Fate/Zero
2011年 全25話(分割2クール)


評価 80点

作品解説

 『Fate/Zero』 Blu-ray Disc Box T
アニプレックス (2012-03-07)
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奇跡を叶える聖杯の力を追い求め、七人の魔術師が七人の英霊を召喚し、最後の一人になるまで戦いを繰り広げる究極の決闘劇「聖杯戦争」。三度、決着を先送りにされたその闘争に、今また四度目の火蓋が切って落とされる。


Fate/stay nightのスピンオフ作品。stay night本編では第五次聖杯戦争の戦いが描かれていましたが、こちらはそれより10年前…第四次聖杯戦争の戦いを描いています。
スピンオフということで、本編の前日譚的な意味合いのちょっとした物語かと思っていたらとんでもない!こちらはこちらで一つのエンターテイメントとして十分面白かったですし、ぶっちゃけアニメとしてのクオリティなら本編を上回っている出来です。まあ、本編知らないと設定面で少し付いていき難い部分もあるかもしれませんが、見ていたらそのうち分かってくるでしょうw
シナリオですが、本編を「正義の味方を目指す少年の物語」とするなら、こちらは「正義の味方になれなかった大人の物語」といった感じでしょうか。原作がまどかマギカで一躍有名になった虚淵氏ということで、王道とは一味違う物語を楽しませてくれます。相変わらずこの人は、ダークサイドの描き方が素晴らしいんですよね〜w
Zeroの主人公・切嗣は、魔術師というより暗殺者みたいなもので勝つためには手段を選びません。その辺の描き方がたまらなかったですね。特に自分が楽しめたところは、敵サーバントの一人であるランサーの倒し方です。前半から、セイバーとランサーはお互いに騎士道を重んじることで通じ合っているところもあり、この二人の対決はさぞ正々堂々真正面からぶつかり合うことになると思っていたのですが…実際はド外道な決着でしたね。これは主人公のすることじゃあ無いだろ!(だが、それがいいw)
あとは、各陣営のキャラクターですが、見事なまでに個性的かつ魅力的な奴らを取り揃えましたね。妻を囮にしつつ愛人と共に暗殺に勤しむセイバー陣営(もうこの時点で主人公側としてありえない設定w)、最高にかっこいいサーバントと成長するヘタレマスター…ある意味主人公チームとも言えるライダー陣営、痴情のもつれが玉に瑕のランサー陣営、狂人コンビ(けど、竜ちゃんはたまに可愛いw)キャスター陣営、マスターの不幸っぷりが見所なバーサーカー陣営、傍若無人な王様を制御しきれないアーチャー陣営、黒神父が暗躍するアサシン陣営…正直、stay night本編のキャラよりも、魅力ある奴らが多かったような気がします。特にライダー(イスカンダル)はほんとかっこいい!こいつこそ、まさに「王」ですよ。
ただ、一点不満を言うなら、結局この作品はstay nightの序章で物語としては中途半端なところがあるということ。ラストが中盤の盛り上がりから想像していたほどのテンションにはならなくて、何処か消化不良なものが残ってしまったんですよね。まあ、この後stay nightへ続いていくという構成上仕方ないことだとは思いますが、こちらもここまで盛り上げた責任をもう少し取って欲しかったかな?という思いが自分の中に芽生えていました。ここんところで少々物足りなさを感じたので、少し点数をマイナスしています。



主な登場人物と名言(?)

衛宮 切嗣(えみや きりつぐ) 「正義で世界は救えない、そんなものに僕はまったく興味はない」
 セイバーのマスターであり主人公…なんですが、とっても主人公らしくありませんw とりあえず、自分がマスターということは他の魔術師達には秘密にしており、自分の妻(アイリ)を囮にして裏から他マスターの暗殺を謀っています。また、戦場では弟子でもある愛人(舞弥)を引き連れて行動し、妻と愛人が一緒に行動するなんてことも時々あったりしましたw そんな彼の望みは、戦いの根絶…自分自身の力ではその望みを実現させることは適わないと理解しており、聖杯の力で実現させようと考えています。

アイリスフィール・フォン・アインツベルン 「人間の心って不思議よね」
 衛宮切嗣の妻であり、前作で登場したイリアの母親でもあります。しかし、彼女は人間ではなく、聖杯戦争のために生み出されたホムンクルスです。自分が限られた命と知りながら、愛する切嗣の理想を実現するために共に戦うことを決意します。

セイバー 「今ようやく、貴様を外道と理解した」
 ぶっちゃけ、今回あまり活躍していないアーサー王様。バトル面はともかく、王としての格は完全に他のサーバントに負けているし、色んな意味でフルボッコにされていますw マスターとも考え方の違いから上手くいっておらず袖にされてるし、ほんと今回は良い所があまり無い!(まあ、その分stay nightでは活躍しているんですけどね…)後半でバイクをガンガン乗り回す姿を見て、そういえば「騎乗」スキルなんてものがこいつにはあったなぁ…と思い出しました。無機物相手でもスキルは発動するんですねw

久宇 舞弥(ひさう まいや) 「衛宮切嗣のために死んでください」
 衛宮切嗣の助手であり、愛人であり、弟子である女性。彼の意のままに命令を遂行し、影から敵を屠っていきます。アニメではこの人の生い立ちについて詳しく語られていませんが、なかなか壮絶なものがあるんですよね…。

ウェイバー・ベルベット 「この僕にもってこいの舞台じゃないか」
 ライダーのマスターで原作者も認めるZero最萌キャラ(男)w 殺伐とした空気の多いこの作品の中で、こいつとライダーが出てきたら何故か癒されました(二人のやりとりが面白い)。魔術師としては未熟で、人間的にも度量が小さく、最初はサーバントであるライダーに振り回されっぱなしでした。しかし、本物の「王」と接し共に戦っていく中で彼にも変化が訪れていきます。多分、サーバントがライダーでなかったら、早々に死んでもおかしくなかったかもw

ライダー 「夢を示すのが王たる世の努め」
 真名イスカンダル。初めは只の暑苦しい体力バカかと思っていましたが、その本質はまさに「王」と呼ぶに相応しく、とてつもなく大きな度量の持ち主でした。ほんと最高にカッコイイ漢です!!こいつを前にすると、セイバーとか小者…というか只の小娘に見えましたね。ライダーとアーチャー二人の王の戦いは事実上の決勝戦と言っても過言ではありませんでした(セイバーいらねw)

言峰 綺礼(ことみね きれい) 「最後の最後まで、私という人間を理解できなかったのですよ」
 アサシンのマスター。師である遠坂時臣を勝利させるために暗躍しますが、己に似た何かを衛宮切嗣に感じ取って任務とは別に彼を付け狙います。人間が美しさや喜びを感じる対象をそうと感じることができない破綻者であり、己の持つ歪みに苦悩しています。

アーチャー 「真の王たる英雄は、天上天下に俺只一人」
 真名ギルガメッシュ。マスターは凛の父親である遠坂時臣ですが、彼の性格に退屈を感じており、興味をそそる綺礼に対して誘惑めいた言葉を投げかけたりしています。その結果がどうなるかは、stay nightを見ている人なら既にお分かりでしょうけど…w



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