No.13 うみねこのなく頃に(Episode 1) 感想 




 うみねこのなく頃に 公式ホームページ

 この作品、ひぐらしのような〜編ってサブタイトルは付いていませんが、普通に続き物です。今回はそのエピソード1ってことで、当然何も解決されていません。いわゆる問題編ってやつですね。ひぐらし第1話である鬼隠し編と同じように、色々と含みを持たせたまま終了しています。

 内容を簡単に言うと、莫大な富を築きながらも余命の短い右代宮(うしろみや)家当主・金蔵…その息子・娘達が、遺産を巡ってかなりドロドロした感じになっていくという話です。
 金蔵は余命三ヶ月と言われているのですが、そのまま三ヶ月を大きく過ぎても生き続けているという状態です。つまり、いつ死んでもおかしくはないんですよね。彼の息子・娘達は、それぞれの子供を連れて孤島にある金蔵の屋敷に集まり、金蔵が死んだ時の遺産の分配等についてを話し合っていたのですが、そこで大量殺人事件が起きるのです。

 なんか設定聞く限りだと、よくありそうな事件のパターンです。遺産相続からの殺人事件っていったら、この手の話の王道中の王道ですしね。さらに、島から脱出することが不可能になったとか、こちらからの連絡手段が途絶えたとか、推理もの定番パターンのオンパレード。
 そして、19人目の招かれざる客…「魔女ベアトリーチェ」なる殺人鬼が、あたかも存在しているかのように匂わされていたり、さらには暗号などの謎解き要素なんかもあったりと、根本的な設定は何処と無く金田一少年を彷彿とさせるようにも見えました。

 まあ、それだけだとほんと一般的な推理ものです。この作品独自の路線として、その魔女の正体が人間では無いのでは?というのを物凄く強調していて、ファンタジー要素もあり得るのだというのを敢えて印象付けていました。
 ひぐらしが、事件は祟りか?人の手によるものか?という感じで物語が進んでいましたが、今回のもそれに近かったですね。魔女の正体というのが一切分かっていないので、事件はオカルトチックなものか?人の手によるものか?…すなわち、ファンタジーなのかミステリーなのかって部分に謎を残しています。

 で、ぶっちゃけこの作品は面白いのか?と問われれば、それなりに興味深いものではあったと思います。ただ、うみねことひぐらしの第1話を比較してみると、個人的にはひぐらしの方が好きかな?向こうの方が強いインパクトがあり、こちらの関心をくすぐるシナリオだったように思います。うみねこも悪くはないんですが、犯行にオカルト要素を匂わせている以外は、推理ものとしてよくある展開にも見えました。
 まあ、この先どれだけ続くのか知りませんが、まだ第1話なのでしばらくは温かく見守っていくとしましょう。

 ちなみに、現段階で個人的に一番好きなキャラは夏姫さんです。頑張って凛々しく振舞おうとしているところが可愛い!(…ぶっちゃけ、年齢的にはおばさんだけどw) 元祖”チェス盤をひっくり返す”霧江さんもなかなかいいですね。逆に嫌いなキャラは絵羽さんです。一々発言が癪に障るんですよ。
 つか、この作品は今のところミセスに強い魅力を感じられました。主人公の戦人は推理役として目立っていましたが、その他の子供達の活躍はこれからということなのか?

 ところで、この作品は第2話以降をどうやって続けるつもりなんだろ?解答云々はともかく、一つのエピソードとしては一応終わらせていますからね。ひぐらしの時には、それなりの理由があって続編がありましたが、この作品は?…気になるところです。


 では、ここから先は内容に関して重要なネタバレありなので、OKの人だけ反転(Ctrl+A)して見てください。


 そして誰もいなくなった…

 最後までプレイして、最初に浮かんだ言葉がこれですね。子供達4人が行方不明(多分死亡)で、残りの14人が死亡という今回の全滅ラスト…相変わらず後味悪いです。謎の19人目も結局いるのかどうかはっきりしない…早く続編がやりたいですよ。

 それで、ラストに真里亞の手記が出てきますが、なんとなくこれに違和感…「これを読んだあなた、どうか真相を暴いてください。それだけが私の望みです」という、ひぐらしの時とまるで同じ文章が出てくるわけですが、真里亞がそんなこと書くか?という疑問を覚えました。
 真相も何も、あいつは最初からベアトリーチェ肯定派で、彼女が暗躍していたことを信じていたはずです。それを考慮に入れると、この文は誰か別人が書いたように見えるんですよね。(誰かは分かりませんが…)
 もし、本当に真里亞が書いていたとすると、最後に屋敷で4人だけになった後、彼女の心情を劇的に変化させるような”何か”があったということなんでしょうか?ベアトリーチェの存在を頑なに信じていた彼女の想いを、根本から覆すような”何か”が…
 まあ、結局あの後4人がどうなったのかが分からないので、全ては闇の中です。

 クリア後のお茶会では、なんと魔女ベアトリーチェを登場させてきました。しかも、立ち絵までちゃんと用意して!ここまで魔女の存在を強調し、その犯行に見せたいってことは、”チェス盤をひっくり返す”なら犯人は人間ってことに思えてきます。TIPSでの「煉獄の七杭」など、いかにもオカルトチックな殺し方法の説明もなされていましたが、これもプレイヤーをミスリードするための伏線に見えるんですよね。
 大体、これから先何話も続けていって、解決編で全てのトリックが本当に魔法でしたってオチだったら、プレイヤーはブチ切れますよ。そもそも、物語としてそれはありえない。故に、誰か黒幕的な人間がいると考えて間違いないでしょう。
 むしろ、ひぐらしの羽入の時のように、魔女もいるけど犯行は人間の手によるもの…って可能性が一番ありそうに思えます。

 死体の顔がぐちゃぐちゃにされてるってことから、それはまったく別人の死体で、ほんとは生きてるんじゃないか?ってのは私も考えました。けど、本編でも戦人が一度推理していたし、この手の作品では常套手段でもあるからさすがに使われないかな?
 ただ、金蔵のところだけはしっかりと本人確認が行われたのも気になります。他の奴ら(特に最初の6人の死体)のところでは、顔の砕かれた死体について細かい確認はされなかったのに、金蔵の場合だけはっきりとした本人である証拠(足の指が6本)というのが出てきました。
 けど、それが逆に怪しかったりもするんですよね。もし、他に指が6本…例えば、死んだ人の中にそういう人がいれば、話は一気に覆ることになります。個人的に秀吉辺りがそうじゃないかな〜?とか思ってみたり。豊臣秀吉が指六本だったなどと引用もされていたし、金蔵の死体とナイフが突き刺さっている位置も同じでしたし…


 まあ、ざっくばらんに取り留めの無いことを書き綴ってみましたが、ぶっちゃけファンタジー要素が絡んでいる可能性がある時点で、完全正解とかはかなり不可能に近いように思うんですよね。
 ひぐらしの時もそうでしたが、多少なりともファンタジー要素があり得るとかなったら、現実味を帯びないような、突拍子も無いことがまかりとおってしまうので、推理の幅というのが何処までも広がることになります。

 なもんで、私はこれ以上深くは考えずに、この先黙って物語を楽しむことにしますよw



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