秒速5センチメートル
2007年 劇場版


評価 60点

作品解説


小学校の卒業と同時に離ればなれになった遠野貴樹と篠原明里。ある日、貴樹は明里に会いに行こうとするのだが…


3つの短編集からなる作品。といっても、シナリオ的には全部繋がっていて、これで1つの物語が構成されています。
第1話は中学生編…遠くに離れてしまった貴樹と明里が、お互いの間の距離に翻弄されてる初々しい物語。
第2話は高校生編…貴樹のことを想う、一人の少女の切ない恋模様。
第3話は社会人編…ここまでの雰囲気から一転して、リアルな現実を描いた鬱展開
…正直、これはどうなんだろうな?なんで最後にこんなヤな感じのオチをつけますかねえ。まあ、現実なんてこんなもんだというのをリアルに描いているのでしょうが、アニメの中でまでその厳しさを見せつけられるのはキッツイな…って気もします。
ラストでほんのちょっぴり「未来」というものを示しているようにも感じましたが、具体的なものは何も描かれていません。故に、作品の印象として残るのはどうしても、何処にも辿り着けていない主人公の中途半端な姿なんですよね。ここに深く感情移入してしまったら、最早エンターテイメントとして楽しむどころではありません。ものすごテンション下がって、あとに残るのは空虚な喪失感なんです。もうちょっと夢をくれよw
確かにシナリオはよく出来ていると思うし、心を大きく揺さぶられる作品でもありました。けれど、内容的にこれが好きか?と問われれば、正直びみょ〜なところです。評価もどう付けようかすごく迷いました。
自分に合う、合わないがハッキリと分かれる作品だと思いますが、まあ一度は見てみることをオススメします。なかなかこういう作品ってのはありませんから、このような切ない苦しさを体験してみるのもよいとは思いますよ。
そうそう、この作品の見所の一つとして、ラストで山崎まさよしさんの歌が流れるところを挙げておきます。ここは、なんかもう笑っちゃうくらいに音楽と映像が合ってるんですよね。これを見た瞬間、ああ…新海監督はこれがやりたくてこの作品を作ったのか〜と理解しました。



主な登場人物と名言(?)

・遠野 貴樹 「彼女を守れるだけの力が欲しいと強く思った」
 第1話、第3話の主人公。最後まで見ると、彼がいかにロマンチストであったのかというのがよく分かりました。まあ、とりあえず…これからガンバレ!まだ人生は先が長いんだから。

・篠原 明里 「桜の花の落ちるスピード…秒速5センチメートル」
 小学生時代、貴樹と仲の良かった少女。中学になって引っ越してからも彼と文通をおこなっており、親交を深めています。1つだけ言わせてもらうなら…中学生がお泊りしちゃ駄目でしょ!(笑)

・澄田 花苗 「彼は優しい。時々、泣いてしまいそうになる
 第2話の主人公。中学の時に東京から転校してきた貴樹に恋をしたが言い出せず、勉強を頑張って彼と同じ高校に入ります。この話では、彼女の視点から見た貴樹の姿が描かれていました。



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