様々なシリーズが展開されている人気アニメ・ガンダム…しかし、この作品の評価については色々な意見を聞きます。ガンダムファンが10人いれば、その好みも十人十色と言っていいかもしれませんね。 この根底にあるものは世代…つまり、どの作品を最初に見たかが大きく関係していると思います。 ぶっちゃけ、ガンダムシリーズって似たパターンが使われることが結構あるんですよね。それ故に、最初に見た作品のインパクトが強くなり、後に他のシリーズを見ると、どっかで見たことあるパターンだな…と感じて、つまらなく思ってしまうこともあると思います。 この最初の作品での印象というのが、自分にとってのガンダムというもののイメージをある程度決定付けてしまうのではないでしょうか？ また、最近ではゲーム（スパロボ等）からガンダムに入ってくる人もいるかと思います。そういう人は、あらかじめ大まかなストーリーを知っているので、どうしても初見ならではの驚きという面が薄れてしまっているように思うんですよね。 私の場合、ファーストガンダム（TV版）を見たのが、他のガンダム作品と比べてかなり遅かった記憶があります（ファーストはビデオ化されるのが非常に遅かったので）。そのため、既に色んなところから作品の知識を得ていたので、初見での感動や驚きというのがほとんどありませんでした。そういうところで損をしたかもしれません。 ですから、世間ではファーストガンダムこそが一番だという声もよく聞きますが、個人的にはそこまでの思い入れはないんですよね（リアルロボット路線を築いた歴史的価値という点を考慮にいれると、それこそ100点満点の評価となりますが…） このように、自分の状況によっても趣向は大きく変化し得ると思います。 ところで、最初に世代という話をしましたが、大まかに分類していくと、「ファースト世代」、「平成ガンダム世代」、「SEED世代」という風に分けられると思います。それで、これは私の勝手な思い込みかもしれませんが、以下のような傾向を感じることがあります。 ・ファースト世代は、宇宙世紀以外のガンダムを認めていない傾向にある（ガンダムという骨格を重要視している） ・平成ガンダム世代は、ガンダムという枠を意識せず、あくまで一つの作品として楽しむ傾向にある（面白ければ何でもあり） ・SEED世代は、小難しい御託や理屈よりも、キャラクターやドラマチックな展開を重視する傾向にある（ビジュアル重視） まとめると、ファースト世代は平成ガンダムもSEEDも嫌いだという人が多く、平成ガンダム世代は割と全シリーズに融通が利き、SEED世代は昔のガンダムを古臭く感じている…こんな印象を持っています（あくまで個人的な印象ですが） 同じ”ガンダム”という作品なのに、大きく趣味が分かれてしまうというのは面白い現象ですね。長寿シリーズならではの特色だと思います。 こうやって、時代と共に異なったファン層を取り込んできたガンダムシリーズですが、様々なファン層がいるということは、裏を返せばアンチとなる人も多いということ。ファンにとっては、自分の中のガンダム像というのが既に出来上がっているので、そこから外れた作品が生まれるのは癪に障ることもあると思います。 つまり、このガンダムシリーズというやつは、必然的に代を積み重ねるごとに叩かれていくと思います。これまでの全てのファンを納得させられるような作品なんて出来るわけないんですから。 だから、古いファンがこれからもガンダムを見続けるのなら、もう少し寛容になって時代の流れを考慮することも必要になるのではないでしょうか？ 最近の例で言うと、キャラクターに美少年が出てくるガンダムが増えてきました。キャラ萌えだけに頼るのは確かに邪道だと思いますが、単にその部分だけを見て作品をマイナスとして捉えるのは間違っている気がします。否定するなら、ちゃんとキャラクターの人間性や作品の内容を見てから否定しましょうｗ さらに、ガンダムが一杯出てくるとか、ガンダムが強すぎるとか、そういう批判もあるみたいですが、それも何か論点がズレているような気がします。 敵も味方もガンダムだらけだから嫌だっていうのは、あくまで主観的な見方であって、そのことで作品の出来が良くなったとか悪くなったとかあまり関係ないことだと思います。 あと、ガンダムの強さに関しては、要はその世界観でのバランス次第だと思うんですよね。少数で多数の敵と戦うことが必要な世界観なら、そりゃあ突出した強さが必要になりますよ。大事なのは、いかにして盛り上げるかという部分であり、そこさえ間違わなければ特に文句はありません。つか、ガンダムは元々大なり小なり強いもんだｗ 既にガンダムは、男性向けロボットアニメという枠を超えて、一つのエンターテイメントとして確立されつつあります。その中で、時代の流れと共にこれからも様々な変革を伴っていくと思うので、なるべく偏見を捨てて温かく見守っていくことがファンとしての努めではないでしょうか？ |