No.14 昔見た作品を今見ると… 




 昔好きだった作品を今見たら、大して面白くなかった…なんて体験をしたことはあるでしょうか?
 私はこういうレビューサイトをやっているので、たまに昔見た作品を見直すこともあるのですが、その時に結構違和感のようなものを覚えることがあります。あれ、この作品ってこんなもんだっけ…?と。

 この一番の原因は、年齢による趣向の変化でしょうね。
 子供の頃は、やはり単純明快で分かり易いものが好まれると思います。しかし、年齢を重ねて色々な判断が出来るようになると、それが幼稚に感じたり、物足りなくなることも増えてくるのでしょう。
 まあ、どれだけ経っても面白いものは面白いで、大人になっても楽しめるという作品もあるでしょうが、この趣向の変化により自分の中から弾かれる作品もきっと出てくると思います。これはもう仕方の無いことでしょうからね。
 
 それに、なんだかんだで昨今のアニメは昔と比べて色々進化している部分もあると思います。映像的な技術面はもとより、内容的にも多種多様なものが増えてきましたから。

 今のアニメジャンルの原型となる部分を作ったのは、当然昔からの作品になるのでしょう。そういう意味では、昔の作品の功績は大きいです。しかし、最近のアニメはそこに独自のアレンジが加えられ、それによって様々な魅力が付加されてきているのは間違いありません。
 例えるならば、昔は「塩」でしか味付けされていなかった料理が、今では「ソース」「マヨネーズ」「ケチャップ」等の様々な調味料が増えて、同じ料理でも細かいバリエーションを楽しむことが出来るのです(それを邪道と言う人もいるかもしれませんが)。つまり、より個人の趣味にも近づけるようになったということでもあります。
 故に、普段からこういう多様な作品を味わっていると、昔の大味の作品が少々物足りなく思えてしまうこともあるのです(もちろん、塩には塩の良さもあります)。このような部分でも、「今見返すと大して面白くなかった現象」を助長させているのかもしれません。

 それで、私が問題視したいのは、この趣向の変化に自分が気付かず、いつまでも虚構の偶像に捕われていることがあるんだということです。

 かつて見た作品で、あれは面白かったという観念だけが勝手に大きくなり、いつの間にか自分の中で神格化されていることがあるんです。思い出の中というのは常に美化されているものですし、当時の懐かしさそのものが作品を好意的に映し出す役割も担ってますし…。
 それで、今の作品は昔に比べると駄目なんだよな…なんて、ちょっと気取ったことを言ってみたり。

 しかし、いざ見返してみると、これが自分の思っていたほど面白くはなかったりするんですよね。むしろ、先述したとおりに物足りなさを感じてしまったりすることもあるかもしれません。
 昔からのアニヲタの人は、多くのアニメに触れている今だからこそ、原点に振り返ってその見極めをしてみるのもまた一興なのかもしれません。自分がかつて面白いと思った作品は、今も本当に面白いと言えるのか!?

 けれど、これまで言ってきたのとはまったく逆のパターンもあります。それは、当時理解出来なかった作品が、今見てみたら非常に面白かった…これも結構あるのではないでしょうか?
 自身の成長に伴い理解度が深まって、物語の本質にまで触れることが出来るようになれば、またアニメの楽しみ方というのも変わってくるはずですから。

 ということで、年齢というのは自分の好みを左右する大きな要因の一つになっているでしょう。
 まあ、20歳も過ぎてから見たものは、30歳になっても40歳になってもあまり評価は変わらないのかもしれません。ただ、これが10代半ば以前に見たとかになると、成人してからの評価とは食い違うことも結構あると思います。10代の時なんて精神的にも幼いし、感情や趣向なんてまだまだコロコロ変わるところですから。

 で、結局何が言いたいのかというと、うちのサイトでも昔の作品を多く取り扱ってますが、子供の頃見ただけのものも結構あるので、いつの間にか評価が変わっていても気にするなということですw



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