はたらく魔王さま!
2013年 全13話


評価 70点

作品解説


勇者エミリアに追い詰められた魔王は、腹心の悪魔大元帥アルシエルと共に異世界へのゲートで撤退を余儀なくされる。その先で2人が見たものは、人間になった己の姿と現代東京の摩天楼だった。


設定はなかなか良かったと思います。別世界(現代社会)にやってきて力の多くを失った魔王が、すっかりこの世界に染まっていってフリーターとして普通に仕事して普通に出世を目指していくという。例え魔王といえど、この世界においては働いてお金を稼いでいかないことには食っていけません。悪の象徴である魔王を妙に庶民的でコメディチックに描いているところが面白いですね。
そして、魔王の宿敵である勇者も現れるのですが、こちらもすっかり現代社会に馴染んでいて既に定職にもついています。…もちろん食っていくために。お互い、この世界における立場は似たようなものなんですね。とりあえず、勇者の方は現在契約社員ということなので、アルバイト店員の魔王よりは一歩先へ進んでるのか?w
また、魔王と勇者が現代で働くだけのコメディ作品というわけではなく、元居た世界からの刺客が現れてバトル展開なんかもあります。奇しくも、敵対関係にあったはずの二人が共闘することなんかもありました。本来は敵でありながらも、所変わればまた関係性も変化する…魔王と勇者のこの妙な関係はなかなかに新しいですね。
ちょっと前にやっていた「まおゆう」もそうでしたが、最近は主人公=勇者、ラスボス=魔王という王道の構図から脱却した変わり種を持ってくることが度々ありますね。まあ、この構図はもう何十年も前から使い古されているので、今のご時世ではとてもそのままでは使えないんでしょうけど。
サブキャラを見てみると、ちーちゃんは可愛い。デレた時とか特に!キャラの特性自体は巨乳ロリというあざといところなんですが、素直でいい子なので好感が持てますね。また、メイン登場人物の中では唯一の人間なんですが、それを活かした心情描写なんかは上手かったです。魔王の事を好きなんですが、異世界の住人たちの中にはどこか入っていけない距離感を感じる…みたいな。そこんところの切なさを上手く表現していました。
とりあえず、この作品の魔王は相当にいいやつですね。元は勇者と敵対していて、世界征服を考えていたとは思えないような人物です。このまま現代社会(マッグ)で上へとのし上がっていくのか、エンテ・イスラに帰って再び勇者と戦う日が来るのか、続きは2期で?笑



主な登場人物と名言(?)

・真奥 貞夫(まおう さだお) 「俺はこの世界で正社員になってみせる!」
 勇者に破れ、異世界エンテ・イスラから日本にやってきた魔王。新しい世界征服の第一歩として、まずは日本で正社員の地位を得るべく、マグロナルド幡ヶ谷駅前店のアルバイト店員となって、日々前向きに仕事に励んでいます。以前はどんな性格だったのかはよく分かりませんが、少なくとも日本に来てからのこいつからは物凄い庶民臭がして、魔王らしくないところが多々見受けられます。

・遊佐 恵美(ゆさ えみ) 「これでも勇者よ。馬鹿にしないで」
 目付きがと〜っても怖い勇者さま。凡そ正義の味方には見えないような鋭い視線で魔王を威嚇し、悪事を働かないか監視しています。エンテ・イスラでは魔王軍を壊滅に追い込んだほどの強さを見せたようですが、現代世界においては魔王に助けられるようなところもしばしば。貧乳ネタに敏感で真に迫っているように見えるのは、中の人の心の叫びが演技に表れているからでしょうか?w

・佐々木 千穂(ささき ちほ) 「特に女の子は、舐めてると大怪我じゃ済みませんからね」
 真奥のアルバイト先で働く女子高生。真奥に対して好意を持っており、積極的にアプローチを試みます。しかし、真奥のデリカシーの無い対応のせいで不発に終わり、よく色んな顔芸してましたw 恵美といい、ちーちゃんといい、この作品のヒロインは顔芸好きですね。

・芦屋 四郎(あしや しろう) 「悪魔ですが何か?」
 魔王の腹心である悪魔大元帥アルシエル。かつては魔王軍一の知将として名を馳せたようですが、今や専業主夫としてその知性を家計のやりくりのために使っている模様。無駄遣いには厳しく、まさに真奥一家のお母さんですねw

・漆原 半蔵(うるしはら はんぞう) 「ニート最高」
 悪魔大元帥ルシファー。始めこそ強そうな敵役で現れたのですが、その正体は只の糞ニートでしたw 通販で色々なものを無断で買っては、真奥一家の家計をどんどん圧迫していきます。



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