外に純情乙女でした。ヴァン争奪戦には参戦していませんでしたが、ラストに…。

・プリシラ 「また会いに行くよ。答えをもらいに…」
 プリシラタンかわいいぜー!!ヴァンとくっついてほしいと期待はしていましたが、位置的には途中出演の第3ヒロインなので、特に何もないだろな…と諦め半分で見てました。しかしまあ、ここでモビルトレースシステム(違っ!)と出会えるとは思っていませんでしたよ。

・レイ・ラングレン 「お前の夢は終わった」
 ヴァンと同様、カギ爪の男に妻を殺され、彼女の形見であるヨロイと共にその復讐を試みます。ヴァンとは似たもの同士の部分があり、よく衝突してましたね。彼の旅の終わり…夢の終わりに待っているものとは果たして何でしょうか?

・ミハエル・ギャレット 「お前に世界の何が分かる!」
 
カギ爪の男の言葉に洗脳されちゃった兄さん。戦いの中、ヴァンに自分達が成そうとしていることの大義を語りますが、馬鹿は聞く耳持ってません(笑)。ちなみに、彼のサウダーデはヨロイの中では一番かっこよかったですね。

・カギ爪の男 「ヴァン君…私はあなたを愛している…」
 初めて見たときは、え?こいつが…?って思うような普通のじいさんだったので驚きました。世界の在り方を考える良き(?)指導者。というか、基本的に考え方がイっちゃってますよ。



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