交響詩篇エウレカセブン
2005年 全50話


評価 85点

作品解説


祖父と二人暮しをしているレントンの前に、突然幻のLFO「ニルバーシュ」が現れる。そして、コックピットから現れた謎の美少女エウレカ。彼女に一目惚れしたレントンは、エウレカと共にゲッコーステイトに乗り込む決意をする。


う〜ん、評価の難しい作品です。なにせ、面白い時と面白くない時の差が非常に大きい作品でしたからね。どこに焦点を合わせるかで評価は大きく変わってくると思うので、ほんと人によって賛否両論あることでしょう。
この作品の世界観ってかなり分かりづらく、相当取っ付きにくいタイプのアニメだと思います。トラパー、コンパクドライヴ、コーラリアン、セブンスウェル…これらがどういうものか視聴者が理解出来ていない状態で話が進んでいき、中盤以降で種明かしされるまでは作品の真なるテーマも不鮮明なままです。まあ、それでも要所で上手い具合に盛り上げていったのはさすがですけどね。前半だと、ランバラルチャールズ夫妻が登場してレントンが成長していく辺りはいい感じでした。そして、2クール目の最後はバッチリ盛り上がりました。
3クール目以降からはようやく物語の全貌が見えてきて、はっきりとした目的へ向けて動き出します。途中、どうでもいいような話(サッカーとか)もあって実はそれほど期待していなかったのですが、終盤でレントン、ホランド、ドミニク、ユルゲンス艦長らが熱いところを見せてくれて、いい意味で裏切ってくれました。いや〜思ってたよりずっと良かったですよ。
ただ、回収されていない伏線等あって、いまいち納得しきれないような箇所がありました。また、先述したように中だるみやシナリオの当たり外れも多く、そのような粗い部分が目立つので、正直なところ完成度が高いとは言えません。
しかし、そこだけを見て駄作の烙印を押すのは非常に勿体無い!要所での盛り上がりはかなり素晴らしく、私的にはマイナス部分を補って余るほどの突き抜けたパワーを感じることが出来ました。何か、見ていてとても気持ちよかったんですよね。ということで、世界観やテーマ的な不足については、もう単純に目を瞑ることにしましょう。何だかんだ言ったところで、この作品のメインとなるのはあくまでボーイミーツガール…レントンとエウレカの物語なんですからw
世界がどうとか種族がどうとか…言及すべきところは色々あったと思いますが、そういう大きくて漠然とした視野ではなく、その中心にいる主人公二人に焦点を絞り、彼らの物語を目一杯描ききったことでこの先に繋がる一つの可能性を示すことが出来ました。それさえ描かれていれば、もうこの作品はOKではないでしょうか?二人の愛の力で道を切り開く…もうベタベタですが、それを臆面無くやり過ぎくらいに突っ走ってくれたところが素晴らしい。今時、こんな作品は無いですよ。
ちなみに、日曜の朝っぱらから残虐シーン満載でした。ほんとに色々冒険してる作品だわ…そりゃ視聴率取れんってw



主な登場人物と名言(?)

・レントン・サーストン 「アーイ、キャーン、フラーーーーーーーーイ!!」
 憧れからゲッコーステイトに乗り込みますが、理想と現実のギャップに悩まされる中、途中艦を飛び出してしまいます。その後の展開も含めて、こいつはまんまアムロと同じ道辿ってるよ(汗)。…と思いきや、帰ってきた時は、鬼神の強さをもって相手を殺さずに次々と戦闘不能にしていきます。どうやらキラ君のようでした。こっちの方が、最近の若いもんには馴染みがあるからね〜。それにしても、後半の彼は本当に大きく成長してます。それは、戦うということに対してだけではなく、エウレカとの接し方についても言えると思います。たとえ相手がどんな姿であろうとも温かく受け入れる…レントン、お前はほんと漢だ!終盤、作画からして男前に変わってんだよなw

・エウレカ 「私、レントンが好き。だからずっと一緒に居たい」
 ツンデレ娘。途中、レントン君が可哀想になってしまうほど冷たかった時期もありますが、中盤以降(ちょっとキモくなってから)はビックリするくらいの乙女になっちゃっいます。顔の傷を気にするところなんて超カワイイですね。どうせなら、そんなんなる前にカワイクなれよ!と思いましたけど。それにしても、この作品は本当に思い切ったことをしてくれますよ。ヒロインの容姿をどんどん人間離れさせていくとは…その常識外れの点は評価したいですね。良い悪いは別にして、絶対に他のアニメは真似できませんから。

・ホランド・ノヴァク 「お前は自分の信じた戦い方を貫け。俺には出来なかった戦い方を皆に見せてやってくれ」
 ゲッコーステイトのリーダー。リフボードの天才で若者達のカリスマ…といいますが、実際はいい年してレントンに八つ当たりしている格好悪いオヤジです。前半はこいつのこと嫌いだったな〜。しかし、レントンのことを認めてからは、彼とエウレカに対し親身になって接するようになります。ちなみに、この人は意外に弱っちいから、戦闘では死んじゃうんじゃないかって冷や冷やして見てましたよ。特に後半は死亡フラグがビンビンに立ってましたからねw

・タルホ・ユーキ 「諦めるわけにはいかないのよ…最後の一瞬が訪れるまで」
 ホランドのパートナー。彼女も物語途中、いい意味で変わります。傷付いたホランドが戦場に向かうのを見るのはかなり辛いことだったでしょうが、ホランドの決意を知っている彼女は心配しながらも送り出します。なんつーか、いい女でした。

・ドミニク・ソレル 「僕はアネモネを守りたいんです!!」
 こいつも苦労人だ。アネモネのことを想っていますが、彼女からは虐げられちゃってます。しかし後半、上官であるデューイのやり方に徐々に疑問を感じ、独自にアネモネを助けようと立ち上がることを決意します。熱いわ〜この人。もうめちゃくちゃ熱いです。こういうキャラは大好きだ。

・アネモネ 「気持ち悪ぅ」
 タイプ・ジ・エンドを駆る少女。何処かエウレカと同じものを感じさせる少女ですね。薬が切れたらおかしくなるヤク中(笑)。わがまま放題でエウレカとは別の意味で扱いにくい少女なんで、ドミニク君も大変なことで…。しかし、デューイにはよく懐いているんですよね。エウレカはレントンと出会うことで救われましたが、彼女は救われるのでしょうか?

・デューイ・ノヴァク 「悪いが私は淋しがりやなのでね」
 ホランドの兄であり、スカブコーラル殲滅を企む軍の実力者。アネモネ率いるアゲハ隊を指揮し、民衆の犠牲なんて無視した作戦を実行しようとしています。つか、ラスボスとしては動機やら計画がいまいちはっきりせず、見ている者に訴えかけるには弱いものだったと思うので、その点が惜しいですね。



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