機動戦士ガンダムOO ファーストシーズン
2007年 全25話


評価 70点

作品解説

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西暦2307年…世界は3つの超大国がせめぎ合い、未だ一つになりきれずにいた。そんな中、武力による戦争の根絶を掲げる私設武装組織・ソレスタルビーイングが現れ、ガンダムによる全戦争行為への介入が始まるのだった。


タイトルにファーストシーズンと付けていますが、その言葉が示すようにまだ物語は終わっていません。今回はそこのところを踏まえての評価になっています。
この作品の特徴をあげるなら、前半スローで後半クイック…その差が激しいものでした。途中までは話に大きな進展も無く、少々盛り上がりに欠けるような印象なんですが、中盤以降から急激に話が動き出してきます。こういう分割形式にすると、1期終了の段階でもある程度は話をまとめていなければならないので、結構無茶をやったのかもしれませんね。終盤はかなり慌しいことになっていました。
それで、個人的に気になったのが、何か色々と唐突で無理のある展開が目に付いたところです。
例えば、主人公・刹那とヒロイン・マリナの関係性。出会いからして突っ込みどころ満載だったこの二人…結局、作中で絡むことはあまり無かったのですが、いつの間にか刹那の中でマリナの存在が非常に大きくなっていて、一体何故…?という疑問を覚えてしまいました。そういう風に持っていくには色々と描写が足りません。
また、第1期のラスボスとして某氏が金ピカMAに乗って突然現れましたが、それにも違和感。こいつって、いきなり前線に出てきて自ら戦うような奴じゃないでしょ。どちらかと言えば、旗艦とかでふんぞり返ってるようなバカ殿タイプに見えました。例のお気に入りの部下も連れて来ず、一人でのこのこ戦場に登場って…いかにも尺の関係上で倒されるために出向いてきました〜という風に感じられました。
その他、強引とも言えるようなキャラクターの扱い方で引っ掛かるところが幾つかあり、どうも素直に感情移入しきれなかったところがあります。
何か文句が多いかもしれませんが、それだけガンダムシリーズには期待してしまうってことで許してください。世界観はしっかりしていて後半は興味深い展開もあったし、敵キャラが凄い個性的かつ魅力があって惹き付けてくれるし、決して悪い作品では無いと思っています。ただ、もうちょい丁寧に作っていたらさらに上のレベルを目指せたのではないかと…
とにかくセカンドシーズンだ…そちらで何処までやってくれるかを楽しみにしています。



主な登場人物と名言(?)

・刹那・F・セイエイ 「俺がガンダムだ!」
 正直、前半は問題児…というよりアホの子(笑)にしか見えませんでした。規律なんてお構い無しに、自分の好き勝手な行動をとりまくり。そして飛び出した「俺がガンダム」宣言w こいつは一体何者なんだ?と視聴者を存分に驚かしてくれました。まあ、後半では主人公としての自覚が芽生えたのか、前半よりは(若干)活躍もし始めましたが、まだまだ主人公の器だと言い切れない部分がありますね。

・ロックオン・ストラトス 「よう、お前ら満足か?こんな世界で」
 ネーミングセンス抜群だよな(ある意味w)。その名のとおり、射撃が得意な兄貴。テロで両親を失った経緯があり、その行為に対して激しい憎悪を抱いています。伏線として、何やら双子?らしき存在が確認されましたが、そこんところが活きてくるのはどうやら2期以降のようですね。

・アレルヤ・ハプティズム 「この悪夢のような連鎖を僕が断ち切る」
 普段は優しく穏やかな性格ですが、彼の中には”ハレルヤ”というもう一つの人格があり、そちらに交代すると一転して好戦的な性格になります。孤児であった幼少期に人革連の特殊機関に在籍していて、どうやらそこで何らかの実験に関わっていた模様。

・ティエリア・アーデ 「人類は試されている。ソレスタルビーイングによって」
 ガンダムマイスターの中でも謎の多い少年。ソレスタルビーイングを統轄するマザーコンピューター「ヴェーダ」の意思を至上のものとし、その意に反するものは味方であっても容赦をしません。ちなみに、彼の愛機であるガンダムヴァーチェは、なんとセミヌードになりますw

・グラハム・エーカー 「今日の私は…阿修羅すら凌駕する存在だ!」
 ユニオン所属のエースパイロット。愛機であるカスタムフラッグに独自の信念を持っている、生粋のフラッグファイターです。何やら色々と名言(迷言?)を残してくれて、途中までは大好きなキャラだったのに…何故最後に幻滅させる!?ネタキャラ・キレキャラは既にいるので、この人はかっこ良さを貫いてほしかったなあ。

・パトリック・コーラサワー 「貴様…俺が誰だか分かってんのか?」
 AEU所属のエース(?)パイロット。とりあえず、思いっきりヘタレなキャラなんですが、段々こいつの存在に癒されるようになってきましたw 特に、マネキン大佐が出てきてからは、愛のパワーで魅力爆発。可愛いぜ、コーラ!

・セルゲイ・スミルノフ 「これが、勝利の美酒というものだ」
 人類革新連盟所属のMS部隊指揮官。歴戦の兵士らしい貫禄を備えた渋いオッサンです。けど、なんか途中からはソーマの面倒を見るパパさん的な立ち位置になってましたよね。まあ、微笑ましいんで別にいいか。

・ソーマ・ピーリス 「全力で望みます」
 人類革新連盟の超兵(強化人間)。強化人間には厳しいガンダム世界…はてさて、彼女は生き残ることが出来るのでしょうか?それにしても、専用機のカラーリングがピンクって…お前は何処のミーア・キャンベルだよw

・アリー・アル・サーシェス 「戦争屋です。戦争が好きで好きでたまらない…」
 民間軍事会社に所属する傭兵。戦争根絶というテーマを掲げるこの作品にとって、こいつのような戦争好きは最も厄介で危険な存在かもしれませんね。刹那、ロックオンの過去に関係があり、そちらとの因縁対決も注目したいところです。

・アレハンドロ・コーナー 「君はまさしく私のエンジェルだよ」
 ユニオン所属国の国連大使であり、ソレスタルビーイングの監視者。何やら裏で色々と動いているようで、キナ臭さがプンプン漂っています。果たしてこいつの目的は?

・リボンズ・アルマーク 「拾ってくださったことへのご恩返しはさせていただきます」
 アレハンドロに仕える謎の少年。とりあえず、声がアムロっていうだけで、只者ではない感を存分に醸し出しています。今回はそれほど見せ場が無かったので、2期での活躍に期待しましょう。

・マリナ・イスマイール 「なぜ私達は、こんなにも憎みあわなければならないの…」
 アザディスタン王国の第1皇女。この第1期において、結局こいつは何かやったか?いまいち印象に残ってないんだけど、それは気のせい…ではないですよね。本当にこいつがヒロインということで間違い無いんですか?

・沙慈・クロスロード 「やられちゃえよ…ガンダム」
 宇宙工学を専攻する普通の学生。ソレスタルビーイングとも、他の陣営とも何の関わりもありません。けど、こいつ等(沙慈、ルイス)の様子は物語中で頻繁に描写があり、その青春模様を見せられることになります。その意味とは…?

・ルイス・ハレヴィ 「男の子ならハッキリして!」
 沙慈のガールフレンドである海外留学生。わがままな性格で、沙慈は度々彼女に振り回されています。つか、学生にそこそこ値の張る指輪とか貢がせようとするなよな…縁日の指輪で我慢しとけw



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