墓場鬼太郎
2008年 全11話


評価 65点

作品解説

 墓場鬼太郎 第一集 [DVD]
角川エンタテインメント (2008-04-23)
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水木は幽霊族という絶滅に瀕する種の夫婦に出会う。だが、直に彼らは死んでしまい、一人の赤子だけが残されるのだった。


鬼太郎と言えば「ゲゲゲ」。60年代から続く古参アニメの筆頭ですよ。第何シリーズかは忘れましたが、私も昔よく見ていましたね。しかし、こいつはゲゲゲの元となった原作版らしく、設定面等色々と異なる部分があります。
まず、鬼太郎が悪の妖怪と戦うヒーロー(人間の味方)ではない。…というより、人間を嵌めたり翻弄したりもする、何処か不気味で陰気な存在なんですよね。そして、戦闘能力は低いので敵と戦うことはほぼないです。こんなヒーロー性皆無でダークな鬼太郎が本当に成り立つのか?と思ってましたよ。実際、見てみると案の定…私の知る鬼太郎ではなかったですね。(しかし、キャストは昔と同じ人を使っているというのがニクイ演出)
で、これがつまらないかと言うとそんなことはなく、これはこれでなかなか興味深いのです。なんでしょう…この生き汚い鬼太郎は妙に身近に感じるというか…多分、人間社会で迫害を受けてきた一族なら、こういうひねた性格になるのも当然という思いが私の中にあったんですよね。ですから、昔の鬼太郎の方をよく知る私でも意外とすんなり受け入れることが出来ました。(むしろ、ヒーローなゲゲゲの鬼太郎は、人間に対していい奴すぎると今更ながら思ったり…)
そして、この作品ではレギュラーとして登場していきそうなキャラでもあっさり殺します。しかも、大抵が鬼太郎と関わったばっかりに悲惨な運命を遂げることになるんですよね。まあ、そのあっさりと死んでいくところにこそ、今回の鬼太郎のダークさ・ドライさが現れているようで味わい深いところもありましたけど…(しかし、鬼太郎の水木氏に対するあの仕打ちは酷いな。仮にも育ての親だぞ…w)
とりあえず、私としては子供の頃にゲゲゲの鬼太郎を見て育った大人の方が見たら、ギャップとか楽しめるのではないかな〜と感じました。まあ、どうしてもゲゲゲの鬼太郎のイメージを壊されたくないって人には、無理に勧めませんけど。あと、話はオムニバス形式に見えて意外と繋がりがあるので、最初から続けて見てください。



主な登場人物と名言(?)

・鬼太郎 「父さん、人間ってちょっと面白い生き物ですよね」
 陰気で卑屈でひねくれもので恩知らずで人間嫌い…それが今回の鬼太郎です。寝子に対しては、唯一可愛げのあるリアクションを取っていましたが、その他の人間に対しては目の前で誰が死のうともほぼ無関心ですからね。特に水木との最期のシーンがインパクトあったなぁ…目が合って、次の瞬間「じゃあ」ってw

・目玉親父 「お前は幽霊族の希望、最後の生き残りだ」
 目玉親父は目玉親父。それ以外の何者でもありませんね。この人(?)は何も変わっちゃいねえ。

・ねずみ男 「お楽しみはこれからだ」
 汚い、臭い、小ズルイのイメージのねずみ男。まあ、こちらでもそのイメージが崩されることはなく、概ね私の知るとおりのねずみ男でした。ただ、作風が作風なだけに、ゲゲゲより若干悪人度が高かったような気もしますが…まあ、鬼太郎の変わり様に比べたら全然なので、特には気になりませんね。

・水木 「私はあろうことか、幽霊の子供を育ててしまったのです」
 鬼太郎の育ての親。まあ、目玉親父はあくまで目玉なんで、赤子の鬼太郎を育てていくことはさすがに無理ですからね。しかし、鬼太郎と関わってしまったことで、この人の身辺に色々と不幸が訪れることになります。この作品で一番かわいそうなキャラだったな…

・寝子 「駄目、我慢できない…」
 鬼太郎の初恋相手の可憐な少女。つか、学校では鬼太郎と同じクラスに通ってたけど、明らかに一人だけ頭身が違う…まるで、別の作品のキャラクターのようだwww この子を好きになった鬼太郎は面食いだな〜と思ったけど、その後に好きになったカロリーヌちゃんは明らかにブサイク…鬼太郎の趣味が分からん。

・ニセ鬼太郎 「人間でもねえのにうろうろされちゃあ、迷惑極まりない」
 これが正式名称なんて…かわいそすw 何やら、ねずみ男と手を組んで画策しているようですが…



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