ふしぎ遊戯
1995年 全52話


評価 75点

作品解説

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ある日、夕城美朱と本郷唯は「四神天地書」という書物の中に吸い込まれてしまう。そこは古代中国に似た異世界で、彼女らは本の中の登場人物になってしまうのだった。


この作品は、少女漫画というジャンルの中で初めて私が興味を持ったものです。それまで少女漫画と言えば、美青年キラキラ〜ってイメージが強くてどうも苦手だったのですが、これは異世界ファンタジーものとしてなかなか良く出来ているので普通に楽しめることが出来ましたね。個人的には、ここから少女漫画に対する偏見が無くなったような気がします。
序盤はしょーもないギャグチックな展開が多くてそれほど面白いとはいえませんが、メインの二人の少女…美朱と唯がすれ違ってくるところから段々シリアスになり面白くなってきます。そして、中盤以降からは朱雀七星士と青龍七星士の激しいバトル展開が始まります。
この作品、少年漫画みたく戦いによって人がどんどん死んでいくので、最初見た時はビックリしましたね。味方が死ぬ時の演出は結構良くて、少女ものとは思えないような盛り上がりも一部感じました(つか、終盤のノリはドラゴンボールだなw)
ただ、お馬鹿な主人公(♀)が何故か美青年達からモテモテで、逆ハーレムを築いているようなところは支持されにくいかもしれません。周りにいる男達は、こいつには勿体無いようなナイスガイばかりです。美朱は見ていてウザイところがあって、たまに(…結構?)イライラすることもありました。また、恋愛絡みの部分で”いかにも”な少女漫画的シチェーションが随所に見られ、うけつけられない男性もいることでしょう。なんというか、求愛が直球すぎですw
それと、物語の根本は鬱展開で出来ており、様々なすれ違いからドロドロした関係へと変わっていくところは見ていて辛いですし、やたらとレイプを連想させる展開もあったりして不快に思った部分もありました。こういう昼ドラ的シチェーションを見るのが苦痛な人もいそうな気がしますので、あまり強くはオススメしません。けど、ストーリーは面白いので、どうも先が気になって見続けてしまうとw こちらをヤキモキさせるのも、また魅力の一つなのでしょう。
凄く良いところがある反面、これはちょっと…と個人的に引っかかる部分も幾つかあったので、名作レベルの作品とは思いますが、高得点を付けきれなかったって感じです。見る人を選ぶタイプだと思うので、そこんところはご注意を。
ちなみに、続編のOVAが結構出ていますね。ふしぎ遊戯ワールドの完全征派を目指すのなら、そちらの視聴もお忘れなく。



主な登場人物と名言(?)

・夕城 美朱(ゆうき みあか) 「あたし朱雀の巫女やります」
 高校受験を控えた中学生。図書館で見つけた「四神天地書」という書物の中に吸い込まれ、その中で「朱雀の巫女」として様々な試練を乗り越えていきます。ただ、こいつのことはあまり好きになれませんでした。やってること、考えてることが一々ウザイんだよな…。基本的に、主人公のことが嫌いなアニメって作品自体そんなに好きになれないんですが、この作品は珍しく例外的扱いですね。それだけ、周りを固めるサブキャラが魅力的だったということなんだと思います。

・本郷 唯(ほんごう ゆい) 「何もかも、あんたのせいだよ!」
 美朱と共に四神天地書に吸い込まれた少女。「青龍の巫女」として美朱と対立することになる彼女は、この作品における影のヒロインという立ち位置でしょうね。けど、ぶっちゃけこいつのこともあんまり好きじゃありません(汗)。色々あって可哀想だとは思うけど、ちょっとやりすぎだろ…

・鬼宿(たまほめ) 「俺は只、お前を愛していく」
 朱雀の巫女を守る、朱雀七星士の一人。守銭奴でお金以外のことにあまり興味はありませんでしたが、後に美朱のことを愛するようになって二人で愛を育んでいきます。拳法を得意としており、気功の技も習得するのですが、その行き着く先は皆さんご存知のドラゴンボール…キレたらスーパーサイヤ人化しちゃいますw

・星宿(ほとほり) 「お前の方から、私を愛するようにしてやるよ」
 朱雀七星士の一人であり、紅南国の皇帝。そして、報われない男ナンバー1ですw 幼い頃より朱雀の巫女に憧れを持っており、ついに現れた美朱を愛するのですが、奴は鬼宿にしか興味を持っていません。だから、星宿さんが活躍するのは大抵、美朱傷心時の慰め係としてでした(涙)

・柳宿(ぬりこ) 「愛のためなら男の道も踏み外すわ」
 朱雀七星士の一人。見た目は女性ですが、中身は男…有体に言えばオカマちゃんですw けどまあ、美形なんで見苦しくないのが救いですね。怪力の持ち主であり、巨大な岩もポイポイ持ち上げてました。星宿のことを慕っていますが、当然報われませんw

・井宿(ちちり) 「貴様達のその命、俺の前で…俺の前で勝手に扱うことは、許さない…」
 朱雀七星士の一人。様々な術の使い手で、戦闘時やそれ以外の時でも何かと役立っていました。いつも笑顔の仮面を付けていますが、その下の素顔には深い傷があり、何らかの悲しい過去があったことを物語っています。2頭身化していることも多く、何だか愛らしいイメージがありますね。

・翼宿(たすき) 「烈火神焔!」
 朱雀七星士の一人。何故か関西弁(?)を話します。性格は明るくムードメーカー的な存在…しかも、ハリセン(笑)なんてものも持ってるから、もうまんま関西ノリのキャラですよ。まあ、キャラ付けとしては安易かもしれないけど、やっぱりこういう人材は欠かせませんね。

・軫宿(みつかけ) 「体の傷は直せても、心の傷は直せてやれんからな」
 朱雀七星士の一人。医者であり、治癒能力を持っています。見た目や雰囲気から、おそらく30代くらいかな〜と思っていましたが、実は20代前半という罠。井宿の方が年上と知ってちょっとビックリ…w

・張宿(ちりこ) 「僕は…負けたくない!」
 朱雀七星士の一人。えと…処々の理由から、こいつに関しては詳しい紹介なし。とりあえず、あまり目立ってなかったなw

・心宿(なかご) 「全てあなたを喜ばせたいがため」
 青龍七星士の一人であり、紅南国と対立する倶東国の将軍。様々な罠を使い、朱雀の召還を阻もうとしています。術や気を操ることにも長けており、こいつ一人でもメチャメチャ強かったですね。唯に忠誠を誓い、彼女のために行動していると言いますが…

・夕城 奎介 (ゆうき けいすけ) 「嘘だろ…」
 美朱の兄であり、現実で四神天地書を読む物語の読み手。ただ、それだけでなく友人と共に四神天地書の謎に迫っていったりと、美朱達の裏で案外活躍もしてました。結構涙もろく、本を読んで涙しているところもしばしば見られました。



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