No.7 Ever17に続くRemeber11 




 No.2で紹介したゲーム・Ever17…これはinfintyシリーズというシリーズものの第2作目であり、その前身としてNever7、続編としてRemember11という作品もあります。
 とは言っても、別に内容的に繋がりがあるわけではありません。それぞれが独立した話になっていますから(前作を知っていれば、ちょっとした小ネタを楽しめる程度)。

 Ever17が大作であるので、当然そちらも気になるもの…とりあえず、私も両方プレイしてみました。まあ、最初のNever7はそれなりに興味深いものもありましたが、Ever17と比べればまだまだ垢抜けていないといった感じですね(しかし、一般的なADVと比べると、なかなか高レベルな作品ではある)。

 ならば、3作目のRemeber11はどうか?Ever17で一部ユーザーからの圧倒的支持を集めただけに、こちらには最初からそれなりの期待がかかっていたはずです。果たして製作サイドは、一体どのようなゲームを作ったのか…!?

 結論から申しますと、史上最大の問題作が出来上がりました。
 はっきり言って、途中まではEver17を越える勢いだったのは間違いありません。前作では多少中だるみに感じた中盤も、こちらではいい具合に緊張感があって、熱中度ではあちらを上回ってましたから。話に凄く惹き込まれましたよ。

 物語は、飛行機事故によって雪山で遭難した男女の話が描かれています。しかし、今回はそれだけではありません。もう一つ、孤島の閉鎖施設という舞台も用意されているのです。
 まったく別の場所で繰り広げられる2つの物語ですが、プレイヤーは強制的にこの2つの舞台を行き来することになります。どういうことか説明しますと、雪山での主人公「こころ」と、施設での主人公「悟」の両者において、人格交換というややこしい現象が起こっているのです。

 「こころ」編プレイ時、雪山にいる「こころ」の意識は時々、施設にいる「悟」の体へと入り込んでしまうのです。そこで、「こころ」は「悟」に代わって施設の話を一部体験することになります。逆に、その間「こころ」の体の中には「悟」の意識が入ってきて、「悟」は「こころ」の代わりに雪山の話を体験することになります。
 つまり、二人の意識はお互いに雪山と施設とを行ったり来たりしていて、プレイヤーもどちらかの主人公の視点に従って行ったり来たりするわけです。

 しかし、この人格交換はいつも絶妙のタイミングで行われますから、ファーストプレイでは肝心なところが見えてこないんですよね。例えば、「悟」は施設で何者かに命を狙われているのですが、犯人に襲撃を受けた際にこの人格交換が起こってしまい、雪山へと意識が飛ばされます。で、再び人格交換が起こって施設へと意識が戻ってきた時には、肝心な部分がすっ飛んでいてまた新たな展開が起こっているということです。

 ほんと、このすっ飛んだ間に何があったのか気になって気になって、早く2週目をプレイしたかったですよ。しかも、この人格交換にも幾つかのトリックが重なって働いており、なかなか面白いことになっています。ここんところはよく出来ていたと思いますね。

 で、今回もまたとんでもない真相が隠されているわけですが、この作品にはEver17のような解決編が無いんですよね。つまり、限界までゲームをプレイして、答えは自分で見つけろ!ってことなんですよ。
 この作品に対して低い評価を下している人達は皆、ここに腹が立ったわけです。推理ものでこんなん認められないってね。

 しかし、この作品はある意味、解決しないことでこそ完成しているのです。この辺はプレイ後に考察サイトを回ってみることで、一応は納得出来る程度の解答らしきものも用意されています。しかし、それで満足出来る人もいれば、当然そんなものでは納得出来ない人もいる…そういうことから、この作品が問題作というわけです。
 まあ、前作のEver17の時点で既にとんでもないものだったから、続編ではこれくらい思い切ったことをしないと、あの印象には太刀打ち出来ないでしょうからね。

 これも今ではお求め安い価格になってますので、興味のある方はプレイしてみてはいかがでしょうか?とりあえず、途中までなら万人が楽しめる面白さというのは保障しますよw Never7の方は…こちらは恋愛メインなので、その手のものが好きな人なら楽しめるでしょう。





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